投稿者 亀ちゃんファン 日時 2010 年 1 月 30 日 21:46:48: GqNtjW4//076U
http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10446281910.html
戦後一度の指揮権発動は検察の策謀だった
永田町異聞
2010年01月30日(土)
〔転載はじめ〕
検察の「正義」が常に正しいとは限らない。人間のやることだから、判断を間違うこともある。
昭和初期の世界恐慌がきっかけとなった社会不安、政治不信は現在と共通する。検察は政治家を標的に次々と疑獄事件の摘発を進め、行き着いた先が、昭和9年の帝人事件だった。
時事新報の記事で浮上した帝人株をめぐる贈収賄疑惑。検察は政治家や官僚16人を起訴し、斎藤実内閣を総辞職に追い込んだ。
ところが、裁判では全員が無罪となり、倒閣目的のでっち上げであった疑いが濃くなった。
「検察ファッショ」といわれたこの強引な捜査の黒幕は、昭和14年に総理大臣となった平沼騏一郎だ。
平沼は明治43年の大逆事件で、検事として社会主義者、幸徳秋水らに死刑を求刑、「暗黒裁判」と批判を浴びた人物だ。戦前、日本の司法の主役は検察だった。裁判所を凌駕する力を持っていた。
帝人事件は、明らかに検察権力の暴走であり、戦前の政党政治を崩壊させ、暗黒国家となって無謀な戦争へと突き進む要因をつくった。
このように、ひとつ間違うと国家の暴力装置となる検察権力を、国民がチェックし、濫用を防ぐシステムがあるかというと、はなはだ心もとない。検察と一体化したマスメディアにそれを期待するのは、少なくとも現状においては難しい。
だとすれば、検察の暴走をストップさせるため唯一、国民に与えられた担保は、検察庁法14条に定められた法務大臣の「指揮権発動」しかない。
ところが、法務大臣の「指揮権発動」について、この国のメディアは「検察の正義に対する政治権力の不当圧力」という決まりきった見方しかせず、「指揮権発動」のネガティブイメージだけを国民に広めている。
なぜ、法律で「指揮権発動」が許されているのかをじっくり考えてみればいい。
先述したように「ひとつ間違うと国家の暴力装置となる検察権力の濫用を防ぐシステム」として、国民が選んだ政治権力による「指揮権発動」が認められているのである。
さて、戦後ただ一度、指揮権発動をしたのが1954年の造船疑獄における犬養健法務大臣だ。今日の日経新聞連載「政権第6部」にこう書いてある。
「法相の犬養健が重要法案の審議を理由に与党自由党の幹事長、佐藤栄作の逮捕に待ったをかけて以来、歴代法相は半世紀以上も禁じ手としてきた」
そして、このあと、いかに佐藤が法相に圧力をかけていたかに言及。
さらに、佐藤を取り調べた特捜の鬼、河井信太郎の「従わないということは検察ファッショの恐れがある。批判は国民がすべきこと」という指揮権発動に対する立場を紹介している。
ここにも、正義の検察、巨悪の政治家という、メディアの思い込み図式が見てとれる。
そうした単純な思い込みを覆し、この疑獄事件の真実を解き明かしたのが、渡邉文幸氏の著書「指揮権発動」である。
この著書の核心は、事件捜査当時、法務省刑事局長だった井本台吉氏による40年後の証言だ。
それによると、河井信太郎ら特捜部が佐藤逮捕をめざして宣戦布告したものの、捜査が進むにつれ検察に勝算がないことが分かり、検察首脳の焦りはつのった。勝ち目のない戦い。自ら撤退すれば検察の威信が揺らぐ。
そこで、東京地検検事正、馬場義続は、やむなく捜査を終結せざるを得ない状況をつくるため、副総理、緒方竹虎に「指揮権発動」を働きかけた。馬場の親友、法制局長官、佐藤達夫も援護射撃し、最終的に吉田茂首相が「指揮権発動」を決断したのである。
こうして東京地検特捜部は「名誉ある撤退」の道が開け、かろうじて面目を保った。その一方で、犬養法相は「指揮権発動」の翌日、辞任した。
「正義の検察」に対して不当な圧力を加えたという新聞論調により、自由党政権は世間の轟々たる批判に持ちこたえることができず、吉田は退陣に追い込まれた。
東京地検特捜部の暴走が政治に不当な影響を及ぼしたという真実はついに語られることがなく、「指揮権発動」は政権の自壊につながるタブーとして、その後半世紀以上にわたって封印されてきたのだ。
もとより「指揮権発動」の濫用は絶対にあってはならないことだ。しかし、いたずらにタブー視するのは検察庁法14条の目的を無視するのと同じである。
マスメディアは、「指揮権発動」の意味を、民主主義の担保の一つとして見直してみる必要があるのではないか。
〔転載おわり〕
《コメント》
法律は、主権者である国民の幸福を期して、その規則であるのが趣旨。
くれぐれも、本末転倒なきよう。
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