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長周新聞
民主の裏切りに怒り沸騰
岩国 米側の恫喝に戦斗性増す
2010年1月8日付
米軍再編が行き詰まるなか、米軍岩国基地をめぐる動きが活発化している。普天間基地移設が沖縄県民の圧倒的な反対運動によってどん詰まりに陥るなかで、民主党政府は突如、艦載機受け入れと抱き合わせであった岩国民間空港再開予算174億円とともに、愛宕山開発地を「米軍再編関連施設用地」として取得するための費用199億円を来年度予算に組み込んだ。自民党政府時期から「米軍住宅の最有力候補地」といってきた土地であり、一昨年の衆院補選、総選挙で「米軍再編の見直し」「愛宕山の米軍住宅化反対」を約束してきた民主党が公約を放り投げ、自民党政府と同じ「売り飛ばし」を率先してやっていることに市民の怒りは沸騰している。
愛宕山開発地は、「騒音解消」をたてまえにした米軍基地滑走路の沖合拡張のために埋め立て用の土砂を削り取った跡地に、国の新住宅開発法の認定を受けて、学校や病院、住宅地を建設し、「県東部の大規模ニュータウン」を建設するという名目で開発された。
だが、米軍基地の埋め立てが終わると同時に「不況のため住宅需要がない」という理由で事業は廃止。その後、米軍再編計画で2014年までに厚木から艦載機部隊の軍人と家族約4000人が移住してくることに合わせて米軍住宅地化が浮上した。意図的に財政をパンクさせて漁協合併をやり、上関原発計画、岩国基地沖合拡張など「しっかり実行」してきた二井知事だが、愛宕山開発も同様で「すべて市民を騙すシナリオだった」と市民の逆鱗に触れる結果となった。
「これ以上の郷土売り渡しは許さぬ」という市民の怒りは、衆院補選でも、総選挙でも基地容認を掲げる自民党候補を大差で叩き落とし、その後もまたたくまに11万人を超える「米軍住宅反対署名」を集める動きとなって発展。総選挙以後も「基地撤去」を掲げる沖縄県民の斗争、原発阻止でたたかう上関町民の「郷土を守れ」の思いと呼応しながら、岩国のみならず国の独立と存亡をかけた問題として一歩も引かぬ構えとなっている。
「民主党がぐらつくことくらいはじめからわかっている。相手はアメリカですよ。向こうが強気で来るのなら、わしらはそれ以上の強気で臨むしかない」。愛宕山近隣に住む自治会役員の男性は、業を煮やして米軍再編の早期決着を恫喝するアメリカ政府の姿勢を指して語気を強める。
「愛宕山を一度でも米軍用地にしたなら、いくら“日米共同施設”といったところで米軍基地と同じ。金網が張り巡らされて、“日本人は立ち入るべからず”だ。米兵はやりたい放題で犯罪の街と化すことくらい、六五年間基地と隣り合わせに生きてきた市民ははっきりわかっている。米軍の高官が“日本人は大使館に呼びつけてテーブルを叩いて脅せば、すぐにいうことを聞く”と笑って語っていたのが忘れられない。日本人は完全になめられている。ここまできたら、とことん食らいついていくしかない」と語る。
別の自治会役員も「沖縄では周辺自治体もふくめて町ぐるみ、島ぐるみで反対決議を上げてたたかっている。それに比べたら岩国はまだおとなしい。市長、議会をして“米軍再編反対”をいわせるくらいやらないといけない」と語気を強めた。
愛宕山周辺の自治会などでつくる「愛宕山を守る会」を含む「愛宕山を守る市民連絡協議会」(岡村寛代表世話人)は、昨年末、愛宕山開発地の国買収の動きを受けて鳩山首相宛に予算案からの削除を求める抗議文を提出。また、市内中に林立させている「米軍住宅はいりません」と書き出した幟旗数百本を新調するなど、市民の反対運動は全国的な独立要求、基地撤去世論との響き合いのなかで「ここからが正念場」「岩国市民の意地の見せどころ」と意気は上がっている。
そのなかで批判の的となっているのが地元選出の民主党・平岡代議士で、忘年会や新年会の席で市民にやりこめられるたびに「防衛官僚がのさばっていうことを聞かないのだ」「一議員だから権限がない」などと聞き苦しいいいわけをいっていることが話題となっている。愛宕山開発事業の中止を決める都市計画審議会では、委員の一人である民主党・加藤県議が「賛成」で挙手した経緯もふくめて、「口では反対、行動では賛成の民主党」という評価が定着しつつある。
住民の一人は、「防衛副大臣が普天間の移転候補地として岩国に視察に来たときも、平岡を通じて面会を要請したが歯牙にもかけなかった。今度は、平岡が自分が主催して防衛大臣との面接の場を設けるといっているが、民主党がここで市民を裏切るのなら次の参議院選はないと思った方がいい。もともと政府が何党だろうと基地問題で岩国が米軍に譲ることはありえない」と怒りを口にした。
川下地区の男性は、「昨年から急速にYナンバー(米軍車両)が増えている。週末には集団でタクシーに乗り込んで広島へ遊びに行く姿が目につく。門限もいつのまにか解消されて、広島でも暴行事件があったが、川下でも年末の深夜、酒に酔った米軍大尉がナイフをもって民家の屋根に上がっていた。愛宕山周辺では、小学生を竹藪に連れ込む事件があって学校やPTAからメールで通達があったが、警察はすべてもみ消して公表しない。米軍住宅ができて4000人も米兵がきたらどうなるか考えるだけでぞっとする」と近況を語る。
「沖縄で行き詰まったとたんにパッと岩国に予算がついて“普天間を岩国にもってくる気か”と話題になっている。“基地はアメリカに持って帰れ”という思いは岩国も同じだ。沖縄でも、上関でもあれだけがんばっているんだから、岩国が引き下がるわけにはいきませんよ」と意気ごみを語った。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/minsyunouragiriniikarihultutou.html