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2010/1/17 10:00
http://netallica.yahoo.co.jp/news/107740
小沢幹事長の土地取引疑惑をめぐり、とうとう強制捜査に踏み切った東京地検特捜部。疑惑追及に突っ走る特捜検事の陣頭指揮を執るのは、佐久間達哉特捜部長(53)だ。政界一の実力者を追い詰める男の捜査手腕には疑問符が付きまとう。
●旧長銀粉飾決算、福島県知事汚職で失態続き
「賄賂によって政治が左右される汚職事件を摘発したい」――。08年7月の就任会見で、そう意気込んでみせた佐久間部長。検察の花形ポストに座った男は、その4日後に最高裁で赤っ恥をかかされた。
「被告人らはいずれも無罪」
旧長銀の粉飾決算事件で証取法違反などに問われた大野木克信元頭取ら3人に逆転無罪判決を言い渡したのだ。特捜部が手がけた重大事件で、被告全員の無罪が確定するのは極めてマレ。検察にとって屈辱の事件の捜査の中核を担ったのは当時、主任検事だった佐久間氏だ。
「戦後最大の粉飾決算事件といわれた旧長銀事件を立件にこぎつけたことが評価され、佐久間氏は法務・検察の各主要ポストを歴任、在米大使館書記官も経験するなど順調に“赤レンガ派の超エリート街道”を歩んできました。特捜部長に就任した途端、出世のきっかけとなった事件が最高裁で覆されてしまうとは、さぞかし不名誉なことだったでしょう」(東京地検事情通)
佐久間氏の実力が問われるのは、旧長銀事件だけではない。特捜部副部長時代に手がけた佐藤栄佐久前福島県知事の収賄事件でも、“ヘタ”を打っている。
「佐久間氏ら特捜部は、贈賄側のゼネコンが、前知事の親族会社の所有地購入に支払った約8億7000万円と、時価相当額8億円との差額が賄賂に当たると主張。 1審判決では特捜部の主張が支持されましたが、2審では退けられ、前知事は懲役3年・執行猶予5年から懲役2年・猶予4年に減刑されました。特捜部の主張の根幹が崩れたことで、2審判決は“実質無罪”と評価する声もあるほどです」(司法関係者)
特捜部長就任まで佐久間氏の特捜部在籍期間は通算4 年と少ない。短期間に2度も大きなチョンボをしでかしては、手腕を疑われても当然だ。
こんな人物が特捜トップに上り詰めたのは、ひとえに上司の覚えがめでたかったからだ。特に東京地検トップの岩村修二検事正の“引き”が強いといわれている。
「岩村氏は旧長銀事件当時の特捜副部長で、佐久間氏を“将来の特捜部長”と買っていた。07年から08年にかけての防衛汚職事件では、佐久間氏の前任者の八木宏幸氏が何度も『防衛フィクサーの秋山直紀と政界ルートをワンセットで立件させろ』と迫ったのに、検察幹部はゴーサインを出さなかった。ところが、佐久間氏が就任するや、岩村氏はあっさり秋山を脱税で逮捕することを認め、佐久間氏に手柄を与えたのです」(東京地検事情通)
小沢氏に対する強引な捜査の背景には、汚名返上を期す佐久間氏の「私情」が見え隠れする。
(日刊ゲンダイ2010年1月14日掲載)
2010/1/17 10:00 更新