http://www.asyura2.com/10/senkyo80/msg/516.html
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小生は小沢氏も検察も信用しきれず、どちらの擁護論にも あまり興味が沸かない。
しかし、なぜ小沢という政治家の力をこうも
簡単に削ぐ方向性がつくられてしまうのかには興味がある。
今回の件、およそ、鈴木宗男氏の件に見られるよう、「悪役」として
国民に分かり易いターゲットを標的に過去を清算する意志の働きもあるのではないだろうか。
（鈴木氏の際は新自由主義の宣伝として、その阻害となるケインズ主義的側面の排除）
米国を背景にしたマスコミ・検察の世論誘導という陰謀論的観点にとどまらず、
国内の特定層にとっても、財政赤字を生み出した土建政治の過去を清算すべく思惑があり、
その分かり易いターゲットとしての存在が小沢氏なのではないだろうか。
（赤字土建政治の過去を清算→ソブリン・リスク拡大への警鐘）
また、政治家追い落としを難なく受け入れる社会構造として、中産階級の崩壊＝大衆化の
存在が大きい気がする。構造改革以後、政治家等、際立つ人物が
民衆のルサンチマンの網にかかるリスクが増しているようにみえる。
以下は、三宅久之と田崎史郎の対談。
味噌糞に言えるのは、御自身も「長くない」からなのだろうか…
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http://gendai.ismedia.jp/articles/-/211
｢鳩山さんも､小沢さんも､もう長くないね｣
緊急対談 三宅久之（政治評論家）×田崎史郎（時事通信解説委員長）
かつて闇将軍と呼ばれた田中角栄元首相は逮捕後も10年にわたり政界を支配し続けた。その金権政治家を師と仰ぐ小沢氏は、秘書の起訴を受けても幹事長続投を決めた。田中派のDNAは今も息づいている。
竹下も小沢には呆れていた
三宅 今の小沢（一郎・民主党幹事長）さんを見ていると、角さん（田中角栄元首相）と似てきたと感じるね。民主党の議員だけでなく、政治評論家でさえ小沢批判を遠慮する人が多い。
田﨑 小沢さんとその周辺が、ものを言いにくい空気を作り出していますね。
三宅 かつて越山会青年部長だった桜井新（元代議士）が角さんのお膝元の旧新潟3区から出馬したとき、応援演説を次々に断られてね、終（しま）いに私にお鉢が回ってきた。角さんとは知り合いだけど、目白の禄を食んでいるわけではないから引き受けたんですが、秘書の早坂（茂三）にだけは仁義を切りに行ったんです。すると彼は、「久ちゃん、おまえさんが何を言うのも勝手だが、いつどこで何を喋ったか、全部オレのところに報告が入るからな」と。そういうDNAで角さんと小沢さんはつながっている。
田﨑 特に似ているのは、周囲に過剰忠誠する人が出てくることです。小沢さん本人以上に検察に対抗心を燃やしたり、党内を押さえ込もうとしたり。過剰忠誠は北朝鮮のような独裁国家で起きることです。
三宅 みんなが忠誠競争をしているうちにエスカレートして、結果として小沢さんの虚像が膨れ上がっていくという面もある。
田﨑 ただ、民主党の議員は何も考えずにおとなしくしていたわけではなくて、様子見をしていたんです。東京地検の動き、刑事処分の行方を見ながら、小沢さんの判断を見極めようとしていた。小沢さんは恐いし、すぐにご注進に及ぶ側近たちがいるから下手なことはできない。もちろんそんな状況は不健全なんですが、それぞれに考えてはいたと思います。
三宅 なかには枝野（幸男）さんとか前原（誠司）さんのように、小沢さんの「けじめ」を求める声も上がり始めましたが、いかにもおっかなびっくりだった。清水の舞台から飛び降りるような気持ちでしょうね。
田﨑 ええ、特に前原さんは不起訴が決まったとたん、幹事長続投容認を言い出した。覚悟が決まっているとはとても思えません。
三宅 財務大臣を辞めた藤井（裕久）さんは、できるものなら思いのたけをぶちまけたいと思っているはずですよ。何しろ、自民党離党以来、常に小沢さんの側近として仕えてきたのに、自由党幹事長時代には「組織活動費」名目で、本人の知らないうちに15億円ものカネを渡されたことになっている。彼が財務大臣を辞任した最大の原因は、このカネでしょう。小沢さんの政治資金が事件化し、閣僚のままでいたら国会で追及される。でも、知らないと答えるわけにもいかない。
田﨑 そこは確かに大きなポイントですね。
三宅 藤井さんは'05年の総選挙で落選し、'07年に繰り上げ当選になる。彼は小沢さんに、「これでもう少しご奉公できることになりました」と挨拶に行ったんだね。そうしたところ、小沢さんはジロリと見て、「君はもういいんじゃないか」「若い人に譲ってやったらどうだ」と言った。これが「もう小沢は我慢ならん」と藤井さんが思った決定的な出来事だったようです。藤井さんに近い人から聞いた解説ですがね。
田﨑 なるほど、そんなことがありましたか。
民主党の問題は、今の小沢支配を崩せるような人が誰もいないということです。かつての田中支配を崩すために、小沢さんは創政会という勉強会を作り、初会合に40人を集めて田中さんと対抗していった。ところが今は、個人個人で発言しているだけで、大きな集団にならない。
三宅 竹下（登・元首相）さんのような、衆目の一致するシンボル的存在もいないからね。
田﨑 ええ。当時は田中派内の権力闘争によって田中さんを倒したんですが、今は権力闘争で小沢さんを倒すパワーのある人がいないから、特捜部の力を借りようとしている。検察が小沢さんを弱らせるのを待っているんですね、彼らは。
三宅 小沢さんが政界で認められるようになったのは、竹下内閣の官房副長官に就任してからですね。その少し後のことですが、竹さんが私に「人事というのは難しいな」とこぼしたことがある。「小渕（恵三・元首相）のほうが年も上、当選回数も上だから、小渕官房長官の下で小沢を副長官にしてなんの不満もないと思っていたら、とんでもない。小渕のことだけじゃなく、オレのことまでボロクソに言うんだ、小沢は。オレの見込み違いだった」と。小沢さんという政治家には、そういうところがある。
田﨑 私は当時、官邸詰で、その手の話は直接、小沢さんから聞きました。「竹下さんは、オレが副長官をやっているから官房長官は小渕でもいいという発想なんだ」とよく言っていましたね。自分は竹下さんにこき使われている、なんで竹下さんは小渕みたいな仕事のできない奴を使うんだ、という認識でした。
小沢さんは国民に敗北した
三宅 ところで小沢さんは4億円の政治資金については不起訴になりましたが、現職秘書と国会議員に転身した元秘書が起訴されたわけですから、政治的責任・道義的責任は重い。なぜあんな複雑なカネの出し入れをしたのか、その原資は何か、税務申告はしているのか、などの疑問も残っている。状況証拠だけで幹事長の辞任を迫るわけにはいきませんが、続投となれば民主党はまた物言わぬ政党に逆戻りするでしょうね。
田﨑 小沢さんはいま、特捜部、国民世論、そして国会の追及という三つの敵と戦っているんですが、国民世論との戦いでは、もう敗北していると思いますね。なぜなら、一連の疑惑報道だけでなく、天皇陛下と中国副主席の面会を巡る発言や、記者会見での傲慢な振る舞いといった積み重ねがあって、この政治家は何か変だという認識が国民の間に浸透してしまった。毎日新聞の調査では、元秘書の石川知裕代議士が起訴されれば小沢さんは幹事長を辞任すべきだという人が76％にものぼったように、小沢さんがいくら説明を繰り返しても、その言葉を信じるという人は過半数を超えることはないでしょう。ですから、特捜部の捜査結果にかかわらず、小沢さんは今後も疑惑の目で見られ続けると思いますね。
三宅 私はね、小沢さんに対する不信の原点は、経世会を分裂させて自民党を飛び出したところにあると思っている。あの離党は、参院側の応援を受けた小渕さんに派閥会長争いで負けたのが原因でしょ。その小渕さんを小沢さんは軽蔑しているから、口惜しくて仕方がない。だけど、会長選に負けたというのでは大義名分が立たないから、宮沢（喜一）首相の政治改革への姿勢が消極的だと批判して、改革派の旗を掲げた。本当は、言い訳で作った旗なんだが、掲げた以上は降ろせない。でも、もともとクリーンでもなんでもないから、言葉と行動に矛盾が生じるんだと思いますよ。
田﨑 カネの面で田中さんと小沢さんを比較すると、かなりの部分を自分で作ったのが田中さん。それに対して小沢さんは、政治資金や政党交付金を操作することで蓄財しているように見える。で、なぜ政党助成金制度を作ったかというと、企業からカネを引き出す田中式では通じなくなる、国からクリーンなカネをもらうしかないと考えたからなんです。じゃあ、もらった国民の血税をクリーンに使っているかというと、どうも怪しい、かなり不透明だということが、次々に明らかになってきた。
三宅 かりそめの旗であったとはいえ、政治とカネの問題を透明にすると主張して、政党助成法を作り、政治資金規正法の改正でも中心になってやってきた人が、法の網の目を縫うかのような操作をして、不動産を買っていた。これは罪深いと思いますね。
田﨑 三つの敵のうち、残り二つについても言っておくと、検察はまだ所得税法違反で捜査する可能性が残っています。
三宅 金丸（信・元副総理）パターンだね。
田﨑 ええ。また、小沢さんは'85年に衆院議院運営委員長として「政治倫理綱領」を作った張本人で、その綱領には「疑惑を持たれた場合には、自ら真摯な態度で疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない」と書いてある。ところが小沢さんは、国会での説明責任は全く果たしていません。
三宅 そこはこれから予算委員会の集中審議で焦点になるでしょうね。仮に幹事長辞任となると、ポスト小沢は誰か。非小沢の連中からは選ばれないだろうね。
田﨑 ポイントはそこですね。小沢さんの影響力が残るかどうか。場合によっては、田中角栄ばりの強大な力を持った闇将軍になる。
三宅 現実には、参院選を仕切れるのは小沢さんしかいない。小沢さんが後任を決めて、鳩山さんに通達するんだろうね。いずれにしても、参院選が厳しい戦いになるのは間違いない。
どこまで脳天気なのか
田﨑 それにしても、鳩山首相の脳天気ぶりには驚きます。自身のカネの問題もあって不支持が支持を上回るようになったというのに、テレビカメラの前でこそ深刻そうな顔をしていますが、官邸内ではうちひしがれている様子もなく、いつも通りに冗談を飛ばしているらしい。
三宅 私は昔、鳩山一郎首相の番記者をしていて、小学生だった頃の由紀夫さんを知っているものだから親近感があるんだが、総理大臣になってからのあの無自覚ぶりには、ちょっと呆れる。正月にSMAPの番組（フジテレビ『SMAP×SMAP』）に幸（みゆき）夫人が出ることになった際に、自分も出たいと言って側近に止められたそうだけど、さすがに常軌を逸してますよ。脳天気にもほどがある。
田﨑 妙な自信を持っていますよね。自分は国民に選ばれた総理大臣だという意識の現れだと思うんですが、それって実は間違いなんですよ。国民は総選挙で、政権交代してほしい、自民党以外の政権を作ってほしいと考えて投票したのであって、鳩山さんを総理にしたいと思ったわけじゃない。
三宅 ああ、なるほど確かにそうだ。
田﨑 同じことは小沢さんにも言えて、総選挙で勝ったから西松事件は国民によって免責されたと考えるのは、選挙至上主義というか、民意を都合良く解釈しているだけだと思いますね。
三宅 私はね、鳩山政権の寿命は5月に尽きると見ている。普天間基地の移設問題で結局は何も決められずに、責任を取らざるを得なくなると思いますよ。
田﨑 そうかもしれませんね。いろいろと取材したんですが、はっきりしているのは5月までに決めるということだけです。場所の当てはないし、プロセスもはっきりしない。その一方で、やれ下地島だ、徳之島だと途中経過が漏れすぎるから、名前が挙がった場所で次々に移転反対の意思表明が行われて、そのたびに候補地が潰れていく。
三宅 寝た子を起こした挙げ句、あっちこっちに引っ張り回したようなものですよ。当てのない漂流に出たと言うか・・・・・・。こんな調子だと、基地は結局、普天間のまま現状維持で、事態は何ら改善されず、時間だけが空費されたということになりますね。期待し、踊らされた人たちは、沖縄もアメリカも社民党も、みんな裏切られて、失望する。政権にとっては最悪の展開ですが、ほかの展開は今のところまるで見えない。
失脚か闇将軍か
田﨑 鳩山さんが何も決められない人だということは去年の予算編成ではっきりしたんですが、総理側近で沖縄基地問題検討委員長でもある平野（博文）官房長官もお粗末です。
三宅 彼には官房長官としての自覚も能力もないね。
田﨑 名護市長選の直後に、民意を斟酌する必要はないという趣旨の発言をして物議を醸したのに、ニコニコしている。権力を司る人としては、器に問題ありという感じがしますね。
三宅 鳩山政権で気になるのは、権力の怖さに対する自覚がないことですよ。例えば千葉（景子）法相は、指揮権発動についての質問に、一般論と断りながらも、指揮権はあると答えた。指揮権があるのは当然なんですが、法相がそれを発言すれば、どうしても検察に対するプレッシャーになる。だから自民党政権では、何度も政治家の逮捕があったけれども、歴代法務大臣は指揮権について言及しないのがルールだった。
田﨑 原口（一博）総務相もテレビ局の報道に注文をつけた。許認可権を握る大臣としての謙虚さとか自制心が欠けているように見えますね。民主党の大臣たちは、初めて権力を握ったものだから、何でもできるという気持ちになっているんじゃないかと思えてならない。
三宅 与党慣れしていないからという言い訳は、もう卒業してもらわないと。
田﨑 最後にポスト鳩山についても触れておくと、名前が挙がるのは菅（直人）副総理兼財務相が筆頭で、岡田（克也）外相、前原国交相など、数はいるんですが、誰一人として党内がまとまりそうにない。
三宅 まあ、順当なら菅さんだろうと思いますが、国会論戦を見ていると、マクロ経済の知識はどうやら欠けている。
田﨑 小沢さんとの良好な関係があって鳩山首相が成り立ったことを考えると、ここでも小沢ファクターが重要になりますね。
三宅 何しろ小沢グループは100人を超える勢力がある。山岡（賢次・国対委員長）にしても樋高（剛）にしても、特筆すべき政治家ではないが、彼らがまとめ役をやっているのは事実だし、彼らが支持しないと党内基盤が安定しない。その意味で、小沢さんが政治的影響力を持ち続けるかどうかが、今後の政局のポイントでしょう。
田﨑 そうですね。参院選が7月にあることを考えると、小沢さんは、どんなに遅くても、5月の連休前後には進退の結論を出さざるを得ない。影響力を残して闇将軍化するのか、それとも本当に失脚するのか。政権の行方と直結する決断になるでしょうね。
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