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転載元:情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/d/20100125
鹿児島では記者クラブの会見が開放され、黒板協定がない〜系列化していないことが原因? 昨日(1月24日)、鹿児島大学の第5回マスコミ講座公開シンポジウム「政治は身近になったか 政権交代とマスメディア」で、「政権交代がメディアに与える影響〜権力監視機能は回復するのか」と題する基調講演をさせてもらった。放送行政の独立行政委員会の不存在、クロスオーナーシップ規制の不存在などに関する原口大臣のタイムリーな発言などに触れつつ、マスメディアの構造とそれを前提にしていかに知る権利にかなうマスメディアにするかということについて話してきた。
パネリストに地元の南日本新聞社の政経部長、南日本放送の報道部長が参加しており、雑談中に、お二方から非常に注目すべき実態を聞くことができたので、紹介したい。
まず、記者会見が開放されているということ。事前の打ち合わせで、両者が例のブログ市長の記者会見から排除されているということがパネルディスカッションで触れられることになったので、そのテーマに続いて、記者会見の閉鎖性の問題に触れてはどうかと提案した。聞いている側にすれば、ブログ市長の行為は、記者会見を閉鎖的に運用する記者クラブそのものと重なって見えると思ったからだ。
すると、お二人からは、鹿児島県庁クラブの会見は、報道目的の方であれば、基本的にだれでも参加できる、すなわち、妨害などのおそれがない限り、また、明らかに報道目的でない限り、参加を認めてきたという答えが返ってきた。記者クラブで配布される資料もクラブ以外のマスメディアが希望すれば、広報課が渡すのだという。
驚いていると、お二人はさらに、鹿児島県庁クラブには、黒板協定もないと説明し始めた。
黒板協定とは、行政が発表する予定をクラブの黒板に書き込んだ時点で、その予定については解禁されるまで(=通常発表翌日の朝刊、当日の夜のニュースあるいは翌日の朝のニュース)、報道しないという約束が成立するというものだ。明らかに、特落ち(一社だけ掲載できないこと)を避けるための「談合」で、この存在が記者会見や記者クラブの開放を妨げる原因の一つともなっている。
このマスメディアにとって、便利な制度は、官庁、行政の記者クラブのほとんどで採用されているはずだ。ところが、鹿児島県庁記者クラブにはそのような協定はなく、黒板は、単なる予定表としての意味しかないというのだ。
転勤してきた他社の記者が、黒板に掲載された事項が報道された翌日、協定破りだなどと抗議してくることがあり、黒板協定がないことを説明すると驚く…お二人はそう説明した。
いつからそうなっているのか、については、お二人は正確には知らなかったが、どうも伝統的にそうなっているようだった。
で、ここから、私の推測です。
鹿児島は、県紙南日本新聞と最大手のテレビ局南日本放送の間に資本関係がなく、ライバルとしてしのぎを削ってきたようだ。そこで、記者クラブが黒板協定のような談合が成立する馴れ合いの場ではなく、純粋に報道の拠点となったのではないだろうか。それゆえに、報道目的であれば、誰でも記者会見に参加でき、また、黒板協定が生まれなかったのではないだろうか。
つまり、鹿児島は、クロスオーナーシップがない場合に、いかに、記者クラブが健全に機能するかというモデルケースではないか、と推測したのです。
鹿児島モデル、ちょっと、調べる必要ありそうです。情報お持ちの方は、ぜひ、コメント欄に残してください。コメント欄は現在、非公開となっていますが、いただいた情報は適宜、ご紹介したいと思います。
※冒頭の画像は、講演で使ったパワーポイントより