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(回答先: 特捜部の存在意義は「国策捜査」(宮台真司@TBSラジオ デイ・キャッチ) 投稿者 i^i 日時 2010 年 1 月 16 日 07:37:42)
荒川強啓:社会学者宮台真司さんがお送りするデイキャッチャッチャーズ・ボイス。今日のテーマはこちら。
「小沢氏問題で考える。東京地検特捜部の役目って何ですか?」
荒川:いまたいへんにドーンと出ている小沢さんと東京地検特捜部でありますが?
宮台真司:特捜部の存在意義は、国策捜査なんですよ。そもそも国策捜査をするためにあるんですね。それを皆さん誤解されていて、検察の国策捜査を批判されているでしょ? これはおかしいんですよ。基本的に、警察は犯罪が起こったたら容疑者を逮捕して嫌疑が濃厚であれば送検をする。送検されたらそれを検察が起訴していくということなんですよね。嫌疑が濃厚であるかどうかをもって起訴するかどうかを決めていくという建前になっているんだけれども、特捜部はそうじゃなくて、警察と同じように自分が捜査をして、しかも嫌疑が濃厚だったら立件するんじゃないんですよ、検察が“重要”だと考えたら立件するということが法律で決められているんですね。なので、一罰百戒を狙ってもかまわないし、たとえば国が向かおうとしている方向に問題があると考えるのであれば、それを正すものだけに立件をするということが許されているんですよ。
荒川:えっ? 国策捜査の国策の「くに」っていうのは何を指しているんですか?
宮台:あのこれは、検察官の、“おもいこみ”、です。
荒川:はあ?(絶句)
宮台:そこが問題なんですよ。
荒川:えっ、時の政権政党の国策、ではなく??
宮台:違います。ホリエモンを立件しちゃったりとか、村上ファンドを立件しちゃったりとか、時の政権の方向とは、つまり小泉改革的方向とは逆行していましたよね?
荒川:ほぉー。
宮台:そこが大変面白いところなんですよ。だから場合によっては政権政党、あるいは政権の内閣と対抗するような方向性を示すことがあるので大変重要なんですね。
荒川:あ、そうなんですか。
宮台:そうなんです。
荒川:てっきり法務大臣の下に置かれていて、その全ての命令系統のトップが法務大臣…
宮台:違うんです。それは違うんですよ。法務大臣が知ってるわけでもないし、特捜部っていうのは上からつぶされないように、特捜部内ですべて握ってすすめるっていうこともあるんですね。
荒川:そうだったんですか。
宮台:だから検事総長でさえ知らないっていうことだってさえあるんですよ。それが大変重要なポイントなんです。国策捜査だからいけないのではなくて、検察がやる国策捜査が“恣意的”であるかどうか。つまり“恣意性”というのもさらに吟味するとですね、検察が実際に“有能”なのかどうかということが問題なんですよ。つまり、日本の国が向かう政治、日本の国が向かう方向性を理解する力があるのかどうか。あるいは、それはよくわからないから国民の世論、ポビュリズム、人気主義的に媚びたりするところがないのかどうかというところを我々はチェックするべきなんですよ。そういう意味で言えば、鈴木宗男・。佐藤優コンビの逮捕・立件も、どうも勇み足クサかったし、ホリエモンうんぬんかんぬんの問題についても勇み足クサくて、検察の能力に非常に大きな疑問を抱いているし、そういう方々が非常に多いと思うんですね。
荒川:うん。
宮台:国策捜査は、検察特捜部の役割なので、それはそれでかまわないけれども、彼らはそれを勝手に使っているのではないか、デタラメに使っているのではないかということをチェックする役割が、我々やマスメディアにはあるんです。さ、て、小沢さんの問題ね。
荒川:うん。
宮台:僕は、大久保公設秘書の逮捕立件がどういう経緯で行われたのか知りませんけれども、検察の思惑違いが一つありましたよね。それによって民主党が選挙で負けるか、せいぜい僅差で勝つぐらいに思っていたら、選挙で大勝ちをしてしまった。それによって小沢さんに大きな権力が集中したということ。これは明らかに検察にとって見込み違いでしたよね。
荒川:うん。
宮台:そこで、三つ仮説がある。ひとつは魚住さんのように、ひとつはオール霞ヶ関対小沢一郎という対立になっているのだという説、もうひとつは、振り上げたこぶしの落としどころに困って、つっぱっている。やり始めちゃった以上負けられないという、単に意固地になっている説。
荒川:特捜部がね。
宮台:もうひとつの説があって、検察の最上層部の人事は内閣の承認案件ですから、人事を拒絶されていしまうと官僚機構にとっては大変な打撃ですから、来年度夏にかけて、承認案件を通すための取引材料として大きな札を持とうとしている可能性、これもありますよね。
荒川:えええーっ。
宮台:一番マトモなのは、魚住昭さんの仰るように、霞ヶ関の権益を守るために、“オール霞ヶ関対小沢一郎”という戦いを仕掛けているんだという考え方。これはエゴイスティックではあるけれども、それなりに大きな図柄です。国策として意味のある図柄です。否定的にせよなんにせよね。しかし、単に、振り上げちゃったこぶしの落としどころに困って、もうイッちゃえーとスロットルを踏み続けているとすれば、馬鹿げていますよね。
荒川:ちょっと待って、特捜部をまとめている親分は誰?
宮台:というふうにはなっていないでしょうね。今の特捜部はね。
荒川:なっていないの? ええーっ? なんだろう?
宮台:今の特捜部がどうなのかは知らないけれど、以前は今よりかはマトモだったと思いますよ。というのは、やることがチグハグ。マスメディアが味方につくと思って小沢一郎さんの公設秘書を逮捕したところが、9割方反検察の方に動いたというのも、おそらく見込み違い。見込み違い連発ですよね。このあたりのセンスの悪さ、国民世論の見極めの悪さ、こんなに鈍感でセンサーの狂っている連中が、日本の国の将来を考えて国策捜査をする資格があると思いますか?
荒川:ううーん。
宮台:どう考えても資格、無いよね。ただ、いずれにしてもですね、今回は、悪い意味じゃなく、国策捜査なんですよ。ただその「国策」なるものが非常にチンケ、陳腐。あるいは非常にお粗末である可能性が非常に高いところに、最大限問題があるのだということ。
荒川:違法なる国策捜査だと。
宮台:違法なるというところが問題ですね。国策捜査は国策捜査ですけれどね。
荒川:うーんなるほどねー。そうすると、何が正しくて走っているのか、なにに向かって世のため国のため民衆のためになっているのか。
宮台:基本的には政治資金規正法問題は、なんの違法性も無いということですよ。記載されているんだから。お金のデドコロは政治資金規正法上の問題ではない。小沢さんのポケットマネーだったということがわかっただけでいいわけで、ただポケットマネーがどこから出ているのかということはまったく別件。
荒川:別件ですね。
宮台:別件をあげるための別件捜査をやってるだけなんですよ。
荒川:ううーん。いやあこういう流れてあることをちょっと知っただけでも、来週以降、さらに注目ですね。社会学者宮台真司先生でした。ありがとうございました。
宮台:ありがとうございました。
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荒川強啓 デイ・キャッチ!
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デイキャッチャーズ・ボイス 金曜日 宮台真司
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TBSラジオ放送「荒川強啓 デイ・キャッチ!」
第61回 2010年01月15日 小沢氏問題で考える!東京地検特捜部の役割ってなんですか?
http://podcast.tbsradio.jp/dc/files/miyadai20100115.mp3