★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK81 > 612.html ★阿修羅♪ |
|
鳩山政権の危機(山口二郎) http://www.asyura2.com/10/senkyo81/msg/612.html
2010.02.27 Saturday たとえば、高校授業料無料化について、中井拉致問題担当大臣が、朝鮮人学校を除外すべきと発言したと伝えられている。北朝鮮に対する強硬姿勢をアピールして、ナショナリズムという安易な手段に訴えようという浅はかな目論見である。この記事を読んで、私は怒るというより、悲しくなった。政府が率先して差別を推進しようというのか。拉致問題の追及とさえ言えば、罪のない生徒たちを迫害してもよいと考えているならば、まさに人間失格である。このような不見識な政治家を抑えられないならば、鳩山首相も政治家失格である。 私は先日、映画「インヴィクタス」を見た。南アフリカでアパルトヘイトが廃止されたのち、大統領に就任したネルソン・マンデラがラグビー・ワールドカップを契機に民族融和のために奮闘した様子を描いた感動作である。特に印象に残ったのは、多数派となった黒人が白人文化の象徴であったラグビーチームの名前やエンブレムを変えようとしたときに、マンデラがそれをたしなめ、止めた場面であった。かつて差別する側だった白人が持っていなかった寛容、同情を自分たちこそ発揮すべきだというマンデラの言葉は、権力を勝ち取った者に対する普遍的な教訓である。 中井氏だけではない。民主党には権力を取ったのだから自分たちの好きなようにやらせてもらうという驕りが見える。公共事業の個所付け、土地改良事業に対する大幅な削減など、予算にからんで政権党の威光を見せつける場面が目立った。小沢幹事長は、比叡山を焼き討ちにした織田信長を気取っているのであろうか。自民党から民主党に看板は変わったものの、権力者の行動は昔のままというのでは、政権交代の意味はない。 小沢幹事長は、今こそ自民党の息の根を止めたいと考えているのだろう。しかし、自民党はとうの昔に死んでいる。今の自民党は自分たちが死んだこともわかっていないゾンビの集団である。政党政治にはもちろん権力闘争が付きまとう。しかし、あまり権力闘争ばかり見せられると、国民は辟易する。いま国民が民主党政権に期待しているのは、政策を実現することである。小沢幹事長は、参議院選挙に向けた組織戦ばかりを繰り広げると、かえって無党派層は民主党に背を向け、支持は減るという逆説に早く気付くべきである。 逆境の時には、焦っても仕方がない。政権与党の短所、誤りを謙虚に振り返り、自ら誤りを正すという姿勢こそ必要である。政権与党の失敗については、ほかならぬ民主党の議員が最もよくわかっているであろう。政務三役に入った政治家は毎日の課題に追われて自省している暇はないだろうが、その他大勢の政治家は政府の動きを冷静に、あるいは不満を持って見ているはずである。民主党の政治家の知恵とエネルギーを引き出すことが、政権立て直しに不可欠である。 特に、参議院選挙に向けて、これまでの政権運営を踏まえ、マニフェストを作り直すことが急務である。(週刊金曜日2月26日号) | 週刊金曜日 政治コラム | 00:34 | comments(0) | trackbacks(0)| pookmark|
2010.03.01 Monday インビクタス Posted by 山口二郎
インビクタスで取り上げられているマンデラの言葉を、利益誘導して何が悪いと居直る民主党信者と個所付けで締め付けをしようとしている民主党に噛みしめて欲しいものだ。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK81掲示板
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
▲このページのTOPへ
★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK81掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。 すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。 |