5年ほど前の2005年8月8日、当時の小泉首相が衆議院を解散し、休む間もなく9月11日に衆議院選挙が行われたことはまだ記憶に新しい。いわゆる郵政選挙である。「刺客」など、さまざまな意味で異常なことが続いた。しかし、この郵政民営化は昨年の政権交代によって見直しが決まった。音頭をとるのは亀井金融相。

わざわざ「郵政解散」「郵政選挙」と名付けて郵政民営化のための大騒ぎをしながら、その見直しが決まったにもかかわらず、では、小泉氏と竹中氏が推進しようとした郵政民営化の何が問題だったのか、背景に何があったのか、テレビや新聞にその追跡記事が出てくることはほとんどない。

多くの国民が小泉竹中政治に騙されたと感じ、経済の疲弊ばかりでなく社会の疲弊をも目の当たりにしている。そのような国民の恐らくは誰もが、あのとき何があったのか、なぜ小泉竹中の郵政民営化が否定されたのかを知りたいと考えているのではないだろうか。しかし、マスコミに出てくることはほとんどない。

ついに国会では、その追求が始まったようだ。国民新党の森田高議員の手によって。しかし、これもマスコミに報道されることはない。なぜだろうか？毎日のように繰り返される小沢報道とどちらが重要だろうか？マスコミは何かを隠そうとしているのではないか？また、小沢氏を経済・社会疲弊のスケープゴートにしようとしているのではないか？まさに「怪」である。

1月27日、参議院予算委員会での森田議員はどんな質疑をしたのか、その内容を伝える署名入りのネット記事を紹介しよう。彼が使用した資料（pdf）もぜひご覧いただきたい。郵政民営化の過程で何が起きていたのか？郵政社長であった西川氏がいた三井住友と米国ゴールドマン・サックスの関係、郵政民営化見直し前後の動きが興味深い。

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参院予算委員会から　報道されない事実

ぼろぼろに破れた軍服姿の日本兵が掲げるぼろぼろに破れた日章旭日旗。その先は地面に垂れ、旗には大きな破れ目がある。その破れ目に向かって、シルクハットをかぶり、銀行鞄を手にした西洋紳士数人が粛々と進んで行く。その様なマンガが描かれ、その横には満面に笑みをたたえた小泉元総理の写真がある。その新聞を拡大したフリップが、２７日参院予算委員会で示された。新聞はファイナンシャル・タイムズ。（注：日章旭日旗とは日章旗の赤丸から条が出ているもので、軍旗として使われた）

このフリップに書かれた英字の詳細まで読み取る時間は無かった。だが、質問に立った国民新党森田高議員によると、英字新聞のタイトル記事は「日本はアメリカに３兆ドルをプレゼント」だそうだ。郵政民営化法案が、衆院で再可決された０５年１０月１４日の翌日の新聞記事。ＮＨＫテレビは実況だから、このフリップが一瞬ではあったがクローズアップされた。だが、その後のニュースでは、一切報道されなかった。

郵政民営化法案が再可決された時、海外の反応は「日本は、アメリカに３兆ドルをプレゼント」であったのだ。知らぬが仏の日本国民であったと言うことになる。当時、郵貯と簡保には国民の汗の結晶である３４０兆円があった。森田議員は、郵政民営化によって、日本の資産３４０兆円をアメリカ資本のものにできるので、「３兆ドルのディール」と言う趣旨の新聞記事が、当時海外にあったと説明したのである。

４年半前、郵政民営化とは、外資・ハゲタカファンドに郵貯・簡保が保有する資金を売り渡すことだと、その本質を見抜いた人は、信念を持って郵政民営化に反対した。だが多くの国民は、小泉・竹中が言う、郵政民営化がバラ色の未来をもたらすという言葉を信じ、誤魔化されたのだった。そして今ようやく、小泉内閣が行った売国的行為が、国会の場で明らかになったのである。

これに合わせるように、アメリカ資本・ゴールドマンサックス（ＧＳ）が２８日、保有する三井住友ファイナンシャル・グループ（ＭＳＦＧ）の優先株（１００２億円）を普通株に転換した。ＧＳは、既に５０１億円分の優先株も普通株に転換しており、また転換後の普通株を保有せず売却するので、ＧＳとＭＳＦＧ両社の資本提携関係は解消することになる。ＧＳは外資らしく非常に分かり易い行動で示してくれる。

ＧＳは、日本郵政の株式が公開された暁に、その株式を取得し３００兆円余の資金を手に入れる戦略を描いた。その手引きをしたのが竹中平蔵元金融担当相。竹中は、西川善文ＭＳＦＧ会長に、ＧＳの投融資５千億円を受け入れることを条件に、ＭＳＦＧを日本のメガバンクの一つとして残した。そして西川を日本郵政の社長にした。どのような約束があったかは知らないが、西川が簡単に辞めなかった理由がそこにある。

民主党政権になり、郵政民営化が凍結された。西川善文日本郵政社長も更迭された。
ＧＳは、郵貯・簡保の３００兆円を諦めざるを得ない。ＭＳＦＧと資本提携をしている意味は無くなった。ＭＳＦＧが新たに８千億円を必要としても、ＭＳＦＧに魅力はないから、優先株１５０３億円を保有している意味は無いので引き揚げる。しかもＭＳＦＧに投資した時点は１ドル１１０円。現在は９０円。１ドル２０円の為替差益はそれだけで充分な利回りであるし、充分な利益をＧＳにもたらした。

０９年補正予算案の審議が、今週参院の予算委員会で行われたが、自民党は「政治とカネ」の問題ばかり。いまさら自民党がそれを言えるのかと思った人は多いはずだ。その自民党の発言を大きく報道するマスコミ。政権支持率を下げる働きはしたが、経済対策に貢献をした訳ではない。それに対し、国民の資産である郵貯・簡保の資金を外資に売り渡そうとした過去が、国会の場で明白されたことを報道すべきだろうよ。マスコミはその事実を知っていたので、ニュースではないと判断したのだろう・・。

胆沢ダム工事から、仮に水谷建設が１億円を小沢氏側に献金していたとして、それは贈収賄にもならない。一方国民の資産３００兆円を外資に渡そうとして、２００億円をアメリカに保有するとネット社会で噂されている某元大臣。既に、かんぽの宿疑惑もある。その告訴もされている。検察の法と正義は、国民のために使うものだろう。
　
＜徳山　勝＞ ( 2010/01/30 18:30 )
http://www.olive-x.com/news_ex/newsdisp.php?n=83554

森田高議員の資料はこちら
http://www.moritatakashi.jp/index.files/yosan100127.pdf
国民新党 森田高議員のブログ
http://moritatakashi.sblo.jp/
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湘南の片田舎から
http://ootw-corner.asablo.jp/blog/ 　

コメント
01. 2010年2月01日 08:38:30 すでにJAXVNさんによって紹介されていますが、この記事はさまざまな観点から何度でも取り上げられるべきと思い投稿しました。多くの国民が「騙された」と感じた背景、原因が何であったのか？森田議員が作った資料も優れています。 マスコミによる連日の小沢氏報道は、小沢氏を現在の日本の疲弊状況のスケープゴートにする使命を負っているとも考えられ、郵政民営化を前面に押し出すべきと思えます。 From 真夏の海の家
02. 2010年2月01日 09:04:11 木を見ずに森を見んとすれば、小沢疑惑なるものの、真の目的が郵政疑惑の隠蔽だからでしょう。二重にメディアも責任は重い。三十年ほど前には、外国の企業から賄賂を受け取って云々と大騒ぎになったが、特定の外国に富を差し出す疑惑はスルーされている。
03. 2010年2月01日 09:04:16 郵政民営化と911事件の自作自演説は前面に押し出すべきですね。
04. 2010年2月01日 09:25:37 小泉は、4年間も赤坂のスイートルームで護衛付で暮らしているそうな。郵政米国化での巨額の報酬によるものであるならば、許せない。 　それに引き換え、よれよれのコートをいつも着ている小沢さんと、どっちが日本国民にとって、なくてはならない人か、全国の皆さん、検察の良識のある検事さん、現場の新聞社、テレビの方々、よく考えてください。
05. 2010年2月01日 10:03:41 全く知りませんでした。 JAXVNさんの投稿さえ、今朝アクセスランキングで知ったぐらいだし。
06. 2010年2月01日 10:57:54 国家的問題の軽重さから、この投稿記事の事案の重大さと比べ、今、炎上中の「政治と金」の事案等は、如何でも良い問題であると思う。 検察は、既に提起されている「郵政・かんぽ」告訴案件を含め、真摯に、検察の全精力を傾注して、問題の解明を実現して貰いたい。 此の事案を、スルーした場合は、「検察」の存在意義に、大きな疑問を呈したい。 検察の適正なメスの成果を注視している。
07. 2010年2月01日 11:06:05 小沢さんを陥れ、民主党を転覆させようとする一連の謀略の首謀者は 司法官僚の大元締めとして今も動き回る、妖怪・90歳の爺さん・岡崎某…との噂は 本当だろうか？
08. 2010年2月01日 11:11:41 収支報告書の不記載より新聞の不記載や虚偽報告の方が問題だ。
09. 2010年2月01日 12:05:54 民主党、亀井の人の良さがここにある、政権闘争なのであるから、少なくも政敵の息の根は止めねばならない。前政権がどんな悪さをしたのか暴くことが政権交代でもあろう、＜勝者は敗れた者には石を投げず＞などと綺麗ごとを言うようでは足をすくわれる。そして実際足をすくわれた。 小泉、竹中、飯島の三人はCIAのためには自民党をも壊したではないか、 理念は友愛でもヘチマ愛でもかまわんが時としては目的のためには手段を選ばない、これが政治であろう。奇麗事のお子様ランチ内閣はやるべきことをヤランかつたから、小沢を失うことになる。 ボンクラ鳩山の責任は重い。たまた自民がアホだからいいものの、しかし内閣のぐらつき、混乱が国民生活を直撃する。 いま私が疑問に感じることは以下のとうりだ、小泉政権への不信でもある、 【郵政民営化ということの真相】 　1）　オリツクス宮内の関わりあい、当然アース奥谷も、 　2）　西川＝住友からの出向組の社内での動向 　3）　バランスシートの精査、噂ではとうに200兆も溶けてる(ウォール街の紙切れにどれくらい変わったのか？） 　4）　資産売却は精力的におこなつてるいたがその仔細な実態を明白に、 恐らくダミーでの落札だろうから登記簿での追跡も 【竹中2兆、小泉1兆、郵政民営化ご褒美の噂】竹中にいたつては22億のマンションをニューヨークに購入してるというし、高級ホテル住まいの小泉、この二人は鳩山よりもよほど税の面でも怪しい。 【イタリアへ13兆の米国債を持ち込もうとした日本人2人の事件の真相】 財務省の人間、Ｍの義理の弟とまでバレてるがそのはなしが表にでることはない。 【消えた年金の問題】年金の積み立て金の現状は悲惨なものだと思う。長妻氏も数字を見て口を閉じ、消費税について言い始める始末だ。本当のことを言えば国民がパニックを起こすので言えない状態というとこだろう。 ゴーン氏が日産を建て直しをしたように、前政権がどれほど酷いか日本がどれほど傷んでいるかをアピールする鳩山政権でもあつたはず、現状を充分に把握してるとはとても言えない民主政権である。 私は金庫を開けてみたら想像を絶する借金だらけの日本の実態だったのではないかと危惧している、その実態を隠す為にも政権交代は困るわけである。疑惑は全て巨額な金がらみである、それでいて財政危機なのだ。 旧勢力にしてみれば真相を先延ばしにすればするほど美味しい果実が齧れる訳だ。 彼らの思いは「何れににしろ破綻が免れない、ならば破綻は次の世代で」と考えてるとしか思えないのだが？ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ロシアンブルー
10. 2010年2月01日 21:06:18 小泉、竹中はヤリ逃げヤリ徳か？ そんなことが許されて良いのか？ 民主党よ！オザワンを絶対に守れ！でないと小泉、竹中を極刑にする事は永遠に できない！

11. 2010年2月01日 22:04:42 え？”水谷建設が１億円を小沢氏側に献金”え？え？え？ですよ。 これまずくありませんか？ 300兆円余の資産というのも疑いがあります。その運用からみてすぐには 不可能にみえます。当たり前ですが、問題があれば郵貯からお金下ろせばいいような 気もします。ＧＳのほうが運用で信用あるような感じもありますし、そうでなくても 虎に狼じゃないでしょうか？ 特に肯定も否定もしませんが、その一億円は中間搾取ともいえますので 経済効果としては薄いですし、バラマキ政策として失敗です。
12. 2010年2月02日 10:48:42 >>11 何を言いたいのか解らない。

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