投稿者 Azuki 日時 2010 年 2 月 14 日 11:20:28: FZ2893qjOMpR6

http://www.iwakamiyasumi.com/column/politics/item_249.html
前回までのエントリーの続き。1月14日孫崎氏インタビュー。
岩上「(小沢氏に対する)ものすごいバッシングの中で、昨日(1月13日水曜日)、強制捜査が入るという事態です。これはどのようにご覧になりますか。国内の官僚の抵抗というふうにも……」
孫崎「やっぱり、実際問題としてどうなっているか分かりませんけれども、推測からいきますとね、一番最初に小沢さんの問題が始まったのは西松建設だし、西松建設と、もしも小沢さんと、推定ですけれども、建設業界が密着しているということであれば、国内にいろいろな材料があるわけですよ。でしょうね、普通は。
しかしスタートは、外為法か何かで外国から出発していますよね(2009年2月3日、外為法違反で西松建設の前社長と元副社長が起訴された)。ということからいくと、単純に日本の国内だけの動きでないかもしれない」
(※「西松建設前社長、容疑認める 外為法違反事件」2009/02/04 12:53【共同通信】)
岩上「ロッキードと同じだと」
孫崎「いや、それは分かりませんよ。分かりませんけれども、スタートはね、少なくとも日本国内に問題がある動きをしてたとすれば、案件は日本国内の問題から始まっているわけです。だけど、あの問題は明らかに外為法というか外国の問題から始まっているから、単に日本の警察の能力であるとか、それ以外のものが関与していると見て、自然じゃないでしょうかね」
岩上「十二分に分かりますね。排除したいと。でもその意志が始まったのは、ここ最近だということですよね」
孫崎「ここ最近ですよね。だから一番最初は西松建設のところから始まりましたからね」
岩上「そういう見立てでいくとですね、今日の朝、実はラジオに出演してきた(ニッポン放送「お早う!GoodDay!」)んですけれども、ラジオでもお話したんですけれども、今のマスコミは論調が一色ですよね。この状況は大変気持ち悪い。私はこれは納得できないと。全て検察からのリークですよね。今起きていることは『小沢疑惑』と書かれているんですけれども、実際に立てられている被疑事実というのは石川さんの政治資金収支報告書の記載もれという、もう形式犯でしかない。
それでこれだけのガサをですね、強制捜査を、全国の関係各所に、二度も行っているわけですよね。異例であり、しかも、すでにできあがってしまっているストーリーを新聞が、毎日毎日書いているわけですよ。膨大な報道量です。これは全部、検察リーク情報です。現実にはまだ誰も、悪質な犯罪で検挙されてはいない。検察の狙いは小沢さんだろうと目されてはいますが、誰が容疑者で、どんな犯罪要件で、どんな被疑事実があるのかを、検察はまったく示すこともなく、捜査に入って……」
孫崎「しかし政治的にはものすごく大きい」
岩上「ダメージで」
孫崎「意味を持っていると」
岩上「はい。こんな異様な光景を見ることになるとは思わず、非常にショックを受けました。実は、この2〜3日前に小沢さんの定例会見があったんです(1月12日)。その定例会見に120人くらいの報道陣が集まって、そこで、当然報道陣はみんな、気色ばんでなぜ答えないんだ、なぜ事情聴取を受けないんだと」
孫崎「部分的ですが、その場面は見ました。全部見ているわけじゃないんですが。」
岩上「私はその中で、これはおかしいと思いますと手を挙げて言いました。検察が、こういう形で容疑事実を示さずに別件に別件を重ねて、さらに推定無罪ということも、それから人権ということも、冤罪の可能性ということも、全部念頭になく、しかも公務員の守秘義務違反を犯して連日のリークを行っている。公務員守秘義務違反のほうが、はるかに政治資金収支報告書の記載漏れよりも罪は重いですよね。
にも関わらず、これだけのリークをして。そこにいる記者たちはみんな直接的か間接的かを問わず、リークされています。リークされている記者だらけの中で、私はリークされていない記者として、そこにいる人達を思いきり挑発した形になるんですけれども、この人権のなさと言いますか、この状況をどう思うかと、小沢さんに質問したんです。
他の人間に当てはめたら大変な人権侵害だし、小沢さん自身のことをカッコに入れてもらってもいいけれども、こんなことが日本で許されていいのか、お考えを聞きたいと言ったら、小沢さんは『他の普通の人にこんな事が起こったら困っちゃうけれども、私は政治の中に身を置いているから、甘んじて受けます』と」
孫崎「なるほど」
岩上「意外でした。国策捜査であるとか、何かそういう反応がくるかと思ったんですよ。それが全然予期しない反応で、随分淡々と落ち着かれているなあ、という印象ではあったんですよね。
そういうような、私、ちょっとマスコミの論調とは逆のことを言ったりしてきたんですが、さすがに昨日、今日の強制捜査の報道を受けた後は、ラジオに出演した後、ネットなんかでもtwitterなんかでも、ものすごく検察批判をする人達が増えてきている。マスコミは全く反映していない、取り上げていないんですけれども、あまりにもひどいと。暴挙であると、一般の国民も思い始めてきている」
孫崎「本当にねえ、まあ、日本の異様さというのは、マスコミなんですよね。これが、何時の時点からか分かりませんけど、言葉は正確か分かりませんけど、編集権ということで、非常にその色彩の強い、事実についても色彩の強いものを報じていくと。
わかりませんけどねえ、例えばニューヨーク・タイムズであるとかワシントン・ポストであるとか、それはかなり政治色の強いものを打ち出しますよね。例えば大統領選挙の時には。どの候補を応援するとか。しかし、左派・右派問わず、論評も掲載していますしね。まして事実関係は掲載しているけれども、日本の今のマスコミは事実を含めてね、自分たちの主張と同じものを載っけると。それが権利だという言い方を始めているわけですよね。
だけど本当は国民はそれを望んでいるわけじゃないわけだから、何かジャーナリズムのあり方ということを、新聞社と国民の望むジャーナリストの間に、大きな乖離ができていると思いますけどね」
岩上「できていると思います。そして特に民主党政権になってからですね、その逆風でまさに一色になってしまった。今までの政権であれば、何か一つのマターとかイシューがあればですね、必ずそれに対して反対、だけれどもこっち側に賛成がいる、というか。やっぱり世論が割れるような、新聞でも論調が割れるようなことがあったけれども、今起こっていることは一色です。しかも、そこにいる人達は、絶対に気付いているはずなんですよ。自分たちが異様なことをやっていると。
まさか、全ての新聞記者が、これを何とも疑問に思わないとは、思わないです。ところが全部一色になっている。そして東京地検、ここまでやる。こういう事を言うと、僕が民主党寄りだとか、小沢シンパだとか、そういうことを言われますが、そうではなくて、これが自民党に対して起きても、僕はこれは異様だと思いますし、こんな無茶苦茶をやってはいけないと思います。
ただ、そこにさらにアメリカの影というものが重なるとですね、非常に複雑な問題になってくると」
孫崎「今から1ヶ月か2ヶ月前にね、イギリスの保守党の指導者が、我々は政争に明け暮れる時期ではないと、今、英国というのは大変に危機があるんでね、政争を止めて両党が協調して国の立て直しを図る時期だと、ということを言っているんですよね。
私は、今まさにその時期に日本は来ていてね、小沢さんであれ、鳩山さんであれ、そういう人を捕まえて混乱させる時期ではないと思いますけどね。
というのは、今、日本は、国家としての危機があって、いかに政治、官僚をつぶしたわけですからね、官僚機構はもう働かないように今、一応はなった。そして政治が全部主導しなければいけないと。その中で政治を混乱させてどうするつもりなのかと。
それにはやっぱり私は、メディアは答えなければいかんのじゃないかと思いますね。日本を混乱に落とす、その一環として現在の動きがあるわけだから、それをも無視してやらなきゃならない巨悪が潜んでいるのかどうか。そこは答えなきゃいけないと思うんですよね」
岩上「もし非常に悪質性の高い、重要な汚職であるとか、というものが潜んでいる場合、それはなんであろうと排除しなければいけない。ただし法に則って、ということですね。だけれども、検察がやっている捜査手法は、適正な手続きに則っていない。その行使の仕方自体に脱法的なところがありますよね。正当化できない。しかもそもそも何の被疑事実でやろうとしてるのか、誰も分からない。
こういう事が、このタイミングで行われてる。非常に政治的で、国策捜査というか、国策という言葉はおかしいですね。国の策というより国そのものに向かってやっていて、今、民主党は野党じゃないですからね。今与党ですから」
孫崎「本当に。だから普通だとね、この異常さというのは、普通は、それを考えていて、私、やっぱり一つ疑問に思うのは、官僚もそうですけどね、必ず、日本の権力に迎合する勢力が、大体中心になるわけですよね、メディアもね。ところが日本の権力に迎合する勢力が、今メディアに出ていないというのは非常に不思議ですよね。普通だったら、(与党である)民主党ぴったりのジャーナリズムが、必ず出るはずなんですよね」
岩上「だから民主党が、権力者じゃないということですよね(笑)。誰が権力者なのか。権力とは何か」
孫崎「本当ですね」
岩上「本当に、この国家の権力というのは、まさに東京地検なのか、官僚なのか、あるいはもしかしたら、背後にいるアメリカの意志なのか」
孫崎「そこは本当にね、普通だったら権力に迎合する官僚もそうですし、それからメディアもそうですし、必ずそういう機関というのは権力と迎合するものが大体中心になるはずなんですけど。しかし、それが全く見えないというのは、不思議な現象であると(笑)」
岩上「これはどういう事でしょう?」
孫崎「それはどうぞ(笑)」
岩上「宿題いただいちゃったような感じがします(苦笑)。正直言って分からないですね。特にアメリカの動きは分からない。
(続く)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
フォローアップ:
次へ 前へ
▲このページのTOPへ
★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK80掲示板
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995

スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの
引用、転載、リンクを許可します。
確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
▲このページのTOPへ
★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK80掲示板