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吉田正喜による「拷問・虐待」の取り調べ − 青年将校の中心人物 (世に倦む日日) http://www.asyura2.com/10/senkyo79/msg/680.html
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吉田正喜(52歳)、特捜部の副部長である。一昨夜(2/3)の報道ステーションで伝えられた、石川知裕に向かって「そろそろ小沢の呪縛から離れたらどうだ」と威嚇していた「特捜のエース」は、この男だった。記事によると、拘置所で弁護士と面会した石川知裕は、吉田正喜による苛烈で悍ましい取り調べを振り返って、「検事は、まるでヘビのような男だった」と語っている(P.32)。 週刊文春の記者と報道ステーションの取材に情報を提供しているのは、間違いなく弁護士の安田好弘だ。この取材は、今週の初めに行われている。安田好弘と弁護団は、秘書起訴に対する公訴棄却申し立てを含めた法廷闘争の反撃において、この捜査の指揮者である吉田正喜を照準に据えることだろう。 この男は、昨年の西松事件の捜査も副部長として担当していて、小沢資金問題の捜査の中核で、さらに鈴木宗男の事件でも捜査に関わっていた。鈴木宗男と佐藤優を逮捕して取り調べ、公判を担当した検事が吉田正喜である。鈴木宗男と佐藤優の二人が、「青年将校」と呼んでいたのは、具体的にはこの人物を指していた。吉田正喜に関するプロフィール情報はネットにないが、調べれば、あるいは大林宏のような、過去を知るほどに吐き気を催すようなグロテスクな履歴が明らかになるかも知れない。果たして吉田正喜は、本件の公判に担当検事として出廷して冒頭陳述をするだろうか。 先回りしたラフな予想になるが、おそらく、今回の一件で吉田正喜の検察組織内での官僚生命は終わりだ。出世は止まり、閑職の窓際に干されるか、検察官を辞めて保守マスコミと右翼論壇でプロパガンダを専門にするヤメ検タレント弁護士に転身するだろう。田母神俊雄と同じコース。吉田正喜が担当検事として秘書3名の裁判に出てきたら、安田好弘と弁護団にとって飛んで火に入る夏の虫で、不当捜査を主張し論証する格好の餌食となるはずだ。法廷の場での検察官に対する証人尋問を逃げられない。 吉田正喜と一心同体だった部長の佐久間達哉はどうなるか分からない。蜥蜴の尻尾のように吉田正喜を切り捨て、責任を押しつけて自分だけは出世の階梯に逃げ延びるのか、それとも吉田正喜と心中して、小沢一郎の逮捕に執念を燃やし、再度検察の中でクーデターを起こすのか。 マスコミ報道は、民主党政権と小沢一郎の動揺と危機ばかりを報じているが、混乱が起きているのは、むしろ民主党ではなくて検察の方ではないか。 今日(2/5)の朝日(5面)の解説記事の中で、元特捜部長の宗像紀夫は、明確に「小沢氏の不起訴は当然の結果だ」と言い、「あえて『小沢氏対検察』という構図でとらえるなら、実質的に特捜部側の敗北と言えるだろう」と断言している。 検察の敗北を宗像紀夫が認めている。この捜査は失敗であり、検察は大恥を掻いた。失敗については責任者が責任を取らされるのは当然で、吉田正喜と佐久間達哉の2名が厳しく処断されなければならないだろう。 この朝日新聞に載っている宗像紀夫の解説文は実に素晴らしい。最初にサンデープロジェクトに出演したときから、その論理的な思考と弁論に注目していたが、河上和雄や若狭勝とはクオリティのレベルが違う。 宗像紀夫の主張で膝を打つのは、現職議員を逮捕するときは、政治資金規正法の形式犯で挙げるのではなく、贈収賄や脱税などの実質犯を問うべきだと検察の現場に直言している点である。そのとおりだ。同感だ。検察の捜査をテレビで代弁し擁護する元検事たちは、贈収賄での立件が事実上困難だから、代替法理として政治資金規正法を使うのだと言い、それで構わないと正当化している。「贈収賄での立件が困難」などと、いつから誰が言い始めたのだ。自分で勝手にそう言い始めただけではないか。自分たちの捜査の怠慢をゴマカし、政治家の贈収賄を見逃してやるために、その口実として「贈収賄の立件は困難」の言説を触れ回り、法律に無知な大衆を専門用語を使った詭弁で騙しているのである。 そして、小沢一郎の事件が起きる前は、どんな自民党の政治家の政治資金の疑惑についても、虚偽記載は単なる形式犯だから収支報告書の修正で済むのだと言い、何の刑事責任も問おうとしなかったではないか。河上和雄や大澤孝征の過去のテレビ解説の言動を隈なく掘り返せば、間違いなくその言質を拾い上げることができるだろう。その解説を聞くたびに、ザル法として設計された政治資金規正法の無意味を感じ、われわれ国民は無力感に襲われ、政治不信の度を深くしていたのある.
小沢一郎だけが二度の事情聴取を受け、秘書が逮捕され、犯罪容疑があるとされて被疑者の立場に立たされた。政治資金規正法違反(虚偽記載)は形式犯なのか、それとも実質犯なのか、検察は統一的な見解と基準を示さず、曖昧にしたまま、解釈をフリーハンドにして、無限の司法大権を握ったまま政治に介入し、不介入している。自分が狙った獲物を捕らえるときは実質犯だと言い、見逃してやる相手には形式犯だと使い分けている。 その矛盾やイカサマに対して、誰も何も言おうとしない。宗像紀夫の主張こそが正論で、贈収賄は贈収賄で正攻法で容疑を立件すればよく、もし裁判所が有罪判決を出さなければ、裁判所が国民から非難を受けるのである。 検察が小沢一郎の立件を断念した理由として、水谷建設の裏金授受の証拠を固められなかった点と、虚偽記載の関与(指示了解)を確認できなかった点が上げられている。これは特捜の失態だが、それ以上に、立件の前提となる点で問題があり、裁判を通じて検察の立場が窮する事態を招く欠陥があった。 吉田正喜と佐久間達哉は、この要件不備のままでも小沢一郎の起訴を断行しようと構え、小沢一郎を失脚させて民主党政権の転覆を図る中で、公判も有利な状況に傾けられると想定していたのである。 政治的な思惑の先行だが、1/15の秘書逮捕の時点では、検事総長の樋渡利秋も消極的ながら強行突破の方針を支持していて、小沢一郎のクビ狙いの政治捜査で検察内部は固まっていた。証拠の裏付けのないまま現職議員の石川知裕を逮捕し、尋問で自白を取って小沢一郎を立件しようとする無謀な作戦に踏み込んでいた。 高検検事長で次期検事総長の大林宏が吉田正喜や佐久間達哉と一心同体なのは、この者たちのイデオロギー的同質性で明らかで、魚住昭や佐藤優のアナロジーを借りれば、大林宏のキャスティングは参謀次長で皇道派首魁の真崎甚三郎だろうか。 大林宏は、民主党の人事介入がなければ、この件が裁判になったときの検事総長の立場である。最高責任者に就く身で、裁判の前途にリスクを感じたなら、吉田正喜や佐久間達哉の暴走を抑制しただろう。大林宏は、逆に、このままでは小沢一郎に自身の検事総長就任を妨害されると思い、リスクをテイクして、小沢一郎の失脚を狙う政治戦の賽を振ったのである。 検察にとっての立件の前提の欠陥は三点ある。 拘置所で接見した安田好弘によれば、特捜部の石川知裕への尋問は就寝時間を超えて強行されていて、睡眠を与えずに意識を朦朧とさせて自白を誘導した事実が窺われる(週刊文春2/11号 P.33参照)。 第二と第三の捜査の不当性が公訴棄却事由になる点は、前回と前々回の記事の中で触れた。第一の問題も重要だ。市民団体「真実を求める会」が小沢一郎を政治資金規正法違反の共犯で告発したのは1/22で、小沢一郎への事情聴取があった1/23の前日である。 この不審な点について、検察は何も答えていないが、弁護団や世論が注目するのは当然のことだろう。逮捕の不当性と取り調べの不当性に加えて、この捜査においては告発の受理について疑惑がある。市民団体は右翼団体だという事実が明らかになっているが、もし、この市民団体と吉田正喜との間に私的な関係があり、何らかの癒着が明らかになれば、その時点で検察は公訴棄却を余儀なくされるだろう。 吉田正喜の正体が気になる。大学ではどのような学生だったのか。週刊文春の記事には、さらに恐るべきスクープがあり、何と検察は、石川知裕が思いどおりに落ちない(自白しない)ので、2月4日の勾留期限を前に別件の再逮捕を図っていた。まさに驚愕の事実と言わざるを得ない。勾留を引き延ばして石川知裕の心身をボロボロに疲弊させ、無理やり証言を引き出そうとしていたのである。 ところが、国会議員を逮捕するには逮捕許諾請求を国会に出して承認を得なければならない。そのような請求が通るはずもなく、焦った佐久間達哉たちは、国会開会前に逮捕した議員の再逮捕なら許諾請求の手続きは要らないだろうと勝手な解釈を言い出し、それを内閣法制局に照会するところまで行っていた。 予感だが、検察による小沢一郎の起訴を止めるべく働きかけたのは、検察のOB、特に宗像紀夫ではなかったのか。検察の内部には、暴走する車のアクセルから足を離そうとする人間はおらず、OBが割って入って樋渡利秋を諫めて説得し、ブレーキを踏ませたのではないかと思えてならない。 石川知裕を落とせると甘い読みで逮捕した時点で、佐久間達哉と吉田正喜の敗北は決まっていた。石川知裕が口を割らなかったと言うより、水谷建設の5千万円の裏金が怪しく、検察の勝手な妄想であり、自供のしようがなかったのだ。 昨夜の報道ステーションは、岸井成格の口真似をさせるように、星浩に小沢一郎の幹事長辞任の政局予想を言わせていた。検察の捜査失敗については全く批判しなかった。
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