13. 2010年1月22日 11:51:02 http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2010/01/post-6457.html2010.01.22 海外メディアは検察を批判 売国自民党の飼い犬となって、連日、低次元のデマを垂れ流し続けてる「三流軽薄新聞」、略して「サンケイ新聞」の暴走が止まらない。「創作」も「捏造」も何でもアリの「サンケイ新聞」は、今日も、こんな爆笑記事を炸裂させちゃったのだ。 「“小沢氏の破滅”と英紙が論評 『首相は解任すべき』と助言」(サンケイ新聞) 英紙フィナンシャル・タイムズは20日付の社説で「小沢氏の破滅」と題し、1993年に政権交代を実現したものの、当時新生党代表幹事だった小沢一郎・現民主党幹事長に翻弄(ほんろう)され、9カ月という短命に終わった細川政権と同じ歴史を繰り返すべきではないと訴えた。同紙は「小沢氏が“壊し屋”として知られるのは故あってのことだ」と述べ、「選挙の神様」と呼ばれる小沢氏は先の総選挙を仕切り自民党を「破滅」に追い込んだが、今度は自らの金銭スキャンダルで民主党に「破滅」をもたらしつつあると指摘した。社説は民主党支持率がこの数カ月で70%から45%に急落したことにも言及。小沢氏には旧態依然とした金権政治の臭気がとりつき、民主党のイメージを大きく損なっているとした。そのうえで、「だからこそ、小沢氏は自らの潔白を証明するか、さもなければ政界から引退しなければならない」と、説明責任を果たさないまま政界にとどまる小沢氏を厳しく指弾した。鳩山政権についても外交では米軍普天間飛行場移設問題で同盟国の米国をいらだたせ、内政でも藤井裕久前財務相が辞任、連立を組む少数政党に金融政策を乗っ取られるなど混乱していると厳しい見方を示した。その民主党政権が延命を図るには「小沢氏の辞任か、さらに良い方法としては決断力に欠ける鳩山由紀夫首相が小沢氏を解任するしかない」と“助言”し、自民党の長期支配を終わらせ、政権交代を実現させた好機を生かすため、細川政権の轍(てつ)は絶対に踏んではならないと警鐘を鳴らしている。 http://sankei.jp.msn.com/world/europe/100120/erp1001202146006-n1.htm
この記事を書いた記者って、ホントに「フィナンシャルタイムズ」の記事を読んで、こんなふうに訳してるなら、ものすごい「創作力」の持ち主だと思った今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、この「サンケイ新聞」の記事が指してる「フィナンシャルタイムズ」の社説ってのは、19日付(ニポン時間で20日付)の「Ozawa destruction」って記事なんだけど、まず、タイトルからして大間違いだ。「Ozawa destruction」は、直訳すれば「小沢による破壊」ってことで、あくまでも、「小沢が何かを破壊する」って意味になる。たとえば、「Envirommental destruction (環境破壊)」みたいに、熟語としてなら、「destruction」がその前のものに掛かるケースもあるけど、「Ozawa destruction」なんて熟語はないんだから、この場合は「小沢が何かを破壊する」って訳すのが一般的で、「小沢自身が破滅する」って訳すなら、「Ozawa's destruction」て書いてなきゃムリがありすぎる。
で、この記事をぜんぶ読んでみると、小沢一郎がいくつもの政党を作っては壊して来たことが書かれてて、現在は、自身の問題で民主党政権が壊れそうな危機に直面してる‥‥ってふうに書かれてる。つまり、あたしの訳の通りで、ちょっとカッコイイ感じに訳すと、「小沢氏が次に壊すものは?」みたいな感じのタイトルになる。それなのに、これを「小沢氏の破滅」って訳すだなんて、この記者って、あまりにも英語力が低いのか、もしくは、あまりにも三流で軽薄な「サイケイ色」に染まりすぎちゃってんだか、どっちにしても意図が見え見えだ。 そして、何よりの問題点は、長い記事の中から、自分に都合のいい部分だけをピックアップして、偏向的に切り張りしてる点だ。たとえば、「フィナンシャルタイムズ」の記事の次の部分を見て欲しい。 (前略) The so-called “God of Elections”, now secretary-general of the party he steered to victory in last August’s lower house elections, has become a liability. The DPJ’s popularity has slumped in just a few months from a 70 per cent approval rating to 45 per cent. That is in large measure because of the whiff of scandal surrounding Mr Ozawa and the perception that the 67-year-old political warhorse is secretly running the DPJ from behind the scenes.
Prosecutors, who began their investigation into Mr Ozawa’s fund-raising operations before the DPJ swept to power, have already arrested three of his current and former aides. The prosecutors’ use of the media to leak damaging stories about Mr Ozawa is disgraceful and supports the DPJ’s claim that real power in Japan still resides with unelected bureaucrats. But, by the same token, Mr Ozawa has always been associated with the old-style money politics that the DPJ supposedly wants to banish. The stench around Mr Ozawa is damaging a party that has presented itself as clean, policy-based government. That is why Mr Ozawa must either prove his innocence or withdraw from the scene. (後略) この、最初のブロックをA、次のブロックをB、最後のブロックをCとすると、Aには「選挙の神様の異名をとる小沢氏のスキャンダルもあって、わずか数ヶ月で民主党の支持率は70%から45%まで下がってしまった」的なことが書いてある。そして、Cには「小沢氏を取り巻く臭気は、クリーンな政策を打ち出している政府に悪影響を与えている。そのため、小沢氏は、自身の潔白を証明するか、それができなければ自らが退かなくてはならない」的なことが書いてある。これが、「サンケイ新聞」の訳になると、「小沢氏には旧態依然とした金権政治の臭気がとりつき、民主党のイメージを大きく損なっているとした。そのうえで、「だからこそ、小沢氏は自らの潔白を証明するか、さもなければ政界から引退しなければならない」と、説明責任を果たさないまま政界にとどまる小沢氏を厳しく指弾した。」っていう劇画タッチになっちゃうんだけど、ま、この辺は別にいい。
あたしが問題だと思ってるのは、このAとCの真ん中にはさまってるBの部分だ。「サンケイ新聞」は、絶対に記事にしたくなかったみたいで、意図的にスルーしてるけど、あたしは、このBこそが訳すべき部分だと思う。どんなことが書いてあるかっていうと、こんなことが書かれてるのだ。 「検察は、小沢氏の資金調達の調査をするために、彼の側近3人を逮捕した。検察は、小沢氏にダメージを与えるためのストーリーを外部にリークしてメディアを利用している。これは「恥さらしな行為」であり、日本の政治の実権が、政治家ではなく官僚に握られているという民主党の主張を証明している。しかし、それと同時に、小沢氏は、民主党が排除しようとしている古い体質の金権政治に関係しているのだ。」
注目して欲しいのが、検察が外部にリークしてる内容を「damaging stories」って書いてる点だ。「アメージング・ストーリー」なら、変な顔のドラゴンが出て来る変な映画だけど、この「damaging stories」ってのは、「ダメージを与えるための作り話」って意味を持ってる。あたしは、公平性を保つために、あえて「ダメージを与えるためのストーリー」って訳したけど、「供述」とか「証言」て意味なら、普通は「story」じゃなくて「testimony」って書くハズなのだ。「story」の場合は、「創作した物語」って意味合いが強くなるから、こうした記事の場合には、普通は使わない。
つまり、この記事を書いた記者は、検察が外部にリークしてるのが、実際に容疑者が発言した供述じゃなくて、小沢一郎にダメージを与えるために検察が創作した「作り話」だって書いてるワケだ。そして、この部分をスッパリと割愛しちゃった「サンケイ新聞」は、この記事の最後に書いてある「マトメ」の一文も、ミゴトに割愛しちゃってる。 「Last year’s victory of the DPJ was a good thing for Japan. History must not be allowed to repeat itself.」
「昨年の民主党の勝利は、日本にとって良いことだった。 歴史は繰り返してはいけない。」 この最後の「マトメ」を見れば分かるように、この「フィナンシャルタイムズ」の社説は、半世紀にも及んだ自民党の金権政治や、政治家じゃなくて官僚が実権を握ってるニポンの今までの政治を批判してて、ニポンが政権交代したことを「良いこと」だって書いてるのだ。そして、小沢一郎の問題にしても、ニポンのマスコミのように、黒だと決めつけて報じてるんじゃなくて、「まだ白か黒か分からない」ってふうな書き方をしてる。一方、「サンケイ新聞」のほうは、こんなふうにマトメてる。
「その民主党政権が延命を図るには「小沢氏の辞任か、さらに良い方法としては決断力に欠ける鳩山由紀夫首相が小沢氏を解任するしかない」と“助言”し、自民党の長期支配を終わらせ、政権交代を実現させた好機を生かすため、細川政権の轍(てつ)は絶対に踏んではならないと警鐘を鳴らしている。」
「フィナンシャルタイムズ」の記事には、「解任するしかない」とは書いてないけど、たしかに「小沢氏が辞めるか、さらに良いのは、優柔不断な鳩山由紀夫首相が小沢氏を解任するという方法がある」とは書いてある。だけど、そのあとには、こんな一文が続いてる。
「こうした決断も必要だろう。鳩山氏自身の周りで起こっている政治資金スキャンダルもあるのだから。」
つまり、小沢一郎を解任することによって、「優柔不断」だと思われてる自分のマイナスイメージを払拭することは、自分も政治資金スキャンダルでダメージを受けてるハトポッポにとって、意味のあることだ‥‥って流れになってるのだ。この部分をスッポリと割愛しちゃって、何が何でも小沢一郎を辞めさせることだけが民主党の生き残りの道だみたいな切り張りをするなんて、あまりにも意図的すぎる。挙句の果てに、カンジンの「昨年の民主党の勝利は、日本にとって良いことだった」っていう結論まで割愛しちゃって、そのあとの「歴史は繰り返してはいけない」を「細川政権の轍は絶対に踏んではならないと警鐘を鳴らしている」にグレードアップしちゃうなんて、東京地検特捜部にも負けず劣らずの「創作者」だ。
‥‥そんなワケで、ずいぶんキツイ書き方をしちゃったけど、今回の「サンケイ新聞」の記事は、「サンケイ新聞」にしちゃマトモなほうだと思う。何しろ、「サンケイ新聞」の政治記者の十八番と言えば、自分が見てもいないことをあたかもその場で目撃してたかのように物語を創作しちゃうっていうウルトラCの大技だからだ。1ヶ月前にも、普天間飛行場に関するフランケン岡田とルース大使との会談の様子を「いつも温厚で知られるルース氏は、岡田克也外相と北沢俊美防衛相を前に顔を真っ赤にして大声を張り上げ、年内決着を先送りにする方針を伝えた日本側に怒りをあらわにした」ってふうに「まるで見てたかのような大ウソ」を垂れ流した。そして、フランケン岡田から、「(サンケイ新聞の記事は)まったくの創作だ。ルース大使が顔を真っ赤にしたとか、怒鳴ったなどという事実はまったくない。それ以前に、私と北沢防衛相とルース大使と通訳しかいない室内のことがなぜその場にいない記者に分かるのか」って意味のツッコミを入れられた。 ま、この辺のことは、去年の12月10日の日記、「海外の報道は正反対」に詳しく書いてるけど、この時の日記でも指摘してるように、「サンケイ新聞」のもう1つの十八番が、海外メディアの報道を自分たちの都合のいいようにワザと誤訳して伝えるっていう荒技だ。今回の記事もそうだけど、こんなことしたって、原典にあたれば「サンケイ新聞」の大ウソなんて一目瞭然なのに、悲しいかな、ニポン人の多くは、原典にあたらずに、テレビや新聞が垂れ流してる偏向報道や捏造報道をそのまま鵜呑みにしちゃう。だから、こないだの「漢方薬騒動」みたいなことが起こっちゃうワケだ。 で、今回の「フィナンシャルタイムズ」の記事で、「サンケイ新聞」が意図的に割愛した「ニポンの検察の酷さ」についてだけど、これは、海外のメディアも注目してて、「ニューヨークタイムズ」でも取り上げられてる。20日付の「Japan Stalls as Leaders Are Jolted by Old Guard」って記事で、「リーダーが旧勢力に狙われて日本は危機に直面している」って感じの意味のタイトルだ。ちなみに、この「旧勢力」ってのは、記事を読めば分かるけど、「ニポンの官僚制度と自民党」ってことになる。 この記事も、「ファイナンシャルタイムズ」とおんなじに小沢一郎の問題を取り上げつつも、全体的な論調としては、「ニポンでは半世紀ぶりにホントの政権交代が起こったのに、国民が選んだ新政権のリーダーを官僚制度という古い勢力がスキャンダルを利用して引きずり降ろそうとしてる」ってふうな書き方をしてる。そして、元検察官の郷原信郎さんの言葉を引いて、「Japan’s democracy in danger」、つまり、「ニポンの民主主義の危機」だって表現してる。つまり、海外メディアから見たニポンの今の「小沢問題」は、自民党と官僚っていう「古い勢力」が、半世紀ぶりに国民の手に戻った政治をまた奪い返そうとしてる‥‥ってふうに解釈してるってことだ。 ‥‥そんなワケで、14日の日記、「チャンスを棒に振る自民党」にも書いたように、東京地検特捜部が、普通は絶対に逮捕なんかしないような微罪で、逃げも隠れもしてない元秘書たちを3人も逮捕しちゃったもんだから、東京地検特捜部のホントの狙いが、事件の解決や解明なんかじゃなくて、国民の手に戻った政治を自分たち官僚の手に奪い返すための「鳩山内閣潰し」だってことが全世界に知れ渡っちゃったワケだ。そして、ニポンの官僚と癒着してない海外メディアは、ニポンのマスコミとは違って、正直で正確な記事を書いてるってワケだ。普天間飛行場の問題にしたって、「アメリカが怒ってる」とか「アメリカは現行案しか認めない」なんて書いてるのはニポンのマスコミだけで、アメリカのメディアは「アメリカ政府は鳩山首相の決定に従う」って報じてる。だから、わざわざお金まで払って「偏向記事」や「捏造記事」を読まされてるのがバカバカしいと思った人は、ニポンの新聞を購読するのなんかトットとやめちゃって、そのお金で美味しいものでも食べたほうが百万倍もマシだと思う今日この頃なのだ。
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