★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK77 > 621.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
『小沢流』の限界露呈 権限・カネ一手に
2010年1月16日 07時03分
民主党の小沢一郎幹事長の政治資金に再び捜査のメスが入った。公共工事の受注業者をも左右できる政治力を背景に建設業界から資金を集め、党内の議員に効果的に配ることでさらに権勢の基盤を固める−。かつて師事した田中角栄元首相直伝の政治手法は、政治資金の透明性を求める時代の流れの中で、限界に近づきつつある。 (竹内洋一)
小沢氏ほどカネの使い方を熟知した政治家は、現在の政界にはいないともいわれる。
昨年の衆院選に際しては、党代表、その後は代表代行として候補者の公認、党の資金配分の権限を一手に握った。小沢氏の権限とカネの使い方は、あえて言えば「差別的」で、公平性を重視した歴代の代表とは異なった。
自身を支える党役員には党の資金を多く支出し、「反小沢」と目される議員には一切、出さなかった。自身を支持するグループの議員や自ら重点区に擁立した候補者には手厚くカネを配分してきた。
独自に実施した世論調査で出遅れていた候補者には、正式な党公認を出さず、公認に伴う百万円単位の資金も渡さなかった。麻生政権下で衆院選が先延ばしになり、活動資金が底をついた新人や元職は、小沢氏の眼鏡にかなうよう必死で選挙区を回った。
小沢氏の私設秘書だった石川知裕容疑者の逮捕容疑になった土地には、小沢氏の秘書の寮が立つ。小沢氏は公設三人のほかに「秘書軍団」と呼ばれる十数人の私設秘書を抱える。私設秘書の給与はすべて小沢氏の資金で賄われていることになる。
私設秘書は、国政選挙となれば担当地域に分かれ、小沢氏が担ぎ出した候補者に張り付き、「どぶ板選挙」の指導にあたる。演説の仕方や選挙カーから有権者に手を上げる角度まで細かく手ほどきする。こうして当選した新人は「小沢チルドレン」「ガールズ」と呼ばれるようになった。
小沢氏の現在の権勢は、党執行部の権限とカネをフル稼働させた結果だ。選挙の当落は資金力と必ずしも無関係ではない。ポスターを刷るにも、私設秘書を雇うにもカネがかかる。そんな事情を知り尽くした小沢氏だからこそなせる業だった。
西松献金事件を受けて、民主党が衆院選マニフェストに掲げた企業・団体献金を全面禁止する政治資金規正法は、通常国会では実現しない状況だ。さらに、規正法は政党から政治家個人への寄付に量的制限を設けていない。政治家個人とその他の政治団体の間の資金の移動も、上限は年間五千万円と多額だ。
党の実権や資金を握る実力者が、内閣の布陣や政策決定に強い影響力を持つという政治の実態は、自民党政権時代と何ら変わっていない。
事件の焦点になっている小沢氏の資金管理団体による土地購入の原資はまだ解明されていないが、規正法の抜本改正論議は与野党を問わず政界の急務だ。
(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010011690070328.html