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2010.1.17(その4)森田実の言わねばならぬ【44】
平和・自立・調和の日本をつくるために[44]
《新・森田実の政治日誌》[月満つれば欠く・小沢政治の終焉(3)]裏切られた政権交代〈その3〉消えた「国民生活第一」主義
「政は民を養うに在り」(『書経』)
1917年のロシア革命の指導者の一人だったが、1944年にスターリンが放った刺客によって暗殺されたトロツキーの『裏切られた革命』という著書がある。スターリン治世下のロシア社会主義を批判した本である。この本のタイトルが、今日の民主党に対して使われるようになっている。2009年8月30日の政権交代は、その後の展開のなかで「裏切られた」という意味である。
最近、私は毎日のように全国各地を回っている。地方講演の際、地方の人々の声を聴く努力をつづけている。そこで、よく質問を受けることがある。最近最も多いのが、「民主党は総選挙で『国民生活第一』を公約したが、このスローガンはどうなったのですか。やめてしまったのですか」という質問である。
鳩山内閣発足以後の主たるテーマは、第一に公共事業費の大幅削減であった。平成22(2010)年度予算編成で公共事業費は18.3%削減された。鳩山首相はじめ主要閣僚と民主党指導者が叫ぶ政治スローガンは「コンクリートから人へ」である。このスローガンのもとで公共事業費の大幅削減が合理化されている。だが、公共事業費の大幅削減によって地方・地域の経済は大打撃を受け、国民生活の貧困化はさらに深刻化している。公共事業費の大幅削減は「国民生活第一」の選挙公約に反していると、地方の人々は考えている。鳩山内閣は「国民生活第一」の選挙における最大の公約が放棄されたと感じているのである。
2009年末の平成22年度予算編成における最大の眼目は「財政規律」におかれた。予算の最大の目玉が「国債枠44兆円」になり、脱デフレ・景気回復の視点は放棄された。予算編成において「国民生活第一」は無視されたのだった。
この予算編成の目玉は事業「仕分け」だった。テレビを通じて大々的に報道された「仕分け」について、マスコミは、予算編成を透明化したと評価した。マスコミは予算編成の透明化だけに注目し、高い評価を与えた。仕分け作業は鳩山内閣の支持率を押し上げた。だが、仕分け作業は財務省の財政再建至上主義のレールの上で行われた財政支出削減のための一大キャンペーンであった。仕分け班は、日本の将来にとって必要不可欠な科学技術振興費も含めて削減一本槍を貫いた。マスコミは、この削減一本槍主義を絶賛し、世論を誘導した。これが鳩山内閣の支持率を回復させた結果、「国民生活第一」主義は放棄された。(つづく)