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政治とカネで国会緊張 ― 鳩山内閣の前途は多難 【伊勢新聞】 http://www.asyura2.com/10/senkyo79/msg/674.html
伊勢新聞
http://www.isenp.co.jp/rondan/rondan.htm
このように冒頭から国会は対決色にあふれた緊張感に包まれており、政権慣れしていない閣僚がほとんどの鳩山内閣の前途はかなり多難である。 ここでもう一度新内閣誕生のいきさつから経緯をたどってみる。どうにもふに落ちない点が一つある。ご承知のように民主党政権の誕生はほとんどが小沢幹事長の功績である。普通ならその小沢氏が首相になっても少しもおかしくないはずなのだ。しかし、小沢氏はあえて宰相の道を選ばず、幹事長のポストに甘んじた。一応「政府は鳩山、党は小沢」という振り分けはきちんとしてはいるが、どう見てもおかしいと思うのが普通である。つまり、小沢氏にはよほど総理になったら具合の悪い事情でもあると思いたくもなる。小沢氏は「一年以内にまた参院選がある。ここでもう一度民主党が絶対多数を取り、名実ともに優位に立つ必要がある。自分はその先頭に立って頑張る」と言っているが、さてそううまく事が運ぶかどうか。自民党の方も「勢力挽回(ばんかい)の好機」と手ぐすね引いているからだ。その意味では、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる事件で、東京地検特捜部が胆沢ダム(岩手県奥州市)を下請け受注した複数の中堅ゼネコンについて政治資金規正法違反(虚偽記入)容疑で家宅捜索を始めたということは、小沢氏が一歩一歩追い詰められていく過程と見られなくもない。これについて肝心の鳩山首相の対応はというと、「わたしの方には小沢氏から何の連絡もない。地検の事情聴取に応じるかどうかは当然、ご自身の判断で結論を出されるべきと思う」とすこぶる冷ややかなものだった。 政治とカネの問題はむつかしい。一九八五年に制定された政治倫理綱領には、「疑惑を持たれた場合にはみずから真摯(しんし)な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにすること」と明記されている。どの政治家もそれに忠実であるべきなのだが、なかなかそうもいかないのが現状のようだ。それどころか、関連する議員さんの中には、検察や報道への反発を強める発言をする人も多い。逮捕された小沢氏の元秘書、石川知裕衆院議員をめぐり過日「石川代議士の逮捕を考える会」が発足、石川氏と当選同期の衆院議員らが国会内に集合、地検出身の弁護士を招いて検察の捜査手法などについて討議した。その会合には首相補佐官や二人の総務政務官も参加していたという。このことで批判された平野官房長官は「同期会の集まりとだけ聞いている」と釈明していたが、後刻出席者に「これ以上深入りするな」とクギを刺している。 小沢氏の隠然たる権力を思わせる人事中ぶらりんの一幕もあった。鳩山首相が自ら言いだした枝野幸男・民主党元政調会長の首相補佐官への起用がなかなか決まらないからだ。この人事は鳩山首相の肝いりで、国家戦略相を兼務する仙谷由人行政刷新相の負担軽減のため白羽の矢を立てたのだが、これが思うように進まず、一説にはあの人事はもう消えたという人もあるほど。枝野氏は党内では仙谷氏と並んで非小沢系の筆頭格。首相も「彼の有能さは誰もが認めるところだ」と述べたものの任命するとまでは言わなかった。人事にはよくこういうことがあるが、あまり再々あっては軽んじられる。注意することだ。 ところで今年は日米安保条約が締結されてからちょうど満五十年。一月十九日はその署名日に当たる。首相、オバマ米大統領はじめ日米四閣僚が相次いで談話や声明を出し、日米同盟の「深化」や「刷新」をうたい上げた。しかし、いいことずくめではない。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題がとうとうまとまらず今後に問題を残した。具体的な進展がないので、何にでも使える“深化”という言葉を使わざるを得なかったようだ。岡田外相は“深化”の意味について、「地域やグローバルな幅広い問題に対応するため、同盟の役割についてこの際あらためて議論を進めていく」と語ったが、できれば今年中に外務・防衛担当閣僚の間で会合を開き、「今年中には一定の成果を得たい」(外相)と安保新宣言といったものを出したい意向を示している。それも結構だが、普天間問題であれほどギクシャクした日米関係の意思疎通は容易ではない。日米安保では日本が米国から大きな恩恵を受けていることを日本が率直に認め感謝の意を表明することがまず必要だ。しかし連立を組む社民党はマニフェストにも、「同盟強化に反対」と明記しているだけに、政党間の調整も一苦労を免れないようだ。 これに対して鳩山首相の安保観はもう少し筋が通っている。まず在日米軍については「アジア太平洋地域の“公共財”」と位置付けたのをはじめ、同盟深化についても核の拡大抑止(核の傘)や情報保全、ミサイル防御などを一国の安全保障に直結させた。しかし、日米同盟は長い間、自民党政権下で一応一体化の作業が進行し、すでに離れ難い関係にまで至っている。その路線を新政権はそのまま継承するのか、別の新路線を形成するのか、鳩山内閣は大きな選択を迫られている。 さて、約七年半も続いた海上自衛隊によるインド洋補給支援活動も一月十五日で打ち切りとなった。その措置に何より失望したのは米国である。先の日米外相会議では形だけの“同盟深化”をうたったが、本当は米国の対日不信の芽を育てることに役立っただけである。古来、軍事的行動は、それを行えば誰が得をし、誰が損をするかで功罪が決まる。インド洋での燃料補給支援をこれに当てはめれば一目であろう。日米同盟はいまや日本と米国だけの関係ではない。台湾や東南アジア諸国も日米の一挙一動に目を凝らしている。普天間問題がこじれた場合、失望するのは日米だけではない。まず台湾が大失望する。そして次は東南アジア。ほくそ笑むのは中国と北朝鮮であろう。特に民主党政権内には米中等距離論を主張する者が多く、それが対中友好論者を勢いづかせている。しかし、何度でも言う。日中友好はあっても日中同盟はあり得ない。反対に、日米関係では友好も同盟も二つともあり得るのだ。日中が同盟たり得ないのは、価値観を共有する関係ではないからだ。それをよく認識し理解しておかないと同盟の破綻(はたん)につながってしまう。 国会はこれからしばらくの間、本年度追加予算案の審議に入る。それが通ったら、直ちに新年度予算の審議が始まるが、昨年の流行語大賞でトップを占めたのが「政権交代」だそうだから、わたしたちはこの言葉に潜む民主主義を劣化させるポピュリズム(大衆迎合主義)に陥らないように老いも若きも心しなければならない。
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