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■平成22年1月26日(火) 第15554号
「小沢批判」が出ない民主党こそ、問題だ
昨年話題を呼んだ村上春樹の長編小説『1Q84』は、ジョージ・オーウェルの未来小説『1984』とは逆に、現在からさかのぼって新たな過去をつむぎ出す“過去小説”であるが、山岸会のような共同体やオウム真理教をほうふつとさせるカルト集団が登場するなど、不思議なリアリティー(現実性)があり、いつのまにかぐいぐいと引き込まれてしまう。確かにこの小説のみならず、さまざまな場面で、「過去」をつかみ直す作業は、とても大切なことに違いない。
民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は23日、小沢氏を事情聴取した。聴取後の記者会見で、小沢氏は「不正な金は一切受け取っていない」と否定したものの、潔白の証明にはほど遠い印象を国民の多くは受けたはずだ。小沢氏の会見をテレビでみていると、同氏が師と仰いだ故・田中角栄元首相が昭和51年に逮捕・起訴されたロッキード事件を思い起こさずにはおれなかった。
まさに民主党の「政権交代」は、田中角栄的な「金権体質」、「恐怖政治」からの脱却を目指したはずではなかったか。それならもっと同党内部から小沢氏批判が出てきて然るべきなのに、それが聞かれないのは、どうしたことだろう。「政治とカネ」もさることながら、党内で自由に批判が出来にくい状況こそが問題である。それは民主主義の危機であるからだ。このことを同党は、認識すべきである。
「自由に批判ができるよう、『自由』民主党と改名したら」との声が上がる前に、民主党には自浄作用を発揮してもらいたいものだ。
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