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2010-01-10 10:35:40 昨年は足利事件に続いて布川事件の再審開始が決定した。再審の扉が閉ざされつつあったのが、再びその重い、重い扉が開かれ、広げられたことを新聞各紙は評価している。だがその一方で検察が無実の証拠を隠し続けてきたことを批判し、冤罪をなくすには密室でおこなわれる警察の取り調べの可視化が欠かせないことを強調している。 ============================================== ≪天声人語≫繰り返される冤罪(朝日新聞) サスペンス映画の巨匠ヒチコックには「巻き込まれ型」の筋立てが多い。善良な市民がいつの間にか事件の犯人にされていく。実話をもとにヘンリー・フォンダが主演した「間違えられた男」をご記憶の方もおられよう ▼桜井昌司さんと杉山卓男さんの2人が「間違えられた男」だったのは、ほぼ確実なことらしい。42年前に茨城で男性が殺された「布川(ふかわ)事件」で、有罪になった両人の再審が決まった。ともに29年拘束され仮釈放されている。失われたものはあまりに大きい ▼はなから犯人扱いされ、朝から晩まで「自白しろ」と言われ続けたそうだ。自白に転じる一押(ひとお)しはうそ発見器だったと桜井さんは言う。公平な機械にすがる思いだったが、取調官に「すべてうそと出た」と言われ、耐えていた心が折れた ▼「最初の『やりました』という一言が、取り調べの山である」と、冤罪事件に連座した経験のある評論家の青地晨(しん)が書いている。「あとは際限ない自己崩壊が続き、完全に係官のロボットになる」と。密室の恐ろしさである ▼菅家利和さんの「足利事件」も自白の強要と偏重が根っこにあった。さらに今回、検察は2人に有利な目撃証言などを伏せてもいた。正義と公正を欠いた司法権力は野に放たれた虎にも等しい ▼ヒチコックの映画にはハッピーエンドが多いが、冒頭のはそうでもない。主人公の嫌疑は晴れるが、ショックで心を病んだ妻は元に戻らない。失われたものの象徴だろう。当時20歳だった桜井さんと21歳だった杉山さんは、いま62歳と63歳になっている。 布川事件再審 繰り返された自白偏重の捜査(12月17日付・読売社説) > 証拠を一手に握っているのは検察側だ。証拠を意図的に出さなかったり、テープを改ざんしたりしては、公正な裁判は望めない。 ----------------------------------- > 裁判員裁判で、裁判員は法廷に出された証拠に基づいて判断する。検察官の恣意(しい)的な判断で被告に有利な証拠が隠されたのでは、正当な審理はできない。証拠開示のあり方もさらに見直しが必要ではないか。 > 少なくとも殺人のような重大事件や再審では全面開示を義務付けるべきだ。 ----------------------------------- > 冤罪を防ぐためにも、全面可視化を急ぎたい。都合のいいところだけをつなぎ合わせることができる一部可視化ではかえって、信頼度が低下することも考えられる。法務・検察当局の決断が待たれる。 ----------------------------------- >足利事件に続き、自白の信用性―取り調べの信頼性が崩れたことに強い不信感を抱かざるを得ない。取り調べ全過程の録音・録画(全面可視化)の必要性をあらためて強調しておきたい。 ----------------------------------- >無実の人を罰するのは重大な不正義だが、真犯人を取り逃がす意味でも不正義だ。「疑わしきは被告人の利益に」の原則を徹底したい。名張毒ぶどう酒事件など再審を求める事件はいくつもある。冤罪が潜んでいないか、総点検することが司法の信頼を高める。
http://ameblo.jp/warm-heart/entry-10430931594.html から転載。
gataro-cloneの投稿
冤罪の温床=密室での取り調べ 冤罪に終始を打つには取り調べの可視化と証拠の全面開示が欠かせない
テーマ:人権侵害/冤罪
2009.12.17 東京朝刊 1頁 1総合 (全643字)
朝日新聞社
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