投稿者 ベーシックインカム@全ての人に健康で文化的な生活を 日時 2010 年 2 月 28 日 00:31:43: S27q4DRmV.QEQ
■失われたGDPを取り戻す秘策:若田部昌澄(早稲田大学教授)
事態は急変している。12月20日のデフレ宣言以来、政府は日銀との対話を活発化させ、
日本銀行は、鳩山由紀夫総理大臣と白川方明日銀総裁が会見を行なう前日の12月1日に臨時金融政策決定会合を開催、追加的金融緩和を決めた。
はっきりいって、この追加的金融緩和は短期資金の供給が中心であり、ほとんど効果はないだろう。
その証拠に決定直後には少し安くなった円も、再び高くなりはじめている。
けれども、政府と日銀がデフレについての認識を共有し、望ましい政策について協議をしはじめたことは喜ばしい。
問題はこれからである。これからの動きを考えるうえで、経済政策の基本を振り返っておくことが便利だ。
経済政策の基本は、3つにまとめて考えるのがわかりやすい。
第一に、経済成長だ。やはり経済成長は大事だ。
全体のパイが拡大しないなかで、その切り分けだけを考えても、最後はおやつを奪い合う子供の喧嘩のようになりかねない。
ちなみに、よく江戸時代を引き合いに出して、ゼロ成長ないしは定常社会の例とする論調が見受けられる。
あたかも経済成長がなくてもよい社会が可能であるかのようだ。
けれども歴史をひもとくかぎり、これほど誤解を招きやすい議論もない。
日本経済史では、江戸時代は明治以降の近代化の基盤を形成した成長の時代だったというのが定説になっている。
その原動力はさまざま指摘できるものの、徳川幕府の下で平和が維持され、そして偶然にも税金が低かったことが大きい。
税金が低かったのは、農民の抵抗によって既存田畑での収量検査(検地)が行なわれず、作れば作るほど収入が増えたからである。
第二に、景気安定だ。
今回の危機のように、名目でみた国内総生産(GDP)が急激に減少するのは、どうみても供給側の問題ではない。
需要不足が原因だ。このような急激な需要不足に対しては政府・中央銀行がきちんとした対応をとらなければならない。
そして第三に、所得再分配だ。
格差について対応すべきかどうかは異論があるだろうが、貧困問題を放置することは経済からも社会統合の観点からも望ましくない。
ことにこれだけ急激な需要不足は、貧困層を直撃している。迅速な対応が必要だ。
これらの3つの目標のあいだには依存関係があり、3つの目標をできるだけバランスよく同時に追求することは経済政策の基本である。
そこで提唱したいのは、景気安定を軸としながら、ほかの2つの政策にも配慮したパッケージである。
具体的には一定の国民生活安定目標値を掲げ、その実現に政府と日銀が一体となって取り組むことを提唱したい。
まずその規模である。
現在の日本の名目GDPは、直近のピーク時から下がり、約470兆円にまで下がってしまった。これは18年前の水準である。
今度の危機で失われた額は、控えめに見積もっても50兆円くらいに及ぶ。
そして名目GDPは国民の得る収入、所得にだいたい対応する。
昨年のボーナスがほぼ20年前の水準にまで下がってしまったことは、偶然ではない。
失われた名目GDPを奪還することで国民の懐を豊かにする。これが最低限の目標である。
次に、これを取り戻すのに明確な期限を設ける。
私としては、名目GDPを5%成長させる目標を最低2年間継続することを提唱したい。
これでだいたい50兆円くらいを埋めることができる。
目標を決めたあとは、政府と日銀の密接な協力が必要不可欠である。
これまでの経験から、財政だけの単騎出動は討ち死にのリスクが高いだろう。
円高が進み、最後は元の木阿弥になるからだ。だから財政と金融が一緒に出て行くことが大事である。
とはいえ、金利も低く金融緩和の手段に乏しいという意見もあるだろう。
そこで財政支出と組み合わせる。
たとえば年間25兆円の財政支出を政府が決め、その財源として危機対策特別国債を発行する。
その国債は日銀が直接引き受けをすればよい。
ただし、財政支出といっても従来型の公共事業はやめたほうがよいだろう。
先の政権の補正予算でもかなり無駄な事業が計上されてしまった。
それよりも、貧困層への給付、子供の貧困への手当、あるいは社会保険料の徴収免除などがありうる。
これに諸外国並みの法人税水準への減税を加えてもよいかもしれない。
この政策は一石三鳥である。
すなわち、景気安定政策というだけでなく、経済成長率を前面に押し出すことで経済成長重視を訴えると同時に、
かつ財政支出を貧困層に手厚く支出することで所得再分配にもつながりうるからだ。
もっともこういうと、いろいろと異論が出てくるかもしれない。
いわく、いまの景気の落ち込みをすべて政策で補うことはできない、いわくそれは財政法で禁止されている、
いわくそんなことをすればひどいインフレになってしまう、いわく2年後はどうなるのか、などなど。
こうした疑問についてはこう答えたい。現在の急激な所得の縮小を放置しておく必要は、まったくない。
危機にあって諸外国は大胆な政策を採っている。それにわが国が遅れる必要はない。
むしろ危機にあっては、大胆な者に幸運の女神は微笑みかける。
インフレが心配ならば別途、物価上昇率の上限を政府が定めてやればよい。
また、日銀の直接国債引き受けを禁じた財政法第5条は、
但し書きで、特別な理由がある場合には国会の議決の範囲内で直接引き受けは可能であるとしている。
2年後が心配ならば、その後も一定の経済成長目標を掲げればよいだろう。
最後は政治の決断である。政治家が国民生活を守る英断を下すことを期待する。
http://money.goo.ne.jp/investment/news/keizai/phphp-20100117-01.html
関連:
◆「日銀は国債直接引き受けを」岩田規久男(学習院大学教授)
10 日銀がデフレ誘導政策を放棄し、2〜3%のインフレ目標を設定し義務付ける改革が必要。日本銀行法の改正が必要。
11 しかし法改正には時間がかかるので、昭和恐慌期の高橋是清をならい、日銀による国債の直接引き受けを実施すべき。
12 財政法第5条では特別の事由があれば国会の議決で11(日銀による国債の直接引き受け)を行える。
政府はこの非常事態にまさに国会で議決して国債の日銀引き受けをすべき。
そのときに無制限の引き受けを防ぐために、インフレ率の2〜3%の明確な上限を設定すべきである。
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20091129#p1
日銀に何を言っても無駄ですから、岩田教授や若田部教授が提言しているとおり、
政府与党は、財政法第5条但し書きを使って、日銀による国債の直接引き受けを実施するべきです。
また、経済財政政策の司令塔役を務めている菅財務相と仙谷国家戦略担当相には、ブレーンが必要であると思います。
それも、岩田氏や若田部氏や飯田泰之氏のようなニューケインジアン派(+リフレ派)のブレーンが必要でしょう。
◆岩田規久男「日本経済新聞 経済教室:日銀の国債購入 大胆に」
本論説は岩田先生の最新刊『世界同時不況』と完全に補うという点でも重要です。
今回の論説のポイントをいくつか。(中略)
1 日本は需要創出型の財政金融政策を総動員する必要があり、構造改革を徹底的に行う必要もある。
今回の論説では、財政金融政策にしぼり、さらに財政政策は基本的な原理にしぼり、主に金融政策を中心に書かれています。
2 財政政策については、特に恒久的な税制改正による減税、
例えば「給付付き税額控除」(詳細は『世界同時不況』参照のこと)で、
中所得者は減税、低所得者は受給という形で設計し、消費拡大と労働意欲の促進が期待できる。
3 財政政策の裏づけには国債発行が必要。
しかし国債発行で金利が上昇、円高加速などで需要誘発を打ち消す可能性がある。
そのため財政政策にはかならず穏やかなインフレを維持する金融政策が伴わなければならない。(中略)
8 日銀は長期国債の大量買入れ、企業や家計の金融への介入
(既存の優良な社債やCPの購入だけではなく、幅広い格付けのもの、そして種類も広げること)をすすめることが、
財政政策の有効性も高め、景気回復につながる、と岩田先生は結論しています。
まさに本論説は現状の日本経済の問題を総展望するにふさわしい論説でしょう。
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090324#p4
◆[経済][書評]岩田規久男『世界同時不況』
(前略)長期停滞は、金融政策の失敗に起因する実質利子率の高止まりによる消費・投資の低迷にあります。
これを解消するために、積極的な金融緩和(インフレ目標を定めた長期国債の買いオペなど)を行うことで
長期停滞を脱出する解決策が示されています。
今回の世界同時不況の解決のキーもまた積極的な金融緩和とそれを補う財政政策のポリシーミックスにあるというのが本書の主張です。
世界同時不況からの脱出策として、まず世界全体の金融の超緩和(=貨幣供給量の増加がポイント)が前提になること、
国債発行額に相当する買いオペを実施することで、不況対策の見地から財政政策よりも(日本銀行が売りオペで資金を吸収しないかぎり)
長期間にわたって不況解消の効果があると岩田先生は指摘します。
また現状のバーナンキFRB議長の政策手法を、企業の金融(CPの買取)や家計の金融(資産担保証券の買取)の領域にまで踏みこんだ
緩和政策を実行したものときわめて高い評価を与え、
その一方で日本銀行にもFRBにならって企業金融と住宅金融(日銀による住宅ローン担保証券の買取)を促しています。
実際に日本銀行は、CP買取(期間が短い欠点はあり)、資産担保CPの買取、償還期間一年以内の社債の買取など、
従来の政策からFRBに習ったものに移行しつつあることに注目し、それを評価してもいます。
そして日本にはデフレの足音が聞こえるなかで、日本銀行がデフレと断固として闘うことを求めています。
そして日本銀行には、インフレ目標(1〜3%)を導入すべきであることを説いています。
また財政政策については、過去の教訓(昭和恐慌、世界大恐慌など)を踏まえて、金融政策を伴わないでは効果がないこと、
さらに財政政策でも民主党が考案している給付付き税額控除をかなり本書では具体的に検討し、
その所得格差の是正効果、さらに消費増加への貢献など、いくつかの利点をあげて岩田先生はこの政策を奨励しています。
民主党が政権をとったときには参考になるでしょう。(後略)
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090317#p1
◆日本経済「縮み」の10年 名目GDP5%減、賃金の総額も目減り
日本経済にとって2000年代は“縮小の10年”だった。
生活実感に近い名目国内総生産(GDP)は10年前に比べて5%減少し、
働く人の賃金の総額である雇用者報酬もマイナスに転じた。
10年間の鉱工業生産は1990年代に比べ年平均で1.5%低下した。
00年代の平均物価は冷蔵庫が17%、洗剤が39%下落するなど「デフレ」も際立った。
エコノミストの予測などによると、09年の名目GDPは473兆円程度になりそうで、1992年の水準を下回る。
名目GDPは90年代末の99年と比べると5%の減少。
00年代平均では0.5%のマイナスになる。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091230AT3S2902029122009.html
◆焦点:縮む日本経済、デフレで名目GDPが18年前に逆戻り
<対症療法でデフレ脱却は困難に>
菅野氏(JPモルガン証券・チーフエコノミスト)は
「政府はまずデフレ脱却に優先順位を置くべき」と主張する。
そのためには3年程度の時間をかけて、財政規律を後回しにしてでも対応すべきとしている。
ただ、財政支出効果の高い「ワイズ・スペンディング」に失敗すれば、
デフレ脱却もままならず、財政規律も破たんしかねない瀬戸際に来ていると指摘する。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12850420091209?sp=true
◆デフレがむしばむ日本経済 GDP回復も「名」「実」逆転続く
内閣府が15日発表した2009年10―12月期の国内総生産(GDP)統計は、
日本経済をむしばむデフレ圧力が再び勢いづいていることを浮き彫りにした。
物価全体の動きを示すGDPデフレーターは前年同期比マイナス3.0%で、
一期前の7―9月期(マイナス0.6%)から下落率を5倍に拡大。
物価下落のすそ野も国内需要から、海外との貿易取引を通じた需要全体に広がった。
マイナス3.0%というGDPデフレーターの下落幅は過去最大だ。
09年7―9月期までは、08年央の原油高の反動安が統計的にはGDPデフレーターを押し上げる方向に働いていたが、
10―12月期以降は反動安の効果が薄らぎ、つっかい棒を失ったGDPデフレーターは一気に下落幅を拡大した。
昨年10―12月期の日本のGDP増加率は名目値が0.2%増と3四半期ぶりのプラスに戻った。
だが「(名目成長が実質を下回る)名実逆転を解消しない限り、中長期の安定成長は望めない」
(みずほ総合研究所の中島厚志チーフエコノミスト)。
言い換えれば、デフレ脱却なくして成長の土台は築けない。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100215ATFK1500C15022010.html
◆PIMCO:日銀は円売りと国債購入の無制限実施を−デフレ対策で
1月10日(ブルームバーグ): 債券ファンドを運用する米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、
日本銀行がデフレに対抗するため、円売りないし長期国債の購入を無制限に行う必要があるとの見解を示した。
PIMCOの投資委員会メンバー、ポール・マカリー氏と、日本部門ピムコジャパンの正直知哉ポートフォリオマネジャーは、
PIMCOのウェブサイトに掲載したリポートで、「日本の問題はデフレであって、インフレではない。
リフレーション(通貨膨張)政策をフルに導入する必要がある」と指摘した。
PIMCOは、日銀の国債購入について、リフレーション政策の効果が表れた段階で
日本国債の将来の損失を吸収する財政当局との合意が必要になるとしている。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=aPFMpWXjQfP0
◆社説:日本の債務懸念は行き過ぎ(Financial Times)
日銀はもっと対策を講じる必要がある。
日本国債の買い入れを増やし、一部の債務をマネタイズ(貨幣化)してもいいだろう。
日本の財政状況は見た目ほどには悪くないとはいえ、名目GDPが多少なりとも成長すればずっと見栄えがよくなるはずだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2750
◆主要国のインフレ目標「平時から4%に」 IMFが提言
国際通貨基金(IMF)は12日、平時から「4%」など高めの物価上昇率を容認し金利水準も引き上げることで、
金融危機のような経済ショック時の利下げの余地を広げることが望ましいとの論文を公表した。
危機の教訓をふまえたマクロ経済政策の見直し論議が本格化し始めた形だ。
「再考・マクロ経済政策」と題した論文は、IMFのブランシャール調査局長ら3人がまとめた。
米国が金融政策に頼れなくなった分、国民負担が重い財政出動を迫られたと分析。
世界の主要中銀が物価安定の目安として2%程度のインフレを目標とする中、
「平均インフレ率を引き上げ、名目金利も高めておけば、
追加利下げが可能で生産の落ち込みや金融環境の悪化も抑制できた」と言及した。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20100213ATGM1301213022010.html
論文では、その他、不況時の安定化政策として、課税の累進率の強化、
低所得者への減税および給付、などを提案しています。
◆「デフレ特効薬」は日銀法改正
http://facta.co.jp/article/201003049.html
◆日本以外全部成長
このグラフを見たらさすがに真顔になるんじゃないかと思う。
経済は需要と供給の少ない方で決まる。
デフレ下では供給>需要。この場合は需要側の政策で経済成長が出来るのに、
それをやってこなかったということ。
その結果がこのグラフということか。
http://d.hatena.ne.jp/sunafukin99/20100221/1266751275
◆各国の名目GDPの推移
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100216/212780/?SS=nboimgview&FD=593736002
日本はまったく経済成長していないが、日本以外はどうなっていますかというと、
まったく成長しているし、まったく消費したくてしょうがないんですね、みんな。
例えば90年代以降の20年間で、だいたいOECD加盟国の名目のGDPは倍になっているんですよ。
このままでは、とうとう2016年に韓国、2017年に台湾に日本は抜かれます、1人当たりGDPで。
(中略)
もはや、日本はフロントランナーではありません。
ここ10年、停滞を続けたせいで、日本の1人当たりの所得水準であるとか、生活水準のポジションが、
英米の下、韓国、台湾の上という感じになっています。
だんだん「張り出し先進国」みたいになってきちゃったんですね。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100216/212780/?P=4
◆失われた〈20年〉 [編]朝日新聞「変転経済」取材班
▼社会と経済を変えた決定を活写
かつて90年代の「失われた10年」を悔やむ論調がさかんであった。
それ以降は、様々な改革によって、ゆるやかな回復が続いた。と思っていたら、今回の世界的な危機に襲われた。
しかし実は、バブルがはじけてから今日までの日本は、再生がうまくいかなかった20年ではなかったか、と本書は言う。
雇用の規制緩和、金融ビッグバン、持ち株会社の解禁、グローバル化やネット社会化への対応など、たくさんの改革や変化があった。
戦後の経済成長の限界を超えて、新しい豊かさへ向かうはずであった。
ところが、今では、行き過ぎた市場重視、ワーキングプアを生んだ派遣の自由化、
年金をはじめとするセーフティーネットの不備と「社会保障難民」の増加など、日本社会は激しく痛んでいる。
内需拡大に失敗し、外需依存の繁栄も終わった。
何よりも、将来を担うべき若年層が痛んでいることが憂慮される。
10年後に「失われた30年」を嘆かないためにも、一読をお勧めしたい。
日本の社会と経済を変化させた多くの決定を活写しており、評者のような経済の門外漢にも読みやすい。
http://book.asahi.com/review/TKY200904140082.html
◆[話題]片岡剛士『日本の「失われた20年」 デフレを超える経済政策に向けて』紹介文
第四回河上肇賞本賞受賞作をもとに全面改稿した大作の刊行
▼日本の経済政策の「失われた二〇年」
「失われた二〇年」に終始一貫して影響を及ぼしているものは何か。
それは物価上昇率の停滞であり、一九九〇年代後半以降生じているデフレである。
デフレは消費や投資といった内需の停滞につながり、雇用環境を悪化させ、更に為替を通じて輸出にも影響する。
デフレが持続しているのは、一九九〇年代後半以降の日本の経済政策がデフレ脱却に失敗しているためである。
確かに二〇〇一年に日本銀行は量的緩和政策を導入し、
二〇〇三年から二〇〇四年にかけて財務省が行った円売りドル買い介入が基点となって、日本経済は回復へと転じた。
しかしこれは、デフレからの完全回復を伴っておらず、
先に述べた「実感の無い」景気回復をもたらして現在の深刻な不況へとつながっていく。
そしていまだ日本の経済政策はデフレの払拭に正面から取り組んでいない。
一方、世界金融危機の震源地であった米国は、日本の失敗の経験を生かして急速かつ深刻な信用危機を沈静化し、
将来デフレが続くとの予想を払拭して、資産価格の回復や実体経済の回復という形で着実に景気回復への道を歩んでいる。
紆余曲折はあるだろうが、米国が日本と同じ道を辿る可能性は低い。
新たな一〇年の始まりを迎えた段階において日本経済に求められているのは、
デフレを超える経済政策を策定し、実行することに尽きるのではないか。
眼前に広がっているように見える「陰鬱な未来」を払拭するには、
経済政策の「失われた二〇年」から脱却することが必要なのである。
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20100220#p2
◆女性と若者を追い詰める〜『デフレと円高の何が「悪」か』上念司 著(日経BP)
(前略)著者は、いまや時の人である勝間和代氏の事業パートナーであり、
かつブレーンとして金融、財政政策などを研究しているが、
同時に同氏とともに反デフレキャンペーンを積極的にはっている。
その基本は「デフレを放置することは、もっとも弱い立場にいる、
失業者、とりわけ若者と女性を追い詰める。
だからデフレを放置しないという目標は政治判断で決めるべき」というから志は高い。
昨年11月には、内閣府国家戦略室のマーケットアイミーティングという、
民間のエコノミストなどから意見を聞く会合で、勝間氏とともに具体的な反デフレ対策を提言した。
このときは菅直人副総理・国家戦略担当相(当時)から理解を得られなかったが、
こうした提言の背景にある、「なぜ今日のようなデフレに陥ったのか」、
また、「いかにデフレが恐ろしいか」を本書では詳しく説いている。
政府、日銀の政策の誤り、マスコミのデフレについて認識が甘いと指摘し、
あたかも常識と思われているような説を取り上げて矛盾があると主張する。
「インフレで雇用は増える」、「消費税を上げればデフレスパイラルが加速する」、
「864兆円の借金を返済してはいけない」など、これまでの常識から言えば「え?」と思える論を展開する。
本当に本書の言うとおりであればすぐにでも政府に実行してもらいたいものだが、反論も当然あるはずだ。
しかし、反論も含めてデフレをめぐる論争をワイドショー的な形でなくさらに突き詰めて欲しいと、
いま多くの人が思うのではないか。
物価も下がるが給与も下がる状況のなかで、本書は、普通の人が議論に参加できる突破口となりえる。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100210/210035/
◆三匹が斬る!―『日本経済復活 一番かんたんな方法』勝間和代・宮崎哲弥・飯田泰之共著
http://d.hatena.ne.jp/JD-1976/20100217/p1
◆日本経済復活 一番かんたんな方法
http://d.hatena.ne.jp/tsumiyama/20100218
◆日本経済復活 一番かんたんな方法
http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20100217
【緊急提言:25兆円の量的緩和と、25兆円の政府通貨発行を!】
もし、私が具体的な対策を提案するならば、金融・財政政策のフル稼働で、
25兆円の量的緩和と、25兆円の政府通貨発行(その財源で、2年くらい
社会保険料を免除します)をするべきだと考えます。
(「この金融政策が日本経済を救う」高橋洋一(元財務官)著 204ページより)
>その財源で、2年くらい社会保険料を免除します)をするべきだと考えます。
◆国保料払えない世帯/2年連続2割超す/資格証微減
厚生労働省が2日に発表した国民健康保険の2008年度財政状況の速報値によると、
保険料(税)が払えない滞納世帯は445万4千世帯(09年6月1日時点)で、
加入世帯の20・8%と、2年連続で2割を超えました。
前年度に比べ、0・2ポイント増で、厚労省が把握している1998年以降では最も高い割合です。
保険料を滞納したことにより正規の保険証を取り上げられた世帯は、
短期証にされた世帯が120万9千世帯、資格証明書にされた世帯が31万1千世帯、
合計152万世帯で、加入世帯の7・1%(前年度比0・2ポイント減)にのぼります。
引きつづき高い水準にありますが、保険証取り上げへの批判と運動を反映し、
実数では、資格証明書が2万8千世帯、短期証が3万3千世帯減りました。
一方、保険料の収納率は全国平均で前年度より2・14ポイント低下し88・4%となり、
国民皆保険となった1961年以降で最低となりました。
保険料が高すぎるうえに、この間の経済危機による景気悪化が影響しているとみられます。
資格証明書の発行率(平均1・4%)が高いのは栃木、三重。
短期証(平均5・6%)では、茨城、熊本、沖縄が10%を超えています。
資格証明書と短期保険証:資格証明書では、病院窓口で、いったん医療費全額を払わなければなりません。
あとから7割戻りますが、滞納していた国保料として徴収され手元に戻らないのが実情。
短期保険証は有効期限が短く、期限切れのたびに更新しなければなりません。
厚労省は、窓口で医療費全額を払えない経済状態の人に資格証を発行しないよう通知を出しています。
http://news.livedoor.com/article/detail/4584566/
>保険料が高すぎるうえに、この間の経済危機による景気悪化が影響している
国民健康保険料は、応益負担制を廃止し、応能負担制に一本化するしかない。
年収150万円で、国民健康保険料50万円というばかげた自治体もある。
払えるわけがない。
すくなくとも、このデフレ不況脱却まで、国民健康保険料などの社会保険料を免除(実質、減税)するべきだろう。
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