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【魚の目:魚住昭氏】検察リークについて思うこと【リークに乗った記者としての自身の体験談を元に】 http://www.asyura2.com/10/senkyo80/msg/612.html
http://uonome.jp/read/852 小沢一郎・民主党幹事長をめぐる事件で各紙が「検察リーク批判」に対する反論を載せていた。これは極めて異例のことである。よほど読者からの報道批判が激しいのだろう。 私は一九八九年のリクルート事件当時、共同通信の検察担当記者だった。東京地検は情報管理が徹底していた。ヒラの検事や事務官に直接取材したことがバレれば、庁舎への出入り禁止が言い渡される。 私は検察庁舎の守衛たちにアプローチしたり、闇夜に紛れてヒラ検事の自宅を訪ねたりした。彼らが上司に通報すれば一巻の終わりだが、大半の人たちが黙っていてくれた。 そんなとき心の隅で「なぜ、こんな情報をくれるのか」とチラリと思ったが、特ダネをつかんだ嬉しさでそんな疑念はすぐ吹っ飛んでしまった。 もう一つの理由は、当時の私が「政界の腐敗をただす」という特捜部の正義を信じて疑わなかったことだ。私は特捜部と一緒に日本の政治を良くすることが自分の使命だと思っていた。 ただ、情報には恐ろしい魔力がある。それがディープなものであればあるほど情報源と記者との一体感が強まり、記者の情報源に対する批判的な目は失われていく。記者は無意識のうちに情報源の前にひざまずき、相手を正当化し、ある種の「共犯関係」に陥ってしまう。 だが、今回の小沢氏の事件では、検察による小沢狙い撃ちの構図が当初からあからさまに見えた。多くの人々が捜査の公正さに疑問を感じた。だから報道批判も強まったのだろう。 これから次第に小沢事件の真相が明らかになっていく。一連の報道を検証してみると、新聞やテレビがいかに検察の尻馬に乗って虚報や誤報を連発したかが明らかになると思う。 (編集者注・これは週刊現代の連載「ジャーナリストの目」に掲載された原稿の再録です)
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