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陸山会が０５年に取得した世田谷区の秘書寮用地は、
土地代金の支払いが０４年１０月２９日。
土地の登記が０５年１月７日です。
その間６９日あります。
マスコミは、「何故すぐに登記しなかったのか？…偽装だ、怪しい」などと騒ぎ、
ここ阿修羅では「そんなこと、良く有るケースだよ。固定資産税対策だとか、利用開始時期の問題とかね」と取り合いません。
また、石川氏は供述で「自分が選挙に出ることが決まって忙しかった」とか言ってます。
しかし、この「登記遅延」には一発で納得できる「理由」があるのです。
それは「陸山会および関連政治団体の資金ショートに対応するため」です。
小沢一郎氏は、第一回検察聴取後の記者会見で以下のように述べました。
「経理担当秘書（石川氏）が、各政治団体から資金をかき集めれば（４億円の定期預金を組むことは）かろうじて可能だが、それだと各政治団体の金庫が空っぽになり活動費が不足するので、私（小沢氏のこと）になんとか資金調達できないか…という相談を受けた。」
要するに当時、陸山会および関連各政治団体のキャッシュフローはギリギリ４億円であり、それを定期預金として拘束されてしまえば、活動費が枯渇し資金ショートを起こす危険性が高かったというわけです。
しかし小沢氏が、融資を受けた４億円とは別に個人資金のキャッシュで土地を購入すれば、融資の４億円は陸山会に貸し出すことが可能になります。
借入れられた４億円は、陸山会が小沢氏に「土地（権利）代金」を支払うまで、当面の活動資金に充てることができます。
もし、０４年１０月の時点でこの支払いを済ませてしまえば、４億円は（たとえ陸山会の口座にそのまま留め置かれたとしても）それ以降、小沢氏の金となり、これを陸山会が活動費として使うためには、また新たな「借入」が必要になるのです。
陸山会の会計帳簿を調べれば分ることですが（これは公開が義務付けされていない）、０４年１０月２９日から０５年１月７日までの間に、キャッシュフローが４億円を割り込んでいた時期は何度かあるはずです。
もし陸山会としての土地（権利）代金支払いを０４年１０月２９日とすれば、口座の４億円はその時点で小沢氏の金となりますので、陸山会はフローが４億円を割り込んだ時点で、その都度「借入金：小澤一郎」と計上しなければなりませんし、これを収支報告書に記載しなければ「不記載」で、規正法違反となってしまいます。
しかし陸山会としての土地（権利）代金支払いを０５年１月７日とすれば、それまでの間、口座の４億円は陸山会の金になり、資金繰りで自由に使うことができます。
陸山会の慣習では、借入と支払が同時に行われますが、この時ばかりは資金繰りが厳しかったので、借入から支払まで２ヶ月強の期間を財務改善猶予期間に利用したのだと考えられます。
法的な見地で言えば、陸山会としての土地（権利）代金支払期日は、当事者間の任意で設定できます。
小澤氏による登記が何時であろうと、陸山会は財務改善がある程度成された段階で支払を計上すれば良いのです。
しかし、陸山会ではわざわざ小澤氏の登記を６９日後にずらし、登記された当日に支払を計上しています。
これは「誠実すぎる」くらいの会計処理です。
まさに「一分の隙もない」合理的な収支報告書に仕上がっています。
これに対して「違法性」を見つけ出そうと奮闘した東京地検特捜部は、とんだドン・キホーテだったと言うべきでしょう。
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