★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK78 > 208.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
北海道新聞
社説
代表質問 疑惑に首相は指導力を(1月20日)
鳩山由紀夫首相は、さぞかし不本意だったろう。
通常国会の代表質問がきのう衆院で行われた。野党が真っ先に追及したのは首相と民主党の小沢一郎幹事長の政治資金問題である。
首相は開会前、初めて編成した予算案を元に「国民の命を守る政治を実現する」と意気込んでいた。だが冒頭から与野党が激突する構図の中で、新年度予算案の年度内成立は不透明な状況になりつつある。
景気や雇用など暮らしに直結する問題で論議を深めることは、この国会に対する国民の期待でもある。論戦の舞台を整えるよう、首相に指導力の発揮を求めたい。
質問の1番手に立った自民党の大島理森幹事長は持ち時間の半分近くを政治資金問題に割いた。
偽装献金事件について「実母からの資金は何に使ったのか」と首相自身の説明を要求し、小沢氏をめぐる土地購入疑惑では「民主党が調査して説明するべきだ」と迫った。
野党として当然の姿勢だろう。
首相の答弁は納得できるものではなかった。偽装献金の使途に関しては「事件の公判が終了後、検証するよう弁護士に依頼した」と述べるにとどまり、小沢氏の疑惑でも「検察の捜査を見守る」と繰り返した。
問題は政権中枢を揺るがし、党所属の国会議員も逮捕された。国民は政治不信を募らせている。自ら率先して真相解明に努めるとの言葉が聞かれないのはどうしたことか。
昨年の臨時国会に続き、今回も民主党は衆院で代表質問を行わなかった。一方で党内に捜査情報の漏洩(ろうえい)対策チームを設け、検察のマスコミ対応を調べるのだという。
国会審議をないがしろにしながら、党を挙げて検察との対決にのめり込んでいく−。それでは国民の理解は得られないだろう。
共同通信社の世論調査で小沢氏は国会の参考人招致に応じるべきだと考える人が8割を超えた。民意と正しく向き合わねばならない。
首相は「信じるのが同志の基本」と連帯を強調するばかりでなく、小沢氏に対し積極的に説明を尽くすよう促すことが重要だ。もちろん党首討論や集中審議の場で自らの説明責任を果たすことも欠かせない。
民主党は月末にも行われる鳩山首相の施政方針演説後の代表質問には立つべきだ。疑惑や予算に対する党としての立場を明らかにすることが責務である。
経済・財政政策や外交・安保政策など、この日は脇に追いやられた感のある政策課題を与野党は早く正面から論じ合う必要がある。首相には事態を解明する気迫とリーダーシップを示してもらいたい。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/211093.html