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博士の独り言
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朝日「参政権」世論調査に思う
2010/01/19(火) 10:41:09 [メディア/意見書]
正当な調査になっていない、「朝日新聞」の調査
外国人参政権「賛成」6割 本社世論調査30・40代は7割
永住外国人に地方選挙で投票する権利を与えることに賛成する人が60%にのぼることが、16、17日に朝日新聞が実施した全国世論調査(電話)の結果わかった。「反対」との意見は29%だった。朝日新聞紙面(切り抜き)1月19日朝刊(38面)/写真は朝日新聞の同紙面より参照のため引用
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取って付けたような、「地方参政権」の設問
表題は、朝日新聞(1月19日朝刊)掲載の、「本社世論調査」の“結果”の中から、永住外国人への「地方参政権付与」に賛成、と答えた回答者が60パーセントに上った、と。数値をクローズアップして伝える記事である。
朝日新聞紙面(切り抜き)1月19日朝刊(4面)
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上記に参照する「質問と回答」の最後尾に、該当する設問がある。云く、「日本に永住している外国人が、地方選挙で投票できるようにする法案の、国会への提出が検討されています。永住外国人に地方参政権を与えることに賛成ですか。反対ですか」と。仮に、同紙面が定義している通り、「朝日RDD方式」で無作為に選んだ3628件のうち「回答が2182人」とする調査の結果であるとしても、いささかの違和感が否めない。そこで、朝日新聞に尋ねてみた。
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「知らない人々」に問うべきではない「賛」「否」
先ず、果たして、「2182人」の回答者のうち、どれだけの人々が、永住外国人に対する「地方差政権付与法案」を知っているか、との違和感があった。
筆 者: 紙面掲載の世論調査の結果を興味深く拝見した。そこでお尋ねしたいのだが、設問最後の地方参政権付与は、取って付けたような項目に映るのだが。
朝 日: といわれると?
筆 者: 内閣や政党の支持率には「世論調査」の定番であるし、鳩山氏の偽装献金や、小沢氏の資金疑惑については、御紙(おんし)をはじめ、メディアから、それなりに頻度高く報じられて来たので、一般の人々はよく知っている事柄かと思う。だが、地方参政権付与については、報道があまりにも少ないため、知らない人が多いのではないか。
朝 日: いわれてみれば、そうかもしれない。
筆 者: たとえば、御紙では、昨年11月23日朝刊の「社説」の中に示されているが、それ以外に、これといった法案の内容を記事が見当たらない。メディア全般にも謂えることだが、御紙の報道が実に少ない。こうした状況では、「地方参政権付与法案」の中身がどうなっているのか。知らないままに、回答した、という人々が多いのではないか。
朝 日: 確かに、ご指摘の通り、永住外国人への地方参政権については(朝日新聞も)あまり報道して来なかった。
筆 者: ここで、知らない一般の人々の心理を考えたい。大多数の人々に、「外国人にも親切に」、という気持ちがあるものと思う。そこへ、「参政権付与」の賛否を問われれば、「まあ、与えてもいいのではないか」、との反応が多くても不思議ではないと思う。調査というよりは、「誘導」に価してしまうと思うが。
朝 日: なるほど。その通りだと思う。正当な調査になっていないと思う。参政権付与法案を知らずに、そう聞かれたとすれば、私も「賛成」と答えてしまうかもしれない。
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中身を報道してから、行うべき「調査」
問い合わせはさらに続いた。
筆 者: 世論調査を行うとすれば、その項目について、先ず十分に報道してから一般に問うべきだ。たとえば、子供手当や暫定税率の事項ならば、頻繁に報道されているので、結果はどうあれ、確かに、「世論調査」の対象項目に出来得ると思う。だが、先ず、在るべき「知らせる」、というプロセスが、この「地方参政権付与」の項目に欠如している。これでは世論調査の「結果」にならないと思うが、いかがか。
朝 日: 個人的にご指摘の通りだと思う。担当部門にそのまま伝えたい。
筆 者: たとえば、同法案についても、基礎から分かる解説であるとか、特集記事であるとか。客観性を有する、法案の中身をそのまま読者に知らせる記事が報道には必要ではないか。
朝 日: 重要なことだと思う。担当部門にそのまま伝えたい。
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媒体が「媒体」だけに、以上が、果たして、担当部門に伝わるのか、否か、は不明であるし、過大な期待はしていない。だが、たとえ、対峙する相手であろうとも、間違っても喧嘩腰では臨まない。猫が戸を開けて、お邪魔します、くらいの余裕で臨む。それが、率直な話を聞き出し、相手もそれなりに話を聞き入れ、さらに、こちらの指摘を明朗に伝える端緒とできる。ささやかだが、これを国思う書簡、啓蒙活動の基本スタンスとしている。
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■ 主な関連記事:
・朝日「外国人選挙権」社説 2009/11/23
・報道「民主党不問」の闇 2009/10/12
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世論調査の「結果」を引用する議員がいたとしても
国会の場で、統計「結果」を引用する賛成派議員がいたとしても、である。以上の点で、正当な「調査」になっていないことを朝日新聞が認めているので、引用する方が能天気と指摘せざるを得ない。
たとえば、自ら調査せずに、また、考えもせずに、「新聞にこう書いているから」、と引用する議員がおられれば、言葉は悪いが、単なる「莫迦」と認識して差し支えない。
平成22年1月19日
博士の独り言