平野長官:内部留保課税検討、首相言い切っていないhttp://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=agYbsaIx89N4 2月18日(ブルームバーグ): 平野博文官房長官は18日午前の記者会見で、鳩山由紀夫首相に共産党の志位和夫委員長に対して企業の内部留保に対する課税の検討を表明したと伝えられていることについて「首相がそれを検討すると言い切ったとは思っていない」と述べた。一方、専門家の中には、内部留保の削減がデフレ脱却の鍵を握るとの指摘もある。 平野氏は、「もともと首相自身も特に中小の優遇税制などは今までも訴え、言及しているが、企業の内部留保に対する課税をかけるということは言っていない」と指摘。その上で、首相と志位氏とのやり取りについて「多分、首相は税制として一般的に考えていかなければならないことだからということで引き取られたのではないか」との見方を示した。 これに対し、首相自身は18日夕、官邸で記者団に対し、内部留保への課税について「そういうやり方なども検討課題だね、ということにはなっている」と述べた。 18日の共産党の機関紙「しんぶん赤旗」電子版によると、同党の志位和夫委員長は17日に国会内で鳩山首相と会談し、大企業の内部留保を国民の暮らしに還元させる政策が必要だと指摘。首相は大企業の内部留保に適正な課税を行うことも検討してみたい、と応じたという。 首相は17日夜、官邸で記者団に対し、共産党の要望について「一つ一つ具体的に言うつもりはないが、せっかく共産党が持ってきた案なので検討してみましょうといったのは事実。 前向きとか後ろ向きではなく検討しましょうということだ」と指摘していた。 究極のデフレ策 JPモルガン証券チーフストラテジストの北野一氏は18日発表したレポートで、企業の内部留保について「課税をしてまで減らすべきなのかどうかはともかく、内部留保の削減は日本経済にとってポジティブだと考えている」とコメントした。 北野氏は、「究極のデフレ策」と題する同リポートで、「日本がデフレから脱却するためには、日銀の量的緩和政策などよりも、企業の資本政策、とりわけ内部留保の削減が鍵を握る」ことを挙げた。 一方、自民党の谷垣禎一総裁は18日午後の定例会見で、鳩山政権の経済政策について「今の政権に一番欠けているのは、どう日本経済を成長させるか、特に企業が健全に成長して発展していくという要素だ」と批判した。 |