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http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20100119/205868/?P=1
2010年度予算策定で、「米国が圧力を掛けた」と思われる「これだけの理由」(経済アナリスト 森永卓郎)
【転載開始】
【2010年度予算策定で、「米国が圧力を掛けた」と思われる「これだけの理由」】
〔森永卓郎 厳しい時代に「生き残る」には〕ブログ
経済アナリスト 森永卓郎 2010年 1月19日
1月18日、いよいよ通常国会が召集された。民主党の小沢一郎幹事長の元秘書である石川知裕・衆議院議員ら3人が逮捕されたことで、メディアは小沢報道一色となり、国会の論戦も当分は「政治とカネ」に終始することだろう。
だが、その間にも国民はデフレ不況に苦しみ、景気は二番底に向かう恐れが十分にある。
景気対策を怠っているとしか思えない2010年度予算について、民主党政権の閣僚からその本音を聞きたかったのだが、どうもそれは後回しになりそうである。
前回書いたように、補正を含めた2009年度予算の規模が102兆円であったのに対して、2010度予算の政府原案は92兆円になった。そのために、民主党のマニフェストの重要事項であるガソリン等の暫定税率廃止、高速道路の無料化も大幅に後退したのである。
私は、なぜ縮小予算になり、なぜマニフェストの重要項目を放棄しなければならなかったのか、その説明をぜひとも鳩山総理にしてほしかった。
というのも、考えれば考えるほど、その理由が分からないからだ。
もしかすると、2010年度予算の策定に当たっては、背後に大きな力が働いていたのではないか。私はそう思うようになったのである。
【「国債発行額44兆円」の縛りでマニフェストの実現が困難に】
前回の内容と重複するが、2010年度予算案と民主党マニフェストの関係を説明しておこう。
暫定税率廃止、高速道路無料化を原案通りに実現するには、予算をあと2兆5000億円上積みするだけでよかった。少ない金額ではないが、埋蔵金を活用したり、国債を増発したりすれば十分まかなえたのである。
それをしなかった原因はただ一つ。国債の発行額に44兆円という上限を定めたからだ。税収はすぐに増やすわけにはいかないので、国債発行額の上限が決まったことで、自動的に歳出の上限は決まってしまった。
44兆円という金額は、民主党の議員によれば「国債市場が吸収し得るギリギリの線」というのが表向きの理由だが、政権発足直後の民主党にそうした具体的な線が引けるはずがない。
知恵を出したのは、間違いなく財務官僚だ。
事業仕分けにおいても、脱官僚のために民主党が財務省の力を借りた、という見方がもっぱらだった。確かにそうした面は否めない。民主党が財務省に借りをつくったために、2010年度予算策定に当たっては、財政健全化を目指す財務省の言いなりになった、というストーリーには説得力がある。
【民主党は「脱官僚依存」のために「財務省依存」を選んだ】
毎日新聞では、2010年の元日に「ガバナンス・国を動かす」という大特集を組んだ。その後も連載が続けられているが、元日に掲載された「第1部・政と官 消えた急進改革人事」と題した記事に、興味深い内容が書かれていた。
それによると、民主党政権成立直後、仙石由人・行政刷新担当大臣らが中心となって、経済産業省から政府の国家公務員制度改革推進本部に出向していた古賀茂明氏を「霞が関つぶし」の中心人物に充てようとしていたという。
ところが、そのアイデア自体がつぶされてしまった。民主党ブレーンとされる人物は、次のように語っている。
「政権を取ったらすぐに予算編成に取り組まなければならないから、鳩山首相の側近、平野博文官房長官や松井孝治副長官らが『いきなり全面戦争はきつい』と判断したと思う。農林水産省や国土交通省、厚生労働省といった事業官庁に切り込むためにも、財務省とその他を分けて分割統治をしたんです」
つまり、民主党は「脱官僚依存」を進めるために、「財務省依存」を選んだというのが毎日新聞の結論であった。
実は、私がシンクタンクに在籍していた時に、この松井氏も古賀氏もお客さんとしてよく見知っている。お二人とも、いかにもこの記事の通りの人物なのである。その人物像を踏まえたうえで、この毎日新聞の記事は恐らく正しいと思う。
問題は、財務省依存が正しいのかどうかであるが、私はいいとは思わない。
ただ、財務省に依存して脱官僚を進めた借りがあるから、財務省の言いなりに44兆円の枠がはめられたというだけでは、やや理由が弱い。果たして、それだけで民主党が金科玉条としていたマニフェストの看板を下ろすだろうか。
私は、財務省以外にも民主党に圧力をかけた勢力があるのではないかと見ている。
【徐々に発言が米国寄りになってきた鳩山総理】
では、2010度予算策定に当たって、民主党に圧力をかけたのは誰か。それは米国政府ではないか。確たる証拠はもちろんないのだが、さまざまな状況証拠から見て、米国が何らかの圧力をかけたと考えると、うまく説明がつくのだ。
その第一のヒントは、2010年度予算の防衛費の伸びである。公共事業費が前年度比18%も削られるという緊縮予算の中で、防衛費は0.3%増えている。
また、普天間基地の問題に対する鳩山総理の発言も、微妙に変化をしているのが目を引く。もともと「常駐なき日米同盟」を主張していた鳩山総理は、選挙前から「沖縄県民への配慮」を前面に打ち出していた。それが、1月4日の年頭会見になると、「沖縄県民の気持ちと日米同盟双方への配慮」という言葉で、米国に譲歩する姿勢を明確にした。果たして、米国政府から直接の圧力があったかどうかは分かりようがないが、対米配慮を明らかにしたことは間違いない。
もちろん、これだけなら単なる想像の域を出ないが、もっと確度の高い状況証拠がある。
【日本の大規模な財政出動でドル暴落のリスクが増す】
米国政府の立場から考えてみよう。
米国から見て、日本にどういう予算を組まれたら困るだろうか。米国にとって最も避けてほしいのは、日本が大規模な財政出動に踏み切ることだ。なぜなら、米国はリーマンショック以降、資金供給量を2.3倍にまで増やしているからである。ドル紙幣を刷りに刷って、市場をジャブジャブにしているから、現在のドルは非常に不安定な状況になっている。しかも、米国はゼロ金利政策をとっているから、資金がいつ米国から逃げ出しても不思議ではない。
もし、ここで日本が大規模な財政出動のために国債をどんどん増発していったらどうなるか。国債価格が下落して金利が上昇する恐れがある。私はそうは思わないが、民主党が「参考にした」という市場関係者は「44兆円を超えると、その可能性が高くなる」と述べたそうだ。
果たして44兆円がデッドラインかどうかは別として、国債の発行額が増えれば、その分だけリスクが増大することは確かである。
では、国債価格が大幅に下落して金利が上がるとどうなるか。
米国はゼロ金利であるから日米の金利の差は開いていく。一方、リーマンショック以降の通貨供給量は、米国が2.3倍増であるのに対して、日本は6%しか増えていない。となると、結果は明らかだ。米国から日本に資金が移動してしまい、金融危機を克服できない米国のドルが暴落してしまうのだ。
だが、米国にとってドル暴落というシナリオだけは避けたい。だから、日本には大規模な財政出動をしてもらっては困る、というのが米国の立場なのだ。
【民主党の政策は小泉内閣時代と似てきた】
一方、2009年12月には、日本銀行がささやかながらも金融緩和に踏み切った。政府のデフレ宣言を受けて、重い腰を上げて10兆円分の資金供給を決断している。日銀が資金供給を増やす金融緩和は、少なくとも当面は、日本の金利を下げる効果を持つから、米ドル暴落につながる可能性が低い。同じ不況対策でも、これなら米国政府も安心である。
日本の不況は深刻であるから、財政政策か金融政策をとらなくてはならないが、そのどちらがいいかと米国に尋ねれば、「金融政策にしろ」と言うはずである。少なくとも、私が米国の立場ならば、そう答えるに決まっている。
このようにして見ていくと、2009年末からこれまでの民主党政権の政策は、米国にとって好ましいほうへ好ましいほうへと流れていることが分かる。果たして有形の圧力があったのか、あるいはそれとない無形の圧力があったのかは知るすべがないものの、2010年度予算にも米国の影がちらついてならないのである。
そして、よくよく考えてみると、金融緩和、財政引き締め、防衛費拡大・聖域化というのは、小泉内閣の初期にとられた政策と全く同じではないか。
仮に景気が拡大に向かっても、財政引き締めを続ける限り、「格差拡大」と評された小泉内閣時代と経済情勢も似てくるのではないだろうか。
森永卓郎(もりながたくろう)
1957年東京都生まれ。東京大学経済学部卒。日本専売公社、日本経済研究センター(出向)、経済企画庁総合計画局(出向)、三井情報開発総合研究所、三和総合研究所(現:UFJ総合研究所)を経て2007年4月独立。獨協大学経済学部教授。テレビ朝日「スーパーモーニング」コメンテーターのほか、テレビ、雑誌などで活躍。専門分野はマクロ経済学、計量経済学、労働経済、教育計画。そのほかに金融、恋愛、オタク系グッズなど、多くの分野で論評を展開している。日本人のラテン化が年来の主張。
【転載終了】
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(コメント)
これは、悪徳ペンタゴン広報日本支部(マスコミ)の洗脳謀略記事ではありません。
主権者であるわれわれは、民主党を応援して、米国従属からの独立戦争に勝利しなければなりません。
その意味においても、民主党政権に盲従するのではなく、是は是、非は非と正しく叱咤激励する必要があると思います。
われわれ主権者である国民が民主党への政権交代を選択して、負託したのです。
森永卓郎氏の慧眼に学ぶところは大いにあると思います。
東京地検特捜部は、もちろん解体する必要があります。
世論も大いに盛り上がっており、大いに結構なことと思います。
今日一番うれしかったコメントは、74歳の限界集落の婆さんからのものでした。
【違法リークに関し佐久間を刑事告発する動きも】検察が石川議員に自白を強要【世田谷通信/きっこのブログ】
http://www.asyura2.com/10/senkyo77/msg/792.html
投稿者 傍観者A 日時 2010 年 1 月 17 日
【転載開始】
コメントレビュー
2010/01/18 17:39:52 By 限界集落の婆
初めてこのブログを見てほっとしました。
新聞 テレビは今異常です。昨日からこの件に関して一切見ない事にしました。
遠い田舎の74歳の婆ですが、この一連の事件推移には恐怖を感じます。
正しい判断のできる場が必要です。
多少のカンパを寄せたいとおもいます。方法を教えて下さい
【転載終了】
(※コメントレビューです、コメント欄ではなく拍手画面です)
多くの国民の人たちがマスコミの謀略報道はおかしいと気付いています。
大いに拡散する必要があります。
しかし、東京地検特捜部狩り、魔女狩り、赤狩りに熱狂しすぎて、視野狭窄に陥ってはならない。
私も郵政民営化を叫ぶ小泉節に熱狂した一人でした。
その反省も含めて、ものごとを客観的に、冷静に、両面・多角的に見なければならないのでは、ということです。
大いに民主党を叱咤激励すればいい。
森永卓郎氏はそんなことを言いたかったのではないでしょうか。
鳩山政権、小沢幹事長、亀井大臣頑張れ!
民意は、しかと後押ししているぞ!