★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK77 > 472.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
陸山会の土地取引きに絡む「疑惑」について、報道されている情報を整理してみれば、事実関係はほぼ全貌が解明していると考えられます。
ところが、話をややこしくしているのは、「複数の4億円」なんですね。
そこで、「いったい、何がどうなっているのか、さっぱりわからん!」とぼやく多くの読者の方のために、私が分かり易く解説します。
まず、「複数の4億円」を整理しましょう。
(1)政治資金を原資とした定期預金の4億円。
これは、事実上陸山会の所有ですが名義は「陸山会代表・小澤一郎」になっています。
(2)上記の定期預金を担保として金融機関から融資を受けた4億円。
ここで、融資を受けた主体は「陸山会代表・小澤一郎」です。
(3)小沢氏が陸山会の会計担当者・石川秘書(当時)に手渡した現金の4億円
この原資は、和子夫人が用立てたものか、小沢氏が遺産相続したものか、はたまたゼネコンからの賄賂なのか、はっきりしませんが、いずれにせよ「民主党議員・小沢一郎」の自己資金です。
陸山会が秘書寮を建てる土地購入のために支払った4億円は、もともと(2)の金を充てる予定でした。
しかし陸山会では、思うように金が集まらず、支払い期日までに(1)となる4億円の定期預金を組むことができなかったようです。
そこで会計責任者の石川秘書(当時)は、代表の「小澤一郎」に相談。
「小澤」氏は、その金を「小沢一郎」がなんとかする…と石川秘書(当時)に伝え、後日自宅マンションで現金を手渡しました。
石川秘書は、その金で土地代金を支払いました。
そのまま、なんら会計処理をしなければ、陸山会は政治資金収支報告書に「小沢一郎より借り入れ4億円」と記載する必要があります。
しかし、石川秘書(当時)は、代金支払いの直後に、小沢氏の政治団体(複数)から、なんとか金をかき集め、4億円の定期預金を組んで、それを担保に「陸山会代表・小澤一郎」の名義で4億円の融資を受けました。
この金を「小澤一郎」が「小沢一郎」への返済に充てたことで、収支報告書には「小澤一郎より借り入れ4億円」が記載されることになったのです。
つまり(3)の4億円は、小沢氏の小澤氏に対する「一時立て替え金」であり、収支報告書に記載する義務は生じません。
マスコミによると「収支報告書に記載された借り入れ金は(2)であり、(3)は不記載だから、規正法違反だ」との論調ですが、(3)は短期間で借入と返済が完了している上に、借り入れ人と貸し出し人が事実上同一人物ですから、相殺して記入しないのは当然でしょう。
このように「疑惑」を、石川氏の「政治資金規正法違反(不記載)容疑」に絞って考えると、ややこしかった話が一気に単純なものとなります。
(3)は「小沢」氏が「小澤」氏に貸して、「小澤」氏が「小沢」氏に返した「個人間取引き」であり、政治資金の収支としては「陸山会」が「小澤」氏から4億円を借り入れ、秘書寮を建てる土地購入の代金として支払った…とするだけで正しい説明になっているのです。
陸山会が、土地購入代金の原資について、当初説明していた「4億円の定期預金を担保に4億円の融資を受けた」は、大筋で間違いじゃありません。
間に「小沢」氏と「小澤」氏の「個人間取引き」が挟まっているだけで、陸山会として不透明もしくは不正な収支は一切ないのです。
(3)の原資が「ゼネコンからの裏金ではないのか?」という疑惑は、政治資金規正法違反(不記載)容疑と全く関係のない、別件の「疑惑」ですから、いくら陸山会の書類に当たってみても、証拠など出ません。
証拠を探すのであれば、小沢氏の個人資産を調べるべきでしょう。
上記経緯が事実であれば、石川氏は完全に無実です。
石川氏への告発は、小沢氏の蓄財に関する「黒い部分」を洗い出すための「突破口」なのだから、事実関係はどうでも良いのだ…という人も居ますが、現実問題として、そういうわけには行きません。
法的に見て、これは明らかに「冤罪」なのですから、東京地検特捜部は石川氏への告発を取り下げるべきです。
その上で、小沢氏の蓄財に関する「黒い部分」を、きちんとした根拠を上げて、正面から捜査するのであれば、国民は検察に対して信頼を抱くでしょう。
しかし、このまま「無理筋」を強引に押し通し、石川氏を(在宅)起訴するならば、それ以降に出て来るであろう、小沢氏に関する数々の「疑惑」に対しても、国民は「検察による捏造、単なる嫌がらせに過ぎない」と理解するでしょう。
検察は「正義」を標榜するのであれば、まず「筋」を通さなければなりません。
でなければ、検察か民主主義、もしくはその両方の「崩壊」に繋がる緊急事態である…と私は見ています。