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北海道新聞
社説
鳩山VS谷垣 野党の「気迫」が足りぬ(1月22日)
鳩山由紀夫首相と自民党の谷垣禎一総裁との直接対決がきのう衆院予算委員会で実現した。
谷垣氏は昨年10月の臨時国会で代表質問を行った。だが一問一答形式の予算委で首相と論議を交わしたのは初めてだ。
臨時国会では党首討論が一度も開かれなかった。今国会でもまだ開催の見通しははっきりしない。であれば予算委の場で丁々発止の議論を挑む−。谷垣氏はそう考え、自ら野党質問の1番手に立ったのだろう。
その意気やよしだ。しかし、残念ながら肝心の論戦は期待外れに終わった。谷垣氏の切り込みは野党党首として迫力に欠け、内容が十分に深まったとは言えない。
谷垣氏がまず取り上げたのは、首相と民主党の小沢一郎幹事長の政治資金問題である。
首相は実母からの多額の資金提供について「天地神明に誓って全く知らなかった」と繰り返した。「もし承知していたと証明できたら辞めるか」と迫り、引責辞任の言質を取ったのは得点だった。
だがその後は独自調査に基づく新疑惑を突きつける場面もなく、慎重に答弁する首相を攻めあぐねた。
潔白を主張して検察との対決姿勢を鮮明にする小沢氏に「戦ってください」と述べたのは行政の長として不見識だ−。そう追及を受け、首相は「党の代表として同志の言葉をよしとした」と釈明した。
都合の良い立場の使い分けと言うべきだ。谷垣氏はそこを突くべきだったが二の矢は放たれなかった。
新年度予算案編成に伴うマニフェスト修正問題や、財政再建など経済・財政政策に関しても質問を繰り出したが、いずれも通り一遍だった。
谷垣氏は元財務相である。巨額の財政赤字を積み上げた自民党政権の非を率直に反省する。その上で「わが党ならこうする」と具体的な再建策を提示したならば、説得力のある議論に発展したことだろう。
谷垣自民党が実現を目指す「国のかたち」を語り、政治理念や国家ビジョンを首相と正面から論じ合うこともできたはずだ。
それこそが政権交代を踏まえた新しい国会にふさわしい論戦のあり方ではないか。旧弊を打ち破る工夫が見られなかったのは物足りない。
小沢氏は近く東京地検特捜部による任意の事情聴取に応じるという。自民党の再生を議論する党大会は24日に開かれる。野党として存在感を発揮する好機だったが、谷垣氏は生かし切れなかった。
出直しが必要だ。予算委で何度でも質問に立ち、論戦の先頭に立つ。党首討論を重ね、首相との政策論議を深める。その気迫を求めたい。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/211451.html