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「ディープリー・ソーリー」は伝わらず?  トヨタ社長 米国公聴会に出席 (週刊金曜日)
http://www.asyura2.com/10/senkyo81/msg/733.html
投稿者 ダイナモ 日時 2010 年 3 月 05 日 20:06:50: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=1021

 二月二四日(日本時間二月二五日)、今回の世界的なトヨタリコール問題で、米国下院議会の公聴会に、いよいよ豊田章男トヨタ自動車社長が登場した。
 二月上旬から五月雨式に行なわれた日本での記者会見では、逆に世界中の不信感を増大させていた。情報を細切れに出し惜しみしただけでなく、不具合への対応を二転三転させるなど、不安定な対応を見せたことが原因だ。それだけに米国議会で、豊田社長自らが、何をアピールするかが注目されていた。
 日本では「プリウス」のリコールに注目が集まっているが、米国での対象車種は「レクサスES350」だ。このモデルは米国製で最も量販されているレクサスで、「カムリ」の兄弟車。日本市場には現時点では導入されていない。
 昨年夏、このレクサスに乗車して一家四人でドライブしていたサンディエゴ州のハイウェイパトロール隊員が、時速一九〇qで暴走、交差点に突っ込んで全員死亡した。この事故は、最後まで電話で緊急通報していたために、その時の音声がテレビで流され、強いインパクトを与えていた。
 ハイウェイパトロール隊員は当然、特別な訓練を受けており、一般人よりもはるかに経験値が高い。彼が「制御不能」と表現したことは軽視できない。


「電子制御に問題なし」
だがデータは示されず

 公聴会の冒頭で、豊田社長はリコール対応の遅れを謝罪し、今後リコール対策を見直すことを確約した。ES350のリコールはすでに、フロアマットの対策と、電子制御のスロットルユニットの改修という形で対応が進んでいる。しかし、米道路交通安全局(NHTSA)を含めた複数のグループから電子制御システムの不具合ではないか、という声が上がり注目されていた。それに対して豊田社長は「実験を繰り返したが、電子制御システムに問題点はなかった」とアピール。しかし、それらを証明するデータは示されていない。
 付け加えておきたいのは、現在米国のディーラーで行なわれている改修作業では、スロットルユニットだけでなく、コンピューターのプログラムの書き換えも同時に行なわれていることだ。その目的は不明だが、プリウスのリコール問題で、今年になってからの生産分ではプログラムを更新していたことを想い起こさせる。
 そもそもES350の暴走事故対応は、当初フロアマットとアクセルペダルの干渉とされていたものが、スロットルユニットの機械的な不具合へと変化していった。
 通訳を間に介して進められた異例の公聴会は、好意的に解釈すれば間を持たせることができた。しかし、当初から想定していた答え以外は、きわめて日本的な遠回しな回答に終始。公聴会の委員だけでなく、米国の視聴者にも苛立ちが募ったという。
「日本的な遠回しの受け答えは、誠実に回答しているという印象をもたれないばかりか、何か不都合なことを隠しているように受け取られたようだ。合格点には全然届いていません」(在米日本人法律家)
「YESか?」「NOか?」と回答を詰め寄られる場面が何度かあったのも、そうしたイライラから急かされた、という印象が強い。
 全体としては、リコール問題の原因究明には、ほとんど進展がなかった。トヨタ側が用意したシナリオは、あくまでこれまで通りの主張を繰り返すものだったからだ。それでは不安感を払拭するどころか、問題を長期化させ、ブランドに対するダメージが、より拡大してしまう可能性が高い。
 すでに日本のマスコミは、トヨタ擁護へと回っている。テレビは米国の街頭インタビューで、公聴会と豊田社長に対する肯定的な意見を選別。だが、米国人というのはそんなに楽天的だったのか?
「米国メディアの印象は、肯定的なのは三割くらいで、やはりもっと真相の究明が必要だ、という空気です。今回のリコールの注目度は高く、フォード・ピント事件に匹敵すると考えられていますから、そう簡単に収束しないと思います」(前出の法律家)
 一九六〇年代後半、フォルクスワーゲン(ドイツ大手自動車メーカー)やトヨタに対抗するために、米国のビッグ3(GM、フォード、クライスラー)は安価なスモールカーを開発していた。「ピント」は一九七〇年に発売。大幅なコストダウンのため、後方からの衝突で燃料タンクから出火しやすい構造になっていた。しかもその欠陥は開発当初から明確だったにもかかわらず生産化され、結果フォードは大幅なイメージダウンと、懲罰的賠償請求を受けることになった。人類史上、最悪のリコールと呼ばれてきたのだが、トヨタの大量リコールはそれに匹敵するという。つまりきわめてシリアスな問題というだけでなく、企業としての誠実さに欠けるということだ。


次はカローラか?
報告される不具合情報

 日本ではこの大量リコールに対し、被害妄想的な感情に基づく、米国の陰謀であるかのような論調もある。しかし、認定されているだけで三〇人以上の死亡者を生んでいるのであり、そこから目をそらしても仕方がない。米国議会選挙のタイミングや米国の自動車産業の保護はどうあれ、問題の本質はあくまで大量のリコールと暴走事故問題なのだ。
 そして米国民が注意深く観察しているのは、はたしてトヨタが信用できる企業なのか、という点なのだが、残念ながら豊田社長の失言が目立った。「全責任を負う」としながらも「社長就任以前のことはわからない」「技術屋でないので、わからない」とした答弁は、会社を代表している立場として十分ではない。ましてや豊田社長は以前は品質管理担当の副社長であり、リコール関連案件は直接の担当者だったのだ。
 公聴会終了後には、米CNNの名物キャスターの番組「ラリー・キング・ライブ」に出演したが、その際にも「私はマスコミ嫌いだが、それでもこの番組に出演できたことを嬉しく思う」とコメントした。企業とはそもそも社会的存在であり、大きな企業はその社会的な責任も大きくなる。
「大きな企業のトップがマスコミ嫌いだと公言することは、米国では考えられない」(前出の法律家)
 米国では、すでにレクサスES350以外に調査が進んでいる案件がある。それは「カローラ」の電動パワーステアリングの不具合で、走行中に突然蛇行を始めるというもの。ES350よりも販売台数が一ケタ多いこともあるが、不具合の報告例がおしなべて多い。だが、トヨタはまだ有効な説明をしていない。(三月一日現在)
 一方、日本ではプリウスのリコール対策が進んでいる。ABSの制御に関わるソフトウエアの設計に無理があり、それを修正している。「以前から不自然なブレーキの感覚について、少なからずクレームがありました。それはハイブリッドの特殊性として納得してもらっていましたが、不自然なのと抜けてしまうのは、全く次元が違います。ブレーキだけに、不信感を持ったお客様も少なくないと思います」(トヨタディーラーのサービススタッフ)
 トヨタにとって幸運なのは、少なくとも日本国内はハイブリッドという特殊なモデルだけの問題であり、一般的なクルマとは別だ、との主張が通りやすいことだ。
 ただし米国ではプリウスの暴走も報告されている。マッキントッシュやiPodなどで有名なアメリカのコンピューターメーカー、アップル社の創業メンバーのひとり、スティーブ・ウォズニアック氏は二〇一〇年型プリウスで時速一六〇qまでの急加速を経験したという。彼はコンピューターのスペシャリストとして、明らかなソフトウエアの欠陥だ、とコメントしている。
 まだまだ火種は残る。
「急激な拡大によって、人材育成が間に合わなかった」という公聴会での豊田社長の答弁は、なにか示唆的だ。単純なミスであれば不具合は限定的だが、組織としての不完全さが原因であるとすれば、全製品に波及しても何の不思議もない。

岡村神弥・フリーランスライター
 

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