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(回答先: 民意を受け止めなければならない鳩山首相の責任は極めて重い。 自民党執行部に必要なのは、瀬戸際に立たされている深い自覚 投稿者 愚民党 日時 2010 年 1 月 25 日 09:30:33)
「目指す政策」明確に 自民党新綱領
「綱領」はどういう政治を目指すのかを内外に示す「政党の憲法」といえる。自民党が昨年の衆院選で野党に転落してから初めての党大会を開き、新しい「綱領」を決定した。
1995年の改定綱領以来掲げてきた「小さな政府」を削除したのは「格差社会」を生んだ構造改革路線からの転換だろう。だが新しい看板となる「すべての人に公正な政策を実行する政府」という記述では、具体的にどのような政策を目指すのかが不明確だ。
谷垣禎一総裁は党大会で「党を鍛え直し、新生復活する」と強調した。民主党政権は鳩山由紀夫首相の不適切な発言や小沢一郎幹事長の政治資金問題などで支持率が急落している。健全な民主政治のために、対抗できる政党の必要性が痛感されているのが現状だ。
では自民党に政権復活の資格があるのか。まず党内で議論を尽くし、目指す政策を明確に示してもらいたい。
55年に結党した自民党は95年と、結党50周年の2005年に綱領を改定している。今回は衆院選大敗という事態を受けた3回目の大幅改定となった。ただ疑問点がいくつかある。一つは具体的にイメージできない表現が並ぶことだ。
95年の改定から盛り込んだ「小さな政府」を目指すという記述を削除し「市場原理主義でもなく、無原則な政府介入是認主義でもない」のが自民党の政策だとした。その上で「すべての人に公正な政策」を掲げた。しかし政治は対立する利害の調整が役割であり、「すべての人に公正な政策」とはどういうものか分かりにくい。
また「次世代の意思決定を損なわぬように、国債残高の減額に努める」と記述したが、財政再建を目指すのは、どの政党であれ当然のことだ。
自民党内には、小泉純一郎元首相が進めた構造改革路線を維持すべきだという声があり、一方で「配分」に重点を置いたかつての自民党路線に戻るべきだという意見もある。その議論が尽くされないために、新綱領があいまいな表現にとどまったのではないか。
民主党に対抗するように「保守主義」を繰り返し強調しているのも特徴だ。しかし「日本らしい日本の確立」「常に進歩を目指す保守」とはどういう理念なのか。漠然としすぎて分かりにくい。日本の歴史と伝統を強調する復古色の強い保守路線と、そこへのこだわりの薄いリベラル的な議員が混在する。その議論も尽くされていない。
もう一つの疑問は、この綱領は短期的な目標なのかという点だ。本来、綱領は中長期的に目指す基本理念を掲げるものではないか。だが「国民総生産を与党のみの独善的判断で再配分する社会主義的政策」「政治主導という言葉で、意に反する意見を無視する国家社会主義的統治」など民主党の姿勢を批判する表現が目立つ。谷垣総裁も党大会で「小沢独裁と戦う」と強調した。しかしこれでは野党宣言にすぎない。
先の衆院予算委員会での谷垣総裁の質問も「迫力不足」と指摘された。国会論戦などで民主党に替わりうる具体的な政策を示し、「もう一度、政権を任せてもいい」と国民の理解を得る努力を尽くしてほしい。そのためには「あいまいさ」を脱却し、目指す政策を明確にする徹底的な党内論議が求められている。
http://www.ibaraki-np.co.jp/main/ronsetu.htm