投稿者 ヤマボウシ 日時 2010 年 1 月 20 日 12:03:30: WlgZY.vL1Urv.
転載元:情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/d/20100119
クロスオーナーシップ規制が総務大臣の正式会見で語られた日〜今日はデジタルデモクラシー生誕の日だ 2年前のちょうど同じころ、仕事の合間を縫って、「マスコミはなぜ『マスゴミ』と呼ばれるのか〜権力に縛られたメディアのシステムを俯瞰する」(現代人文社)を書きあげた。そのなかで、それまで断片的に語られることが多かった「クロスオーナーシップ」、「総務省支配=独立行政委員会の不存在」、「巨大代理店による経済的支配=一業種一社制の不存在」の3つの日本独自の制度を図解した。当初は、クロスオーナーシップってなんのこと、っていう反応も多かったけれど、今日、クロスオーナーシップ規制が原口総務大臣の口から公式会見の場で語られ(http://www.videonews.com/press-club/0804/001337.php)、ついに、大手メディアもその発言を伝えるに至った。
【原口総務相は19日の閣議後の記者会見で、新聞社による放送局への出資などメディアの「クロスオーナーシップ」について、「同一資本が一色で支配することは、言論の多様性から見て問題だ。現行ルールが十分機能しているか検討したい」と述べ、規制のあり方に関する議論を始める意向を明らかにした。
総務省は省令で、複数の放送局に出資する際の出資比率を20%未満に制限し、新聞、テレビ、ラジオを同時に傘下に置く「3事業支配」を原則、禁止している。】(読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100119-OYT1T00649.htm)
クロスオーナーシップ規制については、別に新しい概念ではなく、古くから何度も学者など日本におけるテレビと新聞の系列化(=クロスオーナーシップ)についてその問題性を指摘してきたんだけれど、現実にはテレビ局と新聞社の系列化は地方局も傘下にしつつ、さらに進む一方という状況だった。そこで、もはや、日本では、クロスオーナーシップを打破することはできないのではないかというあきらめからか、ここ最近はクロスオーナーシップについて指摘する人も少なくなっていた。しつこく言っていたのは、神保さんくらいだったと思う。
そんな悲観的な状況の下での「マスコミはなぜ〜」の発行だっただけに、多くの方に「新しい」情報として受け止められて面白いと評価され、講演などで直接、お話をすることができた方からは非常に共感を持ってもらうことができた。
ところが、いわゆる「マスゴミ」の本来の意味である「中国・韓国寄りの偏向報道機関」という用語に慣れ親しんだいわゆる「ネット右翼」にとっては、マスコミが権力に縛られているという説明がおそらく、天動説くらいのような感覚で(笑)納得がいかなかったようで、私に言わせれば的外れな批判をする者も多かった。
アマゾンの紹介ページ(http://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%80%8C%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%B4%E3%83%9F%E3%80%8D%E3%81%A8%E5%91%BC%E3%81%B0%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B%E3%83%BC%E6%A8%A9%E5%8A%9B%E3%81%AB%E7%B8%9B%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%81%AE%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E3%82%92%E4%BF%AF%E7%9E%B0%E3%81%99%E3%82%8B-%E6%97%A5%E9%9A%85-%E4%B8%80%E9%9B%84/dp/4877983716)をのぞいていただければ、書評のなかに、その種のものが紛れ込んでいるのがお分かりだと思う。
マスコミの問題だけではない。その当時は、「権力」に関する事実を直視しない言論がインターネット上を跋扈した。その理由は、おそらく、2ちゃんねるに象徴される匿名言論が可能だったからであり、それに対抗する言論を使う者も多忙などの理由から十分に対応できなったからだと思う。
しかし、ツイッターは使用開始5日目ながら、まったく違うように思える。自分が選んだ情報源(登録制)からの情報がポップアップされるシステム(関連ソフト含む)によって、まずは、匿名度合が減ったため無責任な発言がしにくくなり、かつ、多忙であっても情報が画面上に飛び込んでくるために対応しやすくなった。しかも、そのやりとりが多くのネットユーザーの前にさらされ、場合によっては加勢する意見が発信されるようになったのではないかと思う。
(この市民メディアとしてツイッターの存在は大きいと思いませんか)
その結果、単に感情的な議論が徐々に姿を消し、事実に基づいた議論がなされるようになっているのではないだろうか。
そして、事実に基づく議論が行われることによって、上記した3つの規制のために表現の自由が制約され続けてきたマスメディアによる報道内容が偏向していることが明らかとなった。
検察捜査の問題点などがあそこまで赤裸々にされたことなんてなかったよね〜。
そして、ついに、今日、原口大臣が5大マスメディアが最も触れてほしくないテーマであるクロスオーナーシップ規制について触れ、それをマスメディアが報道せざるを得ないところまで追いつめたのは、このツイッターという武器を手にした市民によるデジタルデモクラシーだったのだとしか思えない。
韓国では、ネットの発達によって、デモ現場などの生の情報がブロードバンドで伝えられたことにより、数十万人の市民がそのデモに参加することで、デジタル民主主義、デジタルデモクラシーが成し遂げられた。
日本では、町中に出て手をつなぐことはなかったが、ツイッターによって結ばれ、これまで存在しないかのように扱われてきた事実が暴きだされ、その事実を前提とした判断ができるようになったのだ。これは、まさに、静かなるデジタルデモクラシーなのではないだろうか。そして、マスコミが権力によって左右されるもっとも大きな原因の一つであるクロスオーナーシップ規制が語られた今日(2010年1月19日)こそ、日本におけるデジタルデモクラシーの生誕記念日といってよいのではないだろうか。
今日は、なんだか、ゆっくりと飲みたい気分…まだ仕事があるから、そういうわけにはいかないけれど、一人よがりなこの思い込みを、ちょっとの間、突っ込まないで見守ってやってください(笑)
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