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米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、平野博文官房長官は8日、官房長官として10年ぶりに沖縄を訪問した。「官邸主導」での決着を目指す鳩山由紀夫首相の意向が背景にあり、昨年末まで交渉当事者だった岡田克也外相、北沢俊美防衛相は一歩引いた形だ。沖縄県の仲井真弘多知事は平野氏に「県外移設」を求めたが、米側はキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)に移設する現行計画が最善との立場を変えておらず、首相が「5月まで」とする結論の行方は依然不透明だ。【西田進一郎、横田愛、三森輝久】
「騒音はすごいですか」「防音対策はしていますか」。平野氏は9日昼、普天間飛行場に隣接する住宅街を歩き住民に現状を聞き、飛行場と隣り合わせる小学校の屋上にまで上った。米軍基地周辺の住宅街を閣僚が歩いて視察するのは異例。伊波洋一宜野湾市長は記者団に「官房長官が小学校まで来たのは初めてだと思う。屋上まで上がってもらえてありがたい」と語った。
「普天間は私に任せて、首相は毅然(きぜん)としていてください。自分が腹を切ります」。平野氏は4日夜、東京都内のホテルで食事を交えて会談した首相に「宣言」した。平野氏は昨年12月、移設先を検討する政府・与党の「沖縄基地問題検討委員会」委員長に就任。周辺に「米国のカウンターパートはジョーンズ大統領補佐官だ」と強い意欲を示しており、首相も8日、「大変強い意志を持って行動してくれている」と期待感を示した。
首相の普天間問題を巡る政府外のアドバイザー役にも変化が表れ始めた。これまでは「常時駐留なき安全保障」などで共鳴する寺島実郎・日本総合研究所会長をアドバイザーとしてきたが、97年前後の普天間県内移設受け入れを巡る経緯を知る岡本行夫元首相補佐官や田中均元外務審議官としばしば意見交換している。政府関係者は「あらゆる角度から検討し、最後は自分で決断するという姿勢の表れだ」と解説する。
一方、岡田氏は普天間問題を官邸に任せ、対米関係全般に取り組む考えだ。8日の記者会見では「普天間でさまざまな議論があり、日米関係は問題がないわけではないが、同盟を深める共通認識はある」と強調。自らは環境整備の役割に回る姿勢を示す。
当初最も現行計画容認に近い立場だった北沢氏は、防衛省内に現行計画に携わっていないメンバーを含む特命チームを発足させ、首相に配慮を見せる。同省の長島昭久政務官も9日、東京都内のシンポジウムで「名護市長選の結果にかかわらずこの問題は非常に困難だ」と述べ、24日投開票の名護市長選で現行計画容認姿勢の現職が再選を果たしても、現行計画の実施は困難との認識を示した。
◇地元自治体「県外」シフト 自民県連の「方針転換」受け
「県民は県外(移設)を強く望んでいる。そういう方向も含めて答えを出していただければ」。仲井真知事は平野氏との会談の冒頭で県外移設を求めた。昨年11月、岡田氏との会談で「県内では県外移設に大変な期待が盛り上がっている」と述べたのよりも強い表現だ。
知事の姿勢が変化した背景には「県内移設容認」で歩調を合わせてきた自民党県連が「県外」に方針転換した上、後援会からも「県外を明確にすべきだ」との声が出るなど支持基盤内での変化がある。県幹部は「県から辺野古移設に触れる必要はもうない。ベストである県外を要求すればいい」と強調する。
一方、米空軍嘉手納基地の地元3首長は9日、北谷(ちゃたん)町役場で平野氏と会談。嘉手納統合案を改めて拒否し、県外移設を要求した。宮城篤実(とくじつ)嘉手納町長は「県民の7割以上が県外を求めている」と迫り、「これを機会に、安全保障を沖縄に一極集中せずに全国的な議論になるよう、官房長官の立場で仕掛けてほしい」と注文した。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100110ddm002010074000c.html