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裁判員法廷@鳥取 ドキュメント・無期判決(死刑は次回に?)
http://www.asyura2.com/10/senkyo81/msg/639.html
投稿者 戦争とはこういう物 日時 2010 年 3 月 04 日 02:53:00: N0qgFY7SzZrIQ
 

 当初、裁判員初の死刑判決か?!と騒がれたこの裁判。結局は「死刑判決前段階」ストレスの実験にとどまった様だ。
 「裁判員死刑判決」は近いのか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(引用ここから)
http://mytown.asahi.com/tottori/news.php?k_id=32000001003030001
裁判員法廷@鳥取 ドキュメント(6)
2010年03月03日


■判決


 14・15 22席の一般傍聴席を求めて、805人が鳥取地裁に並んだ。


 14・55 影山博司被告(55)が緊張した表情で入廷。手錠をはずした瞬間、ふるえる手で顔を覆った。


 15・00 小倉哲浩裁判長が主文を述べる。「被告人を無期懲役に処する」。裁判員は被告を見つめていた。


 15・30 小倉裁判長が「石谷(英夫)さん、大森(政子)さんへ冥福を祈り続けて下さい」と説諭する。数回うなずいた被告は裁判長、検察側、傍聴人、弁護人側と何
度も頭を下げた。


 15・45 被害者参加人として出廷していた大森さんの長男は硬い表情のまま、足早に法廷を後にした。


◆役目終え安堵


 16・12 裁判員2人が記者会見に出席。「役目を終えて安堵(あん・ど)しているというのが率直な気持ち」


 17・00 杉山尊生弁護士が会見を開き、判決後に面会した被告の様子を語った。目立った感情は表に出さず、「積極的に控訴する意思はない」と話していたという。杉山弁護士は「強盗目的と認定されたことは承服できない。弁護人として控訴するかどうか検討したい」。


 17・10 裁判員2人が会場を変えて補足取材に応じる。「市民感覚が判決に反映されたと考えるか」という質問に、30代の男性裁判員は「自分の意見が含まれた評議、判決だったと思う」。


◆裁判員に敬意


 17・30 鳥取地検の北佳子次席検事が会見。「重い責任を果たされた裁判員に心から敬意を表したい」


 19・32 大森さんの長男が取材に対し、「被告には控訴せずに刑を受け止めてほしい。真剣に参加していた裁判員の方々にお疲れさまでしたと言いたい」と語った。


■「中立」頭に評議 裁判員 一問一答


 【記者会見】


 ――裁判を終えた率直な感想は。


 裁判員(1)(以下(1)) 大変注目された重大な事件で、その裁判で裁判員として役目を終えて安堵(あん・ど)している。中立の立場で被告や証人の話を聴くのは、集中力がかなり必要な役割だった。取ったメモは140枚になった。


 裁判員(3)(以下(3)) 率直な感想は終わってひと安心。


 ――長丁場だったが心理的な負担は。


 (1)裁判の重さが優先され、長さは感じなかった。


 (3)負担はまったくなかった。


 ――死刑求刑の可能性もあったが。


 (1)量刑ありきではなく、まず起こった事実と人間性を重視した。


 (3)死刑または無期懲役という二択だったけど、今でも複雑な心境。


 ――検察が無期懲役を求刑した時はホッとしたか。


 (1)心を揺るがしたことはない。3日間の評議では涙を浮かべながら話し合った。


 (3)いろんな視点から中立的に見てきたので、特別な思いはない。


 (1)偏った先入観や外から聞こえる話によって結審したのではないのは事実。チームのバランスが良くて、それぞれの方が健康を気遣い、仕事の制約に心を配りながら、役目を果たせたのではないか。


 ――無期懲役の求刑で議論の余地は狭まったか。


 (3)ない。無期懲役を踏まえつつ、裁判員が議論して意見した。


 【会見後の補足取材】


 ――裁判員を終えて率直な感想は。


 (1)裁判では許される範囲で質問し、評議に臨んだ。どうしたら中立を保てるかに苦悩しながら、被告や被害者、遺族に直接尋ねることで、納得できる評議に持って行けた。法廷で開示された情報をもとに、自分たち自身は意を尽くして審理したと、自信を持っている。


 ――十分な判断材料は示されたか。


 (1)裁判員にどう分かりやすい説明するのか、その準備が実ったと思う。審理が短いということはない。


 (3)検察側は検察側で、弁護側は弁護側で、非常に分かりやすく要点をまとめて頂いた。分かりにくいことに対しては裁判長が丁寧に説明してくれた。


 ――被告と家族との面会時間まで示されたと思うが。


 (1)被告がどれくらい自分の家族に会えるのか分からず、裁判長に教えてもらった。判決を決める際に、人間として被告が生きていくうえで、どこまでが許されて、どこまで許されないのかということまで含め、評議したと自信をもっている。


 ――被告の調書と法廷の証言に食い違いがあったが、取り調べの可視化について。


 (3)録画しても目に見えたものがすべてではない。どちらも同じだと思う。


 ――悲惨な事件を審理するにあたり、裁判員はどんな様子だったか。


 (1)裁判員は、被告の家族の証言に目に熱い物を感じた。一方で、被害者側の「なぜ殺されたのか」という断腸の思いも受け止めている。


 (3)それぞれ怒りだったり、悲しみだったり、色んな複雑な感情を抱いていたと思う。


 ――市民の考えは判決に反映されたと思うか。


 (1)法律用語を極力ひかえ、説得力のある文章に仕上げている。


 ――裁判前に事件をどのように受け止めていたか。


 (1)県内で知名度の高い企業で起きた事件で、十分に知っていた。


 (3)米子で何という凶悪な事件が起こったのかと思った。法廷のすべての場面が鮮
明に残っている。


■元裁判官の川上拓一・早稲田大大学院教授(刑事訴訟法)の話


 丹念に事実認定をしていて、職業裁判官と裁判員の間で非常によく評議された痕跡が見て取れる。今回の事件は、まじめなサラリーマンが会社のために一生懸命やっているなかで凶行に及んだというもので、裁判員にとってその心中に思いを寄せやすい事件だっただろう。ただ事件の結果は死刑もあり得るあまりに重いもので、その落差に裁判員は苦しんだのではないか。今後は実際に死刑判決を下す裁判が出てくる。職業裁判官も死刑判決のときは悩み抜いている。裁判員も負担は大きいが、徹底的に悩むことが大切だ。


■城下裕二・北海道大大学院教授(刑法)の話


 全体として妥当な判決だ。弁護側は「強盗目的ではない」と主張してきた。確かにこの事件は個人的な利益を得るために起こした典型的な強盗殺人事件とは違うが、金銭を引き出すことを意識しつつ殺害している以上、強盗殺人罪は成立する。


 そのうえで、被害者の理不尽な行動が被告を追いつめた原因面や犯行の計画性の弱さなど、この事件に特徴的な事情を考えたとき、死刑ではなく無期懲役となったのだろう。


■判決要旨


 【主文】


 無期懲役に処する。


 【犯罪事実】


 (1)石谷会計事務所の経理担当だった被告は、石谷英夫さん(当時82)のために資金の負担を強いられたり、雑務に従事させられたりし、激しい嫌悪感を覚えた。


 09年2月21日午前11時35分ごろ、石谷さんの後頭部を凶器で殴り、電気コードで首を絞めて殺害した。同日正午過ぎごろ、石谷さんの居宅で内妻の大森政子さん(同74)の頭部を土間にたたきつけ、ネクタイで首を締めて殺害。翌日までに預金通帳やキャッシュカードを奪った。


 (2)犯行の発覚を逃れるため、石谷さんの死体をブルーシートに包んで遺棄した。大森さんの死体はビル屋上倉庫に運んで遺棄した。


 (3)09年4月までに12回にわたって米子市の現金自動出入機(ATM)コーナーなどから現金計1200万円を引き出して盗み取った。


 【量刑事情】


 (1)動機は、石谷さんが会社資金を自分のものとしたため、被告が精神的に追い詰められ、被害者らを殺害して通帳を奪い、精神的負担や経済的状況を解決しようと図ったことと認められる。個人的な利益を得るための犯行とはいえず、強盗殺人罪が本来予定する利欲的犯行とは性質を異にする面がある。大森さんには、殺されなければならない落ち度はなかった。


 (2)被告は凶器を自宅から会社に持ち込んでいたものの、他の従業員に発覚する危険があるなど、冷静かつ周到に練り上げて実行したとはいい難い。


 (3)大森さんの遺族が被告に極刑を求める心情は当然。石谷さんの遺族らは極刑までは望んでおらず、被告の事情を理解している様子もうかがわれ、被害感情の内容は考慮せざるを得ない。


 (4)被告に前科はなく長年まじめに働いてきた。特異な状況の中で生じてしまった事件だった。


 (5)犯行を後悔していれば、遺体を隠して放置し、何日にもわたり金銭を入手し続け、被害者らの生存を装うなどはできるはずがなく、犯行後の行動は悪質。


 (6)2人を殺害した強盗殺人であるが、単純な金銭目的の利欲的犯行といい難い面がある。被害者に対する嫌悪感が大きな影響を与え、石谷さんの理不尽な行動が被告を追い込んだことは同情の余地が大きく、被告が命をもって罪を償わなければならない事案とまではいい難い。


 (7)被告に同情すべき点はあるが、死刑を選択しないという限度にとどまる。特に大森さんまでも殺害したことは許されず、その後に被告がとった行動の悪質さも考えると、有期懲役刑にすることは考えられない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(引用ここまで)
関連:
■鳥取地裁法廷(第4回)詳報:裁判員に「たまたま選ばれただけなのに、拘束させて申し訳無い」
http://www.asyura2.com/10/senkyo81/msg/357.html
投稿者 戦争とはこういう物 日時 2010 年 2 月 27 日 02:21:19: N0qgFY7SzZrIQ

 

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コメント
 
01. 2010年3月04日 03:34:07
この事件は、一労働者が付け上がって会社を担っているような気分になって
勝手に借金して困り、社長を殺した事件じゃないのか?
どう考えても会社との自己同一化が異常。一人しか殺してなくとも死刑がふさわしい。

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