投稿者 ダイナモ 日時 2010 年 2 月 05 日 21:36:34: mY9T/8MdR98ug
http://www.jrcl.net/frame100208d.html
民衆の力で政治
に責任を迫る
労働者派遣法の抜本改正は、いよいよ政治が責任を果たすべき局面に入った。廃案になったとはいえ三党改正案を国会提出し、さらに抜本改正をマニフェストに謳い民意に問い、そして政権奪取を果たした与党と鳩山政権は、まして政治主導を政治転換の最大の柱に据えた民主党は、今になって労政審の後ろに逃げ込むことなど許されるはずもない。生きる希望を返してくれ、派遣労働者が絞り出すこの最低限の叫びに応える責任を、今こそ労働者民衆自身、彼らに問い詰めなければならない。「労働者派遣法の抜本改正を目ざす共同行動」(以下共同行動)が主催し、「政治主導で抜本改正を!」の表題の下に参院第一会義室で開催された一月二十七日の集会は、その闘いの開始を告げるものとなった。
ぎっしり埋まった会場は熱気を含んだ緊張に包まれ、久方ぶりに報道陣も目に付いた。予算委員会の合間を縫って、民主党、共産党、社民党の議員も駆けつけ法制定に向け決意を語った。また、自民党と改革クラブをのぞく全政党の議員秘書もかなりの数で参加、議会内に抜本改正要求が無視できない力を及ぼしていることをうかがわせた。集会参加者は最終的に百五十五人と発表された。
その中で、派遣切りされた当事者や主催者側から、労政審答申に対する具体的かつ厳しい批判が次々と繰り出され、制定されるべき法がどうあるべきかが訴えられた。そしてその実現に向け、全国から国会へのうねりを作り上げようと呼びかけられ、その一環として、共同行動、派遣切り被害者有志一同連名の各政党に対する要請書が発表された。この要請書に基づく働きかけは集会に引き続いて既に始められている。
卑劣な骨抜き
など許せるか
今集会の第一の目標は、労政審答申での法案化など絶対に認められないとの全体確認。各発言を通して、卑劣な形で答申に潜り込まされた数々のしかし大きな抜け穴が具体的に明らかにされ、全体で共有された。答申の個々の問題点は本紙一月十八日号を参照していただくとして、以下ではいくつか発言の一部だけ紹介する。
まず日本労働弁護団幹事長の水口洋介さんは、解雇自由を原則に書き入れようとした労働基準法改正答申を国会が覆した事例を挙げながら、労政審は国会に代わって立法するものではなく、政策は国会が決める、という点を改めて強調した。またみなし雇用に関しては、違法認定基準に、故意要件、つまり派遣先が違法であることを「知りながら」との条件、を入れたことを批判、客観要件に変えなければ実効性が保証されないと指摘した。
派遣ユニオン書記長の関根秀一郎さんは、派遣労働の最大かつ本質的な欠陥が使用者の無責任化を容認するものであるにもかかわらず、答申が使用者責任強化に完全に背を向けたことを強く批判した。そして、現行法の下では派遣切り被害者の救済ができないという現場の痛苦な経験を基に、派遣先責任に蓋をした今回の答申ではその現状が放置されると訴えた。
三菱ふそうの派遣切り被害者である鈴木さんは、願っていることは正社員になる選択肢が欲しいということだけだ、それがなぜ届かないのか、と悔しさをぶつけた。そして、未来をつかむため派遣法改正を使いたいと、抜本改正への痛切な期待を語った。
日産の派遣切り被害者の土屋さんは、事前面接やり放題の下、秘書まで含む広範な職種の労働者が「事務機器操作」という名の名ばかり専門職種派遣に置き換えられている日産の現状を赤裸々に告発した。しかも、契約更新を暗黙の脅しに、正社員と同じ仕事を全部こなすことが求められているという。彼女は、今回の答申はこんな現状を何も変えない、その上事前面接まで容認されたのでは改悪だ、と怒りを込めて答申を批判した。
ガテン系連帯の池田さんは、三年から五年も据え置く施行期間の問題を、あとまだ三回も派遣村をやれと言うのか、と端的に糾弾した。
そして全日建連帯の柿沼さんは、大阪で「共同行動・大阪」が発進目前と報告、抜本改正を迫る全国的広がりが急務と呼びかけた。
抜け穴封じの鍵
は民主党の姿勢
当日もう一つの注目点は政党側の構えだったが、発言は以下のようなものだった。
共産党では、小池晃参議院議員と高橋千鶴子衆議院議員が発言。それぞれ、政治が責任を果たすべき、指摘されている各問題の抜け穴は絶対に許されない、と強調し、同時に、目の前の派遣切り、違法派遣に対する闘いを強化する必要がある、と訴えた。
社民党では、福島みずほ党首と近藤正道参議院議員。いずれも、三党案に限りなく近づけると決意表明した。その中で福島みずほ党首は、改正案の三党協議はできるだけオープンにし皆で共有したい、と注目すべき発言をした。
民主党では、稲見哲男衆議院議員と松野信夫参議院議員が発言したが、二人の発言には微妙な差があった。先ず稲見議員は、大阪の鉄工所社長から聞いたという「しっかりしたモノづくりのためには将来を展望できる労働条件が必要、うちには派遣労働者は一人もいない」との話を紹介した上で、前述した要請書の趣旨で抜本改正を追求したい、と語った。一方、松野議員は、法改正は必ず実現しなければならない、としたものの、答申には前進が反映していることを理解して欲しいと半ば釈明しつつ、先の要請書については、議論しなければならないという線に留めた。
問題の焦点が民主党にあることは明瞭だ。この党に対する大資本や厚労省官僚などの支配的エリート、また大労組からの縛りを断ち切る運動の力が必要だ。広範な草の根からの圧力をいかに作り出すか、今集会は自ずから運動の課題も照らし出した。
政治を縛るう
ねりを全国から
この課題に挑む運動をどう進めるか、これからの闘いについては、発言全体を締めくくる形で棗一郎弁護士から提起された。そこでは先ず今後の政治日程として、三党協議が週一回のペースで予定されていること、法案化が三月、審議は五月、との大まかな流れが示され、それをにらみながら運動を全国化し、各選挙区の議員に圧力をかけ、さらにそれを集約し全国から攻め上る全国集会へ、との展開が呼びかけられた。またその一部として、三月五日に労組そろい踏みの日本労働弁護団主催集会が予定されていること、また、日弁連の答申に対する意見とりまとめが二月中旬に予定され、その基調は、当時の自公政権改正案を根底的に批判した一昨年十一月の意見書に沿うものとなる、と報告された。
最後に井上久全労連事務局次長が行動提起に立ち、「ワンストップの会」の活動から見えた現状として、雇用保険切れ、貯蓄切れを背景に路上に出るまで一年から二年、若者の顕著な増加、という路上生活者の変化が示す雇用破壊の深刻化を明らかにし、今後の闘争強化にあたってこうした事実の突き付けが重要と指摘、その上で、雇用責任をないがしろにする動きに政治主導で立ち向かわせよう、そのように運動が変えなければならない、確信をもって行動しよう、と呼びかけ全体で確認された。
雇用責任を消し去った派遣労働の蔓延が雇用破壊の全般化、卑劣化に大きく力を及ぼしている。この事実を明らかにしつつ、抜け穴だらけの名ばかり改正ではなく本物の抜本改正を、との声を文字通り全国に広げ、必ず派遣労働者の願いに応える抜本改正を実現しよう。 (神谷)
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