談合情報をタレこんだのは誰であろう。私が思うに、水谷建設を押し込んだことにより弾き出された下請け業者ではないかと思う。だから「談合情報」に不要な下請けの名前まで言ったのだ。入札前にどの業者が受注するかが決まっている、これを「談合情報」と言うのであって、元請けがどの下請けと契約しようが発注者には与り知らぬことだ。

　どうせそこまで教えたのなら、ついでに「黒幕」の名前も言えばよかったのに。「談合情報」の中にはそこまで親切な提供もない訳ではない。もし「オザワだ」と言えば特捜部が飛んで来ただろう。間違いなく大騒ぎになっていたはずだ。なぜ言わなかったんだろう。情報をチクった段階で情報提供者は「奴だな」とほかの業者から目星を付けられるから、その後間違いなく干されるはずだ。「談合情報」にはそれだけの覚悟が必要とされる。

　では黒幕はいなかったのか。単なる「業者間の談合」で、下請けを変えたのも元請けの都合だけだったのか。しかし元請けは、氏素性の分からぬ新参の下請けなど極力使わない。下請けが不始末をしでかせば、工事の責任はすべて元請けがかぶるのだ。発注者は元請けとのみ契約を交わす。工事の打ち合わせも元請けとする。「これは下請けがやったことで」などという言い訳は通らない。下手をすると元請けは新規事業の指名停止を食らうかもしれない。こんな状況では、子飼いの能力の分かった業者を選ぶのが当然だろう。

　以上のどちらでもなく、「黒幕」はいたのにあえて言わなかったとしたら。言っても握りつぶされるだけだからと。自分を弾き出した黒幕だが言ってもしょうがない、と判断したのだろうか。危険を冒してまで情報をチクったのに。

　その後国土交通省はひっそりと調査を終了し、「談合の事実は確認されなかった」と結論付けた。
　

コメント
01. 2010年2月24日 11:05:29 元請け間で行われた談合結果を、元請けが、下請けに伝えることがあるのだろうか？ 下請けが知る談合情報とは、伝聞に過ぎないのではないか？ むしろ鹿島建設に不満を持つ、弾き出された大手ゼネコン（元請け）が情報を提供したと考えた方が筋が通っていると思いますが、どうでしょうか？ さらに、競争入札制度の裏で談合を行おうとすれば、行政側（国交省、地方自治体）の関与が必要条件で、それがなければ不可能だと思いますが、どうでしょうか？
02. 2010年2月24日 19:25:46 下請けを変えた？事実でしょうか？ 不始末？なんでしょう？どうも建設土木工事のシステムを調べてみてはどうでしょう。新規参入なんてありえないｗ 某ゼネコンOBが下請けに天下りして献金したのか、お調べしてみては。 市発注クラスの公共工事なんか、入札に参加して下請けに入ることが ありますが、これは不始末ですねｗｗｗ JV方式は官主導のような気もしますが。 発注者は工事事務所？契約書仕様書があればですね。 もしですよ、現政権から与党以外の選挙区については公共工事が なくてもいいｗｗｗありえない〜でも、自民党の選挙区については公共工事が まったくないとしたら、それはそれで面白いｗ

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