★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK78 > 820.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
1、週刊朝日2月5日 上杉隆「検察の卑劣」
以下引用
先週号で筆者は小沢事務所の秘書や関係者のコメントを意識して紹介した。
新聞・メディアなどの記者クラブメディアにはほとんど載ることがないからだ。
何故、記者クラブメディアは検察に有利な情報しか扱わないのか?
確かに、小沢一郎という政治家へのチェック機能はジャーナリズムに要請されている重要な事柄である。
しかし、同じように検察という国家権力に対しても監視の目を向けなければならない。
繰り返すが小沢一郎も公権力であるが、検察もまた公権力なのだ。
そこで、石川知裕衆議院議員の逮捕に至るまでの、記者クラブメディアが伝えなかったことを記そう。
「あの女の秘書、小さな子供がいるんだろう。
事情聴取に呼ばれたら困るんじゃないか?」
三文任侠ドラマのような脅し文句だが、この発言はフィクションでもなんでもない。
信じがたいことだが、日本の国家権力内部、しかも、国民に仕える公人同士の会話である。
発言の主は東京地検特捜部の検事、脅されているのは現職の国会議員・石川と
いう構図である。
1月14日、石川が3回目の事情聴取に応じている最中のことだった。
翌日4回目の事情聴取をめぐって次のような会話が交わされたというのだ。
石川「体調を崩しています。明日の取調べを延期してもらえませんか?」
検事「だめだ」
石川「病院に行きたい。あさっての党大会の日には必ず応じますから」
検事「ダメだ。時刻を遅らせてもいいから必ずだ」
石川「本当に具合が悪いんです」
そして、検事から冒頭の言葉が発せられたのだ。
普段ならば、こうした密室である限り取調べの会話が外に漏れる事はない。
ところが、日本では、記者クラブメディアが、「関係者」の証言として、連日供述内容を伝えている。筆者もそのしきたりに従って「関係者」の発言として紹介する。
ところで、検察は何故女性秘書に幼い子供がいることがわかったのか?
「関係者」が証言する。
「実は、彼女は結婚して別の事務所を辞め、そこから移ってきたんです。
保育設備が整っていない国会では、子育てをしながら秘書として働く事は難しい。でも、石川先生は赤ちゃん連れてくればいいじゃないか、議員部屋にベッドを置いてもいいよ、といってくれたそうなんです」
実際、石川事務所の議員部屋にはベビーベッドが置いてある。おそらくそれを見た検事が脅しの材料に使ったのだろう。
このように容疑者や参考人の弱みに付け込むのは検察の常套手段だ。
鈴木宗男議員が証言する。
「私にもね、経験がありますよ。検察はこうも言いましたよ。
捜査に協力しないと事務所の女性秘書を逮捕するぞ。ってね。
デモね、彼女は、当時思い病気だったんですよ。
それを、結局、私が一切調書に応じないからといって、本当に逮捕したんです。許せんですよ。
本当に。結局、彼女は亡くなってしまったんです」
これは特別なことではない。公職選挙法違反で失職した出口晴三葛飾区長もこう語る。
「私も同じです。いくら説明しても検察の描くストーリーは事実と違いすぎてナットクできず、調書にサインをしなかったんです。何しろ罪名についても公職選挙法違反、政治資金規正法違反、贈収賄、どれがいいかお前が選んでいいぞ、といわれたくらいで・・・」
出口が拒んでいると
「じゃあ、女房を呼ぶぞ」という
例の脅しが始まった。
「それでも応じないでいると、許せないことに当時中学3年生の長男を呼んだんですよ。
まだ14歳の。そこで検事はこう聞いたそうですよ。お前も父親のような政治家になりたいのか?って。」
ちなみに出口を取り調べた山口和光検事は、この語、JR中央線で痴漢行為を働いたとして逮捕(不起訴)免職になっている。
小沢事件でも同様だ。新聞はこう書いている「小沢の妻も事情聴取へ」そして、小沢自身が任意の事情聴取に応じるとした途端、次のような記事が出た。
「妻の聴取、見送りへ」これらの記事にどういう意味があるのだろう。単に検察の脅しの道具に使われただけといえないだろうか?
捜索令状なし。ずさんな横暴捜査
だが、石川事務所の周辺では、記者クラブメディアが書かない、さらに驚くべき事態が発生していた。
1月13日午後4時45分、突如、議員会館の見知らぬ人物が押しかけた。
衆議院事務局議員会館課の女性職員に案内されてきたのは東京地検特捜部の
事務官ら7人である。
石川の部屋の前の廊下には記者たちが取材機会を求めて待機していた。
その目の前での出来事だった。
捜索は極めて強引であったようだ。
まずドアをノックすることもせず、会館の職員が東京地検の事務官を部屋に引き入れると、
捜索令状も見せずに、内側から勝手に鍵を閉めたのだ。
その間、捜査事務官たちは、部屋のものには手を触れないように秘書たちの行動を制限している。
約30分後、石川本人が検事と共に部屋に戻ってくるまで無断で占拠し続けたのだ。
午後5時17分、検事によってここで初めて捜索令状が示される。
そして物品の押収作業が始まった。
つまり、少なくとも30分近くの間、令状もなく国会議員の部屋が無断で東京地検に差し押さえられた、のだ。
これは違法行為ではないのか?
特捜部関係者の一人に確かめた。
「えっ?その情報は確かなの?令状を示さずに入ったってこと?
逮捕なら緊急の場合裁判所が令状を発行することがわかっていて、緊急執行という事はありえるけど。
私が知る限り、家宅捜索では聞いたことないな。
その情報、ちゃんと確認してから書いたほうがいいよ」
残念ながら事実関係は間違いない。
土本武司元最高検検事にも聞いた。
「それがもし本当なら、脱法行為です。差し押さえというのは、物の占有権が捜査側に移ること。令状なくして捜索差し押さえは出来ません。
例えば、窃盗の盗品を捜索、押収するために強制捜査の令状を取って捜索していたら覚せい剤が出てきた、というような場合でも、私は必ず捜索を一時中断して、捜査員を裁判所に行かせ、覚せい剤を押収するための令状を取りに行かせていた。
それくらい厳密な話です。ただ、特捜部の事務官がそんな違法すれすれのことするかなあ、信じられない。」
石川事務所は、部屋への入室の許可を一切出していない。
あまりに横暴で杜撰な捜査ではないか。
その杜撰さは翌朝(14日)にさらに証明される。
秘書が出勤すると、テーブルの上には前日、押収されたはずの石川本人の携帯電話がおきっぱなしになっていた。
携帯電話といえば重要証拠物品である。それを忘れるということ事態が、この捜査の杜撰さを物語っている。
念のため確認すると、押収品目録の89番目に、確かに「NTTドコモ」の同じ型番の
石川の携帯電話を「押収済み」と記してある。
秘書が弁護士を通じて正直に検察に伝えた。ところが検察の態度はさらに驚くべきものであった。
「ァ〜、じゃあ、持っていてもらえますか?」
捜索令状も示さず、無断で部屋を占拠し、その結果がこうである。
日本記者クラブメディアと違って、世界のジャーナリズムのルールでは、対立する意見がある場合は双方を取材し、両論を併記しなければならない、とある。
よって、反論は掲載すべきだと信じている筆者は、東京地検と衆議院事務局にも質問した。
衆議院事務局の広報は
「会期中で忙しい状況のため、お答えできません。衆議院会館の建物は、実質的には事務局が管理していますが、議員に割り当てられた議員の部屋は各議員や秘書などが管理しています」
東京地検特捜部の回答はこうだ。
「司法記者クラブに所属されていない週刊誌に対しては、一律してお答えしないという対応を取らせていただいております」
卑劣な脅しと脱法捜査に彩られた石川の逮捕劇。
国会開幕前を狙ったのは、堂々と逮捕許諾請求を出せないような、無理筋の案件だからではないか?
元東京地検特捜部長の宗像紀夫弁護士は言う。
「確かに、この10年ほどで政治資金規正法に対する考え方が変わってきているのは事実ですが、これが現職の国会議員の身柄を取るほどの事件かどうか。
小沢を引っ張り出すため、というのも違うでしょう。
検察の狙いは、東北地方の公共工事利権を明らかにすることなんだろうと思いますが、これ以上の成果が出ないようであれば、検察は捜査の正当性を主張するのは難しいかもしれませんね」
そもそも検察のネタ元は怪しすぎる。
別項でも触れているが、証拠隠滅工作を暴露したとされる石川議員の元秘書金沢敬についてのエピソードを一つ紹介しよう。
語るのは、金沢を知る「関係者」だ。
「実は、金沢が石川事務所をやめる前後によく一緒だったんですよ。事務所ともめて地検に駆け込んでやる、と意気込んでいた。辞める直前だったかな、突然104に電話して、「東京地検の電話番号教えてください」って言っていたのを覚えています」
金沢は地検に電話をいれ「石川と喧嘩しました。石川のことをお話したい」などと話したという。
「その後、検察から連絡がありました。金沢に引っ張り出されて検察に
会うことになったのです。」
東京や札幌で都合五回、事情を聞かれた。
「検察は、石川を逮捕したいけど、どうしたらいい、ネタはないか?ッていうような事を言っていました。」
こうして集めたネタを記者クラブメディアを通じて世間に広めているのが今の小沢捜査の実態だ。
日本の司法制度では、有罪が確定するまでは無罪である。
容疑の段階で、あたかも被疑者が悪人であるという世論を作らんがための検察からのリーク。それに便乗して無批判に報じる記者クラブメディア。
「大本営発表」の反省はどこへ行ったのだろうか?
引用終わり
_______________________________________________________________________________
2、途中出てくる鈴木宗男議員の件は、著書「汚名」より引用します。
以下引用
佐藤元秘書は中川一郎先生の時代からの秘書仲間で、先生が亡くなり、私が国会議員に選出されてからは、私の秘書になってくれた。しかし、子宮ガンが見つかり、東京逓信病院に入院することになった。年齢も66歳と高齢で、これ以上、私に付き合わせるのもどうかと思い、円満に退職してもらっていたのだ。
佐藤元秘書は、1995年頃にも乳ガンを患い、それが子宮に転移していた。手術で子宮を全摘出し、その後、他に転移しないよう放射線治療を受けるなど、大変な状況にあったのだ。
そんな佐藤を検察は逮捕し、この拘置所の独房に入れてしまったのだ。この年は記録的な猛暑で、気力体力の充実に務めている私でさえ、辟易していた。それを、大手術が終わって、たった2ヶ月の身を勾留する。しかも拘置所内の治療室には放射線治療の機材はない。このまま勾留が続けば、他に転移し、命にかかわる・・・。
私は驚いた以上に怒った。
省略
そのターゲットになったのが、病み上がりの彼女だった。いや、病み上がりだからこそ、逮捕したのだ。命が助かりたければ、検察に協力そろ、と。そして私には、彼女の命を助けたければ、検察のいう通りにいろ、と。
省略
政治資金の虚偽申告というのは、省略、単純なケアレスミスで、事務上の手続きミスだった。省略 すぐに修正し、再度、報告書を作り直せば済む話である。
省略
闘病のために事務所をやめ、引退していた。そんな相手だろうと無差別に攻撃する。
引用終わり