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【トヨタと派遣従業員:人材が育たないハケン制度は日本のモノづくりに危機をもたらしたw】揺らぐトヨタ神話、「コスト」と「拡 http://www.asyura2.com/10/senkyo81/msg/586.html
揺らぐトヨタ神話、「コスト」と「拡大」優先が裏目に
<生かされなかった米の警告> 昨年12月15日、米高速道路交通安全局(NHTSA)のメドフォード局長代理ら3人の米政府高官が愛知県豊田市のトヨタ本社を訪れた。事故が相次いだトヨタ車の安全性について、オバマ政権からの厳しい警告を直接、トヨタ本社の幹部に伝えるためだ。 この時点で、トヨタは米国で500万台を超える車両のリコールを実施していた。フロアマットがアクセルペダルに引っかかって戻らなくなるという、一見、ありふれた不具合の修正が目的だが、米政府側はそう見ていなかった。同政府は、この不具合に死亡事故を誘発する危険性を感じ、実際にトヨタ車で起きた5件の死亡事故の原因になった可能性があると考えていた。 フロアマットとアクセルペダルのデザインだけが問題なのか──。米政府が抱いた疑念は、それまで3カ月にわたって続けていたトヨタ米国現法とのやりとりでも解消されていない。同社本社を訪れたメドフォード局長代理の言動は、トヨタ側の対応は不十分だ、というオバマ政権の苛立ちをはっきり示していた。 メドフォード氏と2人のNHTSA高官はまず、100人の幹部とエンジニアで満員になった同社本社の会議室で、米安全規則を改めて説明。その後、別室に移り、トヨタの品質保証の責任者である横山裕行常務、お客様品質部の宮本真志部長ら少人数の幹部と面会した。NHTSAによれば、同氏らはトヨタ側に対し、不具合を起こした車種への対応が遅すぎると指摘し、もっと素早く、効果的なアクションをとるよう強く求めた。 「その時点でわれわれは協議が深い意味を持っているとは予想していなかった。既にフロアマット問題に対応していたからだ」。佐々木真一副社長はメドフォード氏らとの会談をこう振り返る。 協議に同席したトヨタの幹部らは、米国側からの詳細な調査の対象となったアクセルのケースについて、恐らくフロアマットの配置が原因ではないか、と説明した。これに対し、NHTSAの高官らは同じような説明を繰り返す同社側の対応を厳しく非難したという。 <膨れ上がるリコール、収益を圧迫> トヨタがリコールを行った地域は米国、日本だけでなく中国や欧州におよび、リコール台数は世界合計で850万台以上に増加した。内訳はフロアマット問題で575万台、アクセルペダル問題で445万台(うち210万台はフロアマット・リコール対象車と重複)、昨年5月発売の新型「プリウス」など4車種のブレーキ関連で43万7000台だ。さらに10日には米国で生産した主力車種「カムリ」7700台についてブレーキの利きが悪くなる恐れがあるとしてリコールを発表した。 同社として過去にない規模まで広がった大型リコール。豊田章男社長は、9日に都内で行った会見で、利用者、株主、同社関係者などに謝罪する一方、「販売よりも既存ユーザーの方々に安心していただくことを最優先する」と強調。リコールがさらに増加し、関連費用が短期間に相当膨らむのは不可避との見方を示した。 リコール費用による業績への影響について、トヨタは4日の四半期決算発表時、2010年3月期の営業損益に1800億円規模の影響が出るとし、今期連結営業損益は200億円の赤字との予想を公表した。しかし、4日以降に発表した新型プリウスなどのリコール関連費用は織り込まれておらず、さらなる業績圧迫要因となりそうだ。 苦闘するトヨタを尻目に米国ではゼネラル・モーターズ(GM)[GM.UL]が1月末、トヨタからGMに乗り換えると1000ドルキャッシュバックするキャンペーンを開始。フォードF.Mはトヨタのみならずホンダ(7267.T: 株価, ニュース, レポート)車も含め、買い替えに1000ドル払い戻すキャンペーンをはじめた。米自動車需要の低迷が続くなか、これらのキャンペーンの効果は不透明だが、ブランド力が向上している韓国車などが通貨ウォン安と値ごろ感を武器にトヨタを含め日本車需要を侵食する可能性を懸念する声は多い。 <トヨタ方式、基本の品質管理にほころび> トヨタに対する米政府の厳しい対応や同国メディアの論調について、国内自動車産業を有利にする保護主義的な過剰反応との見方もある。これまで重大な車両欠陥を理由にリコールを行った自動車メーカーはトヨタだけではなく、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォードにも過去に例がある。ラフード米運輸長官は2月3日、トヨタ車の所有者は運転をやめるべきだと発言、すぐに修正したが、米国車のリコールについて、そうした発言はこれまでなかったという。 しかし、直接の危機対応として、不具合があった車両のリコールが効果的だとしても、今回の事態を招いた根本的な原因はまだ見極められていない。エクセレントカンパニーとして内外でゆるぎない評価を受けてきたトヨタ自動車に、いま何が起きているのか。 同社内外から出ている指摘に共通するのは、同社の競争力の源泉となってきた品質管理にほころびが生じているのではないか、という点だ。日本の若者の自動車離れや国内市場の低迷で、海外生産の拡大は同社にとって一層重要になっている。一方、コスト削減のための非正規雇用の拡大は、トヨタを支えてきた熟練工気質の劣化を招く。 「派遣や契約社員、期間工など間接雇用の拡大は、社内に蓄積すべきスキルの水準が落ち、製品の品質を脅かす」と、同社ウォッチャーのひとりである森岡孝二関西大学教授(企業社会論・株式会社論)は指摘する。そして、熟練工の相対的な減少で、「かつてのトヨタの強みだったトラブル対応能力の高さが失われつつある」。 期間工経験者の1人で、非正規雇用労働者の労組である名古屋ふれあいユニオンの運営委員長である酒井徹氏も同様の見方だ。「必要なものを必要なときに必要な数量だけ調達・生産するジャスト・イン・タイムという考え方が、雇用にも適用され、技術の蓄積がおろそかになりつつある。リーマンショック後に長年勤めた人がばさばさと切られ、技術の蓄積を持たない人が増えたため、不良品は必ず出るだろうと思った」と現場からの声を語る。 ある大手商社の自動車部材担当者は「2006年に当時の渡辺捷昭社長が品質の徹底を最優先事項に掲げたのはすでに品質への危機感があった証拠」と振り返る。しかし、トヨタは、その後の好景気で、世界各地に拠点を展開し、生産規模の国際的な拡大に走った。 ただ、今回のトヨタショックが長期間にわたって同社を低迷させるとの予想は多くない。「今年の業績には(リコール問題が)ジャブのように効いてくる可能性はある」(大手商社)との懸念がある一方で、「販売などへの影響がゼロではないだろうが、(リコール対応を)地道にやれば信頼性が地に落ちることにはならない」(新日本製鉄(5401.T: 株価, ニュース, レポート)の谷口進一副社長)との声は根強い。 「トヨタは絶対に失敗しない全能の存在だと思っていない」。豊田社長は今月9日の会見で、トップ企業としての「慢心」批判に答えるかのように、「欠陥を発見したり、失敗したりした時にはかならず修正する」と強調した。 (ロイターニュース取材班:竹本能文、ネイサン・レイン、金昌蘭、浦中大我、平田紀之、ケビン・クロリキー、編集:北松克朗) http://jp.reuters.com/article/wtInvesting/idJPJAPAN-13869520100212
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