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1月11日(ブルームバーグ):日本政府は今週、企業再生支援機構に支援を要請中の日本航空について会社更生法を適用した法的整理により再建を図る方針を決定する。鳩山由紀夫首相の新政権がこれまで自民党政権下では踏み込めなかった一線を超えた形で経営難に苦しむ日航に厳しい判断を下す見通しだ。
事情に詳しい複数の関係者によると支援機構は、銀行団などの債権者や司法当局の合意を取りつけながら会社更生法に踏み切るプレパッケージ(事前調整型)事業再生を日航再建に適用する考え。関係者によると、財務省と日本政策投資銀行も支援機構の方針を支持するほか私的整理の採用を主張していた3メガバンクのみずほコーポレート銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行も最終的には政府と機構の判断に従う方針を固めた。
三菱UFJ証券の姫野良太アナリストは、法的整理が事実なら「連立与党の判断は、ポジティブだと評価できる」と述べた。姫野氏は「リーマンショックをきっかけに赤字が膨らみ、今後も赤字体質が長引く可能性が高いこともあり、与党の責任ある立場から思い切って決断する必要があると判断したのだろう」との見方を示す。さらに、日航の抜本的な再建への決断は連立政権が進める「オープンスカイ政策や観光立国推進の流れにも沿う」と付け加えた。
クレディ・スイス証券の板崎王亮リサーチアナリストは、法的整理は日航のすばやい再建に向けた最良の方法だとの見方を示す。木証券投資調査部の勇崎聡次長も、民主党主導の連立政権だから決断できることで、自民党の政権下では法的整理はできなかった」と指摘する。そのうえで、政権奪取後の「きわめて迅速な判断だ」と評価する。
日航は、政府の方針決定を受け来週にも東京地方裁判所に会社更生法の適用を申請、同時に支援機構が日航の支援表明を行う見通し。関係者によると、既に水面下では支援機構と裁判所は接触を開始している。過去例のない規模の航空会社による更生法適用申請となるため不確定要素は依然として残るため最終的にどう決まるかは現時点で予断を許さない。
勇崎氏は、法的整理の決断よりも再建させることははるかに難しく、政府と機構の最終的な評価までにはまだ見極めるポイントがいくつもあるという。今後の注目点のひとつとして、日航を上場廃止とするのかどうかに注目しているとし、廃止の場合は、飛行機の優待券を目的とした個人投資家が多い株主がその権利を失うことになるとみている。その場合は多くの人の旅行などの飛行機による移動の機会を減少させることにつながり、結果的に景況感を悪化させることにつながりかねないとの懸念を示した。
支援機構はまた、企業年金削減手続きでOBの3分の2以上の同意取り付けができない場合、同社の年金基金を解散する方針を固めた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。12日の賛否の回答期限を目前に控え日航側はOBへ最終的な説得を進める。
前原誠司国土交通相は8日、記者団に対し日航の運航維持に必要な商取引債権の保護や顧客のマイレージ保護などについて支援機構に要請している。日航再建の問題については「機構による公的整理による再生」と述べるにとどめ、今月中には最終的な結論が下されるだろうとの見通しを示している。
11日付の共同通信は、支援機構が日本航空の経営再建計画の概要として、2012年度までに人員の約3割にあたる1万5600人を削減すると報じている。また、現在の日航の債務超過額は8600億円超に達していると試算し、これを会社更生法の活用で債務を7300億円減額することに加え、支援機構が3000億円出資することで1600億円超の資産超過に転換するという。さらに日航が外部から招く予定の最高経営責任者に、京セラ名誉会長の稲盛和夫氏を充てる方向で政府と支援機構が調整していることも判明したと伝えている。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aoASX.FxzXUI