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http://mainichi.jp/select/opinion/kaneko/news/20100114dde012070029000c.html
早い話が:核密約プラス秘密工作=金子秀敏
そもそも米国はいま現在、核持ち込みに関する日米密約を守る気はないのではないか。世論の関心は密約文書のあるなしに向いているけれど、ことの核心はこちらの方だろう。
「いま現在」とは、北朝鮮が核兵器の開発を始めて以降のことだ。密約の意味が大転換した。
昨年12月、東京でジョン・アイザックス氏が講演した。オバマ米大統領に近いNPO「軍縮・核不拡散センター」の専務理事である。会場には与野党の国会議員、学者、マスコミ人が集まった。氏は、今年5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた米国の核軍縮政策を説明した。
そのなかで「米国は、日本の非核三原則(持たず、作らず、持ち込ませず)再確認を望んでいる」と述べ、こう言い出した。
「岡田(克也)外相は非核三原則を守ると言っている。しかるに日本政府高官がワシントンでどんなロビー活動をしてきたか、ご存じか? 核なき世界を目指す米国に、大きな核を持たせようと秘密裏に工作した。トマホークの退役に反対した!」
もし米国がいま日本に核兵器を持ち込むとすれば、潜水艦や駆逐艦に載せた核巡航ミサイル「トマホーク」である。だが氏によると、米国はトマホークを2013年に退役させると決めている。それなのに日本政府は、北朝鮮の核戦力に対抗するためにトマホークの退役に反対する議会工作をこっそり行ってきたという。
「このような工作は、米国の核の傘に信頼を置いていないというメッセージだ。日米関係にマイナスになる」
この「核持ち込ませ工作」は、自民党政権当時のことだ。
非核三原則は日本の国是だが、いまでは米国も望んでいる。一方、核持ち込み密約はかつては米国の都合で結ばれたが、いまや米国には無用となり、反対に日本には必要論が出てきた。
北朝鮮が核を保有した以上、日本も非核三原則を見直し、核を持ち込んでもらうべきだという論理にはそれなりに道理がある。ならば、自民党政権は堂々と国民世論に非核政策の変更を問うべきだった。
核密約を密約にしたまま、秘密工作で上塗りしようとした。その結果、米国に不信感を与えたというのだから、民主党政権で普天間飛行場の移設先が決まらないことより深刻な日米同盟の亀裂である。(専門編集委員)
毎日新聞 2010年1月14日 東京夕刊