★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK77 > 817.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
石川氏が2004年10月中旬、小沢一郎氏から現金で4億円を供与されながら、それを「故意に」記載しなかったと供述していることは、疑う余地のない事実だと思います。
ただ、「故意」と言うのが「犯意」の証明にはなりません。
なぜなら「必ず記載する義務がある」との認識がない場合、たとえ法的に義務があったとしても「過失」であり、法的な義務がないなら「問題のない行為」ですから「故意」でやっても全く構わないわけです。
問題の本質は「小沢氏から供与の現金4億円を収支報告書に記載する法的義務があるのか、それともないのか?」です。
もし、この現金4億円が土地購入の原資であった場合、間違いなく記載の義務があります。
なぜなら、陸山会が政治活動に使う資金については、収入と支出を漏れなく記載することが法律で定められているからです。
しかし、土地購入の原資が別にあり、現金4億円は資金ショートのため、一時的に立て替えられたものであったなら、それは政治活動に使われた資金ではありませんので、記載の義務も生じません。
色々な情報を見ていると、どうやら石川氏は土地購入の原資を「融資される予定だった4億円」であるとし、それが支払いに間に合わなかったため、一時的に小沢氏から4億円を立て替えてもらった…という認識だったようです。
この認識がもし正しければ、現金の4億円は「政治資金」と看做されず、記載の義務もないため「故意に記載しなかった」ことは「犯罪」になりません。
しかし地検は、石川氏の解釈が誤りであり、土地購入の原資は現金の4億円であると解釈しました。
この現金4億円は、石川氏が「故意に記載しなかった」のですから、地検のこの解釈が正しければ、これで政治資金規正法違反(不記載)が成立します。
ところがところが…です。
実はこの「現金4億円」は、政治資金収支報告書に、ちゃんと記載されていたのです。
「えっ? 石川氏本人が『不記載』を認めたんじゃなかったの?」と、びっくりされる方も多いでしょう。
その通り。石川氏は「不記載」だったと認めました。なぜなら、そう思っていたからです。
皆さんも既に、04年収支報告書に「小澤一郎より借入金:4億円」と記載されている事実はご存知ですよね。
石川氏は、これを「小沢氏名義で融資された4億円を、土地購入原資として使用したため、小沢氏よりの借入金として処理した」ことの記載だと説明しました。
つまり「借入金」は「融資」分の4億円を意味し、「現金」分の4億円は「故意の不記載(記載の必要がないと思ったから)」だと言ったわけです。
「ほら見ろ。やっぱり規正法違反は成立するじゃないか」と思われますか?
ところが違うんですよ。
ちょっとこの文章を11行ほど遡って読み直してみてください。
● 検察の解釈=土地購入の原資は現金の4億円である。 ●
つまり、検察の解釈が正しければ、「融資」分の4億円は土地購入の原資じゃない…ということになります。
であれば、「融資」分の4億円は政治資金と看做されず、借入金として処理されない限り、入金としてすら記載しなくて良いのです。
もともとが小沢氏名義で借り入れた融資金ですから、陸山会が借入金として処理しなければ、陸山会の入金になりません。
土地購入の原資が現金の4億円であり、その支払いが済んでいる以上、陸山会にとってこの融資金は「不必要な金」です。
マスコミのリーク報道で「石川氏は、融資が必要なかったと供述している模様」と言うのがありましたよね。
それをマスコミは「必要のない融資をなぜ申し込んだんだ?怪しいぞぉ〜」と煽り立てました。
でも、よくよく考えればこの供述、「陸山会にとって不要な金」って意味であり、「陸山会への入金処理(つまり借入金として記載)は必要なかった」というのが本意でしょう。
その理解を下敷きに、2004年の収支報告書をもう一度見てみましょう。
● 借入金 400,000,000 ●
● 小澤一郎 400,000,000 ●
上記理解に基づき、この記載をちょっと「注釈入り」で書き直すならば、「陸山会は土地購入資金として、小澤一郎氏より4億円を借り入れた」ということになります。
ならば、この記載が意味する入金は、小沢氏からの現金4億円でしょうか、それとも小沢氏名義で借り出された融資金の4億円でしょうか?
石川氏は後者だと供述しましたが、それは土地購入の原資が融資金の4億円だ(現金の4億円は繋ぎ資金)という理解の上での供述です。
その理解を検察が否定したからには、借入金の意味する入金がどちらの入金なのか?…についても変わってきます。
答えは明白ですよね。そう、
● 小沢氏からの現金4億円の入金が収支報告書に「借入金」として記載された●
のです。
おそらく石川氏も取り調べで「そういう理解なら、この記載は現金4億円の方を意味します」と言ったでしょうね。
でも、検察は変更後の供述をあえてリークせず、「石川氏の供述はコロコロと変わって信用できない」などと言う記事を書かせたのではないでしょうか。ちょっと空想してみます。
「さっきは『融資』分の4億円を意味すると言ったじゃないか!」
「だから、それは『融資』分の4億を土地購入の原資とした場合です」
「おいおい、お前、供述を変更するのか?」
「いえ、だから前提理解の違いなんですよ。私は『融資』分の4億が土地購入の原資だと理解していますので…」
「だったら、現金4億円の不記載は認めるんだな?」
「はい、私の理解の上では不記載です。しかし、それは記載義務の無・・・」
「もういい! 質問にだけ答えてくれ。現金4億円の不記載を認めるんだな?」
「はい…認めます」
「よし分かった。しかし土地代金は現金4億円の方で払ったんだから、これは政治資金だ。不記載は規正法違反になる。これで立件できたぞ(喜)」
「ちょっとぉ、違いますよ! なんで分かってくれないんですか?!」
石川氏は鈴木宗男氏との電話で「検察は、いくら説明しても分かってくれない」とボヤいてましたよね。
それって、こういうやり取りの事じゃないかな…と想像するわけです。
と、ここまででアップしようと思い阿修羅を開いたら、明日のジョーさんが「在野のアナリスト」さんの記事を紹介してくれていて、石川氏の逮捕容疑が「不記載」ではなく「虚偽(過少)記載」だと教えてくれました。
やっぱり検察サイドも色々と考えているようですね。
「不記載」での立件は、どう考えても無理筋だってことに気付いたのでしょう。
「虚偽(過少)記載」と言うことであれば、またロジックが変わってきますし、少しは立件の余地がありそうです。
容疑に関する詳しい発表、もしくはマスコミの解説記事を待ちたいと思います。