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「企業・団体献金全面禁止」公約の反故を主張する無責任さ(上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場)
http://www.asyura2.com/10/senkyo81/msg/394.html
投稿者 gataro 日時 2010 年 2 月 27 日 20:56:40: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51346809.html から転載。

2010年02月27日12:03

「企業・団体献金全面禁止」公約の反故を主張する無責任さ

(1)自民党総裁は、相変わらず、政治腐敗の温床である企業・団体献金の全面禁止に反対していることなどもあって、民主党の「政治とカネ」問題の追及に迫力も説得力も感じないこと(http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51315534.html)は、すでに紹介し指摘しておいた。

(2)自民党の審議拒否については、批判しておいた(http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51344549.html)が、否決されるとわかっている議長不信任決議の結論が出たことで、自民党は予算委員会の審議に復帰したようだ。

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東京新聞2010年2月26日 朝刊
自民が審議復帰 強気民主に弱腰くっきり

 国会は二十五日、自民党が審議に戻り、三日ぶりに正常化した。同党は当初、小沢一郎民主党幹事長の招致など六項目の要求が受け入れられない限り、欠席戦術を続ける構えだったが、一つも実現しないうちに方針転換。民主党の強気と、自民党の弱い立場が浮かび上がる。
 民主党は国会正常化後、深夜まで衆院予算委員会分科会を開き、審議を急ピッチで進めた。山岡賢次国対委員長は代議士会で「(分科会は)明日の朝までになってもやる。予算が上がるまでは決戦場だ」と決意を示した。
 民主党にとって、二〇一〇年度予算案を三月一日に衆院通過させ、年度内成立を確実にすることが最重要課題。政権浮揚のかぎとみる子ども手当法案などの年度内成立のためにも、野党の言い分を聞いて手間取るわけにいかないのだ。
 一方、自民党が審議に戻ったのは、これ以上欠席を続けても譲歩を引き出せる展望が開けないからだ。谷垣禎一総裁は記者会見で「(民主党が)六項目に何も答えないのは甚だ遺憾。だからこそ議長不信任案などを出す」と強調したが、審議復帰の大義名分として提出したのは明白。石破茂政調会長は「テレビに自民党の空席が映り、新聞に審議拒否という字が躍る。ここに至ってはやむを得ないと総裁が決断した」と述べた。
 戦術転換を決めた臨時役員連絡会では「こうなるのは、目に見えていたのに、どうして寝たのか」との声が続出。参院幹部は「すぐ起きるなら、審議拒否なんてしなければいい」と不満を隠さない。

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もっとも、分科会は欠席したという。

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毎日新聞 2010年2月26日 東京夕刊
衆院予算委:自民、分科会欠席

 衆院予算委員会は26日午前、10年度予算案に関する分科会を開いた。自民党は25日から国会審議に復帰したが、分科会の日程が審議拒否中に決まったことなどを理由に欠席。鳩山由紀夫首相が出席して社会保障をテーマに行われる26日午後の集中審議には出席する構えだ。【野原大輔】

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(3)企業・団体献金の全面禁止について自民党が存続から禁止へと態度を変更したという報道はいまだに見聞きしてはいない。

(4)他方、民主党の「政治資金対策チーム」は、先月末に、企業・団体献金の全面禁止などを盛り込んだ政治資金規正法改正案を4月に国会に提出し、今国会中の成立を目指すことを決定した(http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51327251.html)ことも、すでに紹介した。

鳩山由紀夫首相も、先日、国会で政治資金規正法改正に前向きな発言を行っている。

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時事通信2月24日11時10分配信
与野党機関、早急に設置=規正法改正で−鳩山首相

 鳩山由紀夫首相は24日午前、首相官邸で公明党の山口那津男代表と会談し、政治資金規正法改正のための与野党協議機関について「早急に立ち上げ、進めたい。(17日の)党首討論で述べた方向で進めていかないといけない」と述べ、各党との調整を急ぐよう民主党執行部に指示する意向を示した。
 首相は党首討論で、企業・団体献金の禁止や会計責任者に対する監督責任強化に向けた協議機関設置を山口氏から提案され、「大いに各党で協議を進めていこう」と賛成する考えを表明していた。24日の会談で、山口氏は改めて首相の考えをただしたが、首相は設置時期については明言しなかった。
 一方、山口氏は介護保険制度に関し、2025年までに現行5割の公費負担割合を3分の2に引き上げることなどを求めた提言を手渡した。首相は「早速、具体的な検討を(政府内で)促したい」と応じた。

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(5)ところが、昨日(2月26日)の朝日新聞朝刊の「オピニオン」の「なぜカネがかかるのか」の記事において、安住淳・民主党衆議院議員「資金力でのし上がれぬ時代」を読んでいたら、同議員は以下のように話していたので、驚いてしまった。

ある程度の企業・団体献金は認めて、そのかわり透明性を確保することが現実的じゃないですかね。


鳩山さんや小沢さんの政治資金が問題になっていますが、あの2人のようにすば抜けた資金力を持っているのは、民主党の中ではきわめて例外的なんです。ほとんどの議員は、私と同じカツカツでやっている。すごく特殊な例なのに、だから献金は全部ダメだ、廃止しろとか、短絡的な議論になっているのは残念ですね。

(6)なぜ、私が驚いたのかといえば、先に紹介したように民主党の「政治資金対策チーム」は企業・団体献金の全面禁止の法制化を決定しているだけではなく、昨年の総選挙のマニフェストや政策集(http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51243909.html)で、企業・団体献金の全面禁止を公約していたからである。

企業・団体献金の全面禁止

企業・団体献金を禁止し、政治不信を解消します。政治資金規正法を改正し、その3年後に企業・団体の献金およびパーティー券購入をすべて禁止します。それまでの当面の措置として、(1)国や自治体と1件1億円以上の公共事業や物品納入等の契約をしている会社等の献金およびパーティー券購入(2)現在献金のみ禁止されている会社等(国・自治体から補助金や出資等を受けている会社や赤字会社等)のパーティー券購入――などを禁止します。

安住議員の意見はこの公約を反故にしようと公然と主張していることになる。

(7)もちろん、一般に、選挙公約については、それが憲法違反あるいは違法なものであれば、その実現は断念すべきであるし、どうしても予算が確保できないのであれば、場合によっては先延ばしもやむをえないときもあるだろう。

しかし、企業・団体献金は、憲法上あるいは法律上許容されないものであり、本来、全面禁止されるべきものである(http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/50926342.html)から、その全面禁止の公約は、むしろ積極的に実行されるべきものである。
また、企業・団体献金の全面禁止には、それ自体、予算を必要としない。言い換えれば、予算上の障害は全くない。

それゆえ、企業・団体献金全面禁止の公約は、何が何でも実現されるべきである。

選挙前は健全なことを公約しながら、当選後は、それを反故にしようと主張することは、主権者国民にとっては、背信的な発言である、と評されることになる。

「民主主義のコスト」論として選挙運動や政治活動の資金のあり方の見直しを主張するのであれば、まだわかる(これについては、別の機会に書くことにする)が、選挙公約の反故に相当することを語ることは、企業・団体献金の全面禁止を主張しない自民党議員とは別の意味で、無責任である。

(8)民主党は、このような背信的で無責任な発言をする議員をこのまま放任するのだろうか!?
そうなれば、民主党自身が政党として無責任であると評されることにもなりかねない。

(9)安住議員の背信的で無責任な発言に憂慮したのかどうかはわからないが、民主党内でも、企業・団体献金の全面禁止に向けた動きが出ているようだ。

--------------------ここから転載----------------------

日経新聞2010年2月27日(01:11)
企業献金禁止の研究会立ち上げ 民主の参院有志議員

 民主党で夏に改選を迎える6人の参院議員は26日、企業・団体献金の全面禁止を目指す研究会を発足させた。会長に小川敏夫氏、事務局長に藤末健三氏が就いた。3月中旬をめどに個人献金の普及策などをまとめ、党政治改革推進本部の海江田万里事務局長に提出する。初会合で小川氏は「企業団体献金の廃止と政治倫理の確立を責任を持ってやらねばならない」と語った。

--------------------ここまで転載----------------------

遅いとはいえ、歓迎すべき動きである。
民主党は、是非とも一丸となって今の通常国会で企業・団体献金の全面禁止という公約を実現し、主権者国民に対する政治的責任を果たし、議会制民主主義の健全化に努めるべきである。

(10)そうでなければ、夏の参議院議員通常選挙で、企業・団体献金の全面禁止を真に主張する政党に躍進してもらい、自民党は言うまでもなく民主党にも敗北してもらうしかない!

 

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コメント
 
01. 2010年2月27日 22:33:15
企業・団体献金は、憲法上あるいは法律上許容されないもの :

日本の政・経済界ではずっと「憲法違反」をしてきた事になるのですか?
全面禁止している先進国はどこになりますか?
アメリカでのロビー活動に多額な資金が使われていますが、それはどのように考えるべきなのか、専門家の方 − 教えて下さい。

現実論として、安住氏の言っている方が理解できます。
「企業・団体献金全面禁止」だけを単独打ち出す前に、現在の環境を整えないと、志の高い政治家までもが育たなくなる社会になる事の方が、国家にとってマイナス。民主党を支持する一人ですが、マニフェストに掲げた全てに賛成している訳では全くない。むしろ、社会の動向を見ながら優先順位をつけて柔軟に対応して頂きたいと思っている。民主党自身の世論調査で、国民の支持を得られるものから着手すべきで、それ以外はオープンに論議をしながら、着陸点を模索してほしい。 


02. 2010年2月27日 23:01:47
gataroの支持する日本共産党は上納金だけでやっているというのはホント?

03. 2010年2月27日 23:12:03
もうスパッと、企業団体献金は禁止したほうがいい。
党利党略以前の問題。

企業団体献金を禁止して、不毛な政治とカネの問題が激減すればいい。
(政治とカネの問題は絶対にゼロにならないが、激減するだろう)
そうなれば、国会審議が政治とカネの問題で費やされることも少なくなる。
もっと、生活に密着した問題が審議されるようになる。
それは、国民にとってプラスだ。


04. 最大多数の最大幸福 2010年2月27日 23:40:19: d1qFhv8SE.fbw
>>03

 本当に「政治とカネ」の問題ばかり国会で審議されるのはウザいですね。

 企業団体献金禁止とともに納税者番号制度導入や現金授受禁止も交えれば
 ほぼガラス張りに出来そうです。

 是非、実現してもらいたいです。


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