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池田佳代子ブログ 高校無償化、朝鮮学校はだめなの?! 前段 http://www.asyura2.com/10/senkyo81/msg/186.html
http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/ 古い話で恐縮ですが、「日本の教育の06年問題」ってご存じでしたか? 国連人権理事会は、各国の人権状況を調べ、問題があると勧告をします。08年、日本への勧告は26項目、日本政府はそのうち13項目を受け入れました。受け入れなかったのは、従軍慰安婦問題の国際基準での解決、人種差別禁止法の制定、在日コリアン差別の撤廃、死刑廃止、警察取調べの可視化と記録、代用監獄廃止、難民審査の独立機関設置、不法滞在者の匿名告発の廃止です。このくにが世界にどんな姿をさらしているのかがわかって、胸にぐさぐさ来ます。 死刑については、いくつもの国が、執行の停止を求めました。それにたいして日本政府は、あとで再開したときに残虐だ、だからそんな残虐なことはしない、と拒否しました(たとえばここに傍聴記があります) 一般に、国際条約を批准する時、各論について、自国の実情に合わないと判断すれば、「そこだけパス」できます。「留保」といいます。このくにが批准している国際人権規約のなかで、留保しているひとつが「中・高等教育の漸進的無償化努力」です。高校や高専や大学などの授業料は、実質だんだんタダにするようがんばります、ということです。このくには、がんばるのも願い下げだ、としているわけです。批准は79年、国立大学の学費値上げを見据えてのことだったと、今にして合点がいきます。 この条項を留保しているのは、日本だけではありません。マダガスカルとルワンダもパスしていました。01年、人権理事会は「経済大国」日本の留保を重く見て、06年6月末日までになんとかする旨回答しなさいと、きつく言ってきました。でも、当時の政府はこれを無視したのです。ルワンダはおととし留保を撤回したので、残るは日本とマダガスカルのみとなりました。顔から出た火が髪の毛に燃え移りそうですが、これが「日本の教育の06年問題」です。 この問題、多くの方は、知りもしなかったのではないでしょうか。なにしろマスメディア(文科省記者クラブメディアと言っていいと思いますが)は、文科省にぐあいの悪いことはお体裁程度にしか報じないことで文科省とお友だち関係を保ち、結果、政府とメディアの共犯関係のもと、私たち市民の知る権利、きちんとした情報をもとにものを考える権利を奪ってきたからです。 おかげで、高校以上に進むのは自己負担という考え方が、この社会にしっかりと根を張ってしまっています。高校の授業料は、そこで学ぶことで利益を得る本人が負担すべきという、いわゆる受益者負担の論理です。たとえば大阪府知事の橋下サンは、「授業料を払えないのに高校に進学したのは自己責任」なんてことを言っていました(動画もいくつかあります)。今はちょっとお考えを変えたようですが。 でも、それを真に受けてきたなんて、なんとけなげな私たちでしょう。この日本の常識は(も)世界の非常識です。学びたいのに経済的な理由で学べないのはれっきとした人権侵害だ、というのが、世界の常識なのです。 それがここへ来て、燃えさかる頭髪に恵みの雨が降ってきました。民主党がマニフェストで約束したとおり、連立政権が高校の授業料無償化に踏み出したのです。これを実施しても、OECDでビリから2番目のこのくにの教育費は、OECD平均にまだ遠く及びません。このくには、とにかく子どもにケチなのです。それもすこしは改善される、よかった、と思った矢先に、中井拉致問題担当相が、朝鮮学校は除外するよう川端文科相に要請した、というニュースが入ってきました(記事はこちら)。 私たち日本人はドイツに出現したネオナチの若者を笑うが、ネット右翼の存在を真剣には考えない。けれども、世界はその存在を知っているし、笑うどころか日本を軽蔑のまなざしで見ているかもしれない。
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