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「財源」に浮き足立つ民主党政権への心配(山崎元のマルチスコープ) http://www.asyura2.com/10/senkyo81/msg/460.html
>マニフェストの看板政策「子ども手当」すら満額予定通りに実現できないようでは、 まったく、その通りだ。 「財源」に浮き足立つ民主党政権への心配(山崎元のマルチスコープ) ツー・トップが弱点 民主党政権の支持率が、以前の自民党の各政権時の減価償却を思わせるような、見慣れたペースで落ち込んでいる。政治的にも実害が出始めており、長崎県知事選挙、町田市長選挙で民主党の推す候補が敗れた。「小沢選挙」の神話も効力が怪しくなってきた。 前回総選挙での「勝ち過ぎ」に対する国民のバランス感覚の現れということもあるだろうし、鳩山首相が自ら率直に認めるように「政治とカネ」の問題が批判された結果でもある。加えて、総選挙で約束した民主党らしい政策がほとんど実現していないことに対する失望が大きいのではないか。天下りは認める、ムダの削減は格好だけ、予算案はすっかり財務省ペースというのでは、減点材料ばかりだ。それにしても、短期間でどうしてここまでダメになるのか。 率直に言って、政権の表・裏のツー・トップである二人が共に資金問題で追及の余地のある傷を持っていることが政権運営停滞の最大の原因だろう。 共に、財務省配下の国税に弱味を握られているのではないか。鳩山氏の脱税額は逮捕・告発でもおかしくないくらい大きいし、小沢氏への検察の動きには多くの議論があるが、資金問題で再び強制捜査されたり、起訴されたりする事態になると、最終的な司法判断以前に政治的な立場を失いかねないのが現実だろう。彼らは、いわば官僚機構側のお目こぼしによって権力を持っているのが現実だ。小沢氏の説明責任の問題や、検察の捜査の妥当性など重要な議論は別にあるが、力関係としてはこれが現実だろう。官僚制度改革の後退もこれらの問題と無縁ではないのだろう。 政治とカネという点については、鳩山首相、小沢幹事長をはじめとして、民主党の多くの議員がかつての自民党出身者なのだということをあらためて思い出した。 飼い慣らされた菅財務大臣 一方、菅直人財務大臣は、いい意味での野党らしさを持った民主党を代表する人材であり、旧来の自民党の臭いがしない。その意味でも、彼の財務大臣就任には期待感が大きかった。菅大臣が財務省を掌握できれば、かなりのことが出来るのではないかと思わせた。 しかし、就任当初こそ、1月10日に出演したNHKのテレビ番組で「この1年は徹底的な財政の見直しを中心にやるべきだ。その上で必要な議論は消費税だろうが環境税だろうがやっていく」と述べて、消費税率の引き上げに向けた本格的な論議は2011年以降になるとの見通しを示しつつ、支出のムダに切り込む姿勢を見せたものの、この勢いがみるみる後退していく。 先ず、「議論することは結構なこと」だとして政府税調で3月から消費税も含めた税制の議論を行うことを容認した。さらには民主党の看板政策である「子ども手当」について、国債を財源としたくないと述べて、何らかの増税とセットで実施したい意向を示した。増税は、報道ベースでは、所得税の最高税率引き上げ等が有力とされている。 財務省としては「子ども手当」の財源に絡めて、消費税についてあわよくば民主党政権下での税率引き上げ、出来ない場合は、引き上げ予定の法案化くらいまで進めたいところなのだろう。ムダの削減は、他省庁に対する牽制力として使いたいところではあろうが、たくさん徴税して、たくさん支出するのが財務省の権限を強化する道であり、ひいては全官庁の天下りの席も含めた影響力強化の方向性だろう。そのためには、税源を早く確保して、全体を縮小させずに、予算の規模を長期的に確保したい。だから、デフレ下で生産水準が回復していない現状でも、消費税率の引き上げにこだわるのだろう。 一方、消費税率の引き上げが遅くなると、それだけ財政は逼迫するはずだから、既存の支出により厳しく切り込む必要が出てくる。菅大臣は、本来、消費税など議論もさせないと脅かして、支出削減の鬼になるべきだったはずだ。 加えて、菅大臣は昨年11月に「デフレ宣言」を出して、デフレ対策に取り組むことを宣言したはずだった。この観点からすると、向こう3年程度、財政赤字が拡大することは、金融緩和の側面支援としても有効なはずだ。今は増税を急いでみせる時期ではない。 大臣が主導して財務省に支出の削減をやらせるのか、これまでの大臣のように財務省の振り付けのもとに中途半端な様子見の発言を繰り返すのか、この差は大きい。 菅氏にも何か弱味があるのか、経済が分からないとか国際会議が怖いとかで現場の機嫌を取っているのか、それとも体調でも悪いのだろうか。何れにせよ、菅財務大臣は、ごく短期間の間に、すっかり財務省に取り込まれてしまった印象だ。 個別財源論の枠組みに乗るな 「子ども手当の財源をどうするのか?」という質問が典型的だが、「個別の支出に個別の財源が対応していなければならない」という前提の下での議論は、予算と政策を硬直的にする。現状の財政状況では、一般会計のどの支出も「半分は国債が財源です」と答えざるを得ない筈だが、既存の支出項目について、財源が確保できないから凍結するという議論は出来てこない。「財源」がそんなに重要なら「来年度の公務員給与の全額支給は財源が確保できないので難しい。2割ほど凍結したらどうか?」といった話が出ても良さそうなものだが(実際は公務員の給与を変えるのは法的に難しい)、そういった話にはなっていない。 官僚のレクチャーが巧みなのか、記者がそれ以外の判断材料を持とうとしないからか、対象を分けて個別の財源を問う議論の枠組みにメディアも簡単に乗ってしまう。この調子では、新しいことが出来にくい理屈だ。 マニフェストの看板政策「子ども手当」すら満額予定通りに実現できないようでは、民主党政権は早晩国民に見放されるだろう。同時に、選挙時の公約は守らなくてもいいという悪しき先例が確定するから、国民は、政治自体を丸ごと見放すのではないだろうか。 新政権は政治家個人の「財源」問題と共に、国家財政の「財源」議論の、両方にがんじがらめにされている印象だ。どちらも、実行に勇気が要るとしても、理屈が分かればスッキリ処理できるはずの問題だ。
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