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【1月9日、東京発】前回の1回目は、多くの方から反響をいただいた。日本のネットでは変わらず政治的な議論が活発であり、つい最近では、朝日・読売・毎日(と同じ系列のテレビ局)などの日本の主要メディアが一斉に報じた民主党小沢幹事長の「違法資金疑惑」について、事実と違う報道が行われていたことがネットで明らかになっている。
「不記載」と報道されていたものが、実際には「小沢」ではなく「小澤」名で「記載」されていたのだ。総務省のページには、該当する陸山会の収支報告書が残っている。実際問題として、小沢氏に関する主要紙の記事を本紙記者が読んでも、何が問題なのか疑問に思うことがほとんどである。通常の手続きとして当たり前のことが、あたかも異常なことのように表現されている。また、本来守秘義務で公開されてはならない情報が「関係者」という名で表に出てくることも重大問題として指摘されている。
このように国内問題については活発な意見がネット上で交換されているにもかかわらず、国際問題については、依然として情報が貧困である。これは、日本に配信されてくる情報がほぼ米国系のAPやロイターなどの通信社に占められおり、そのことを前提にしてニュースを読むという習慣がないためと思われる。つまり、国際ニュースといっても、日本国民に届けられている国際ニュースは米国から見える国際ニュースなのだ。議論する場合も、この前提を見落としてはならないだろう。
例えば、当初は大々的に報道されていたことでも、事態が芳しい方向に進まないと、まったく目に付かなくなることが普通であり、その顕著な例がイラクの石油に見られる。
イラクの石油については、日本のネット世界でも、結局、米英石油資本がイラクの石油契約を手にしたのだろうと思っている人がいる。実際、バグダッド陥落後、ブッシュ政権の閣僚は「血を流した国が戦後復興の主導的役割を果たすのは当然」と述べ、新しいイラク石油法までつくり、イラクの石油に触手を伸ばしていた。ニュースを追っていなければ、その認識で止まっているのも当然かもしれない。
しかし、次の記事で明らかなように、昨年末に発表されたイラクの契約先企業には、ブッシュ政権時代のイラクの新石油法の作成に関わったとされている米英石油資本群は、ほとんど入っていない。むしろ、イラク攻撃に反対した、あるいは協力的でなかった、中国石油天然ガス集団(CNPC)や仏トタルの企業連合、ロシア国営の天然ガス会社ガスプロムの石油部門、ガスプロム・ネフチが契約している。
イラク石油省:落札された油田開発権、年内にすべて基本契約調印へ
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920021&sid=aO.RO4nQwgK8
また、それ以前に、イラク国民の反米・反占領意識は非常に高く、イラク政治家が親米と見なされることは、政治的な死を意味すると言っていいのが実情である。そうでなければ、沖縄の琉球新報も伝える、米軍との地位協定は成立しなかっただろう。
米イラク地位協定 力強く平和への一歩を
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-139293-storytopic-11.html
日本の主要メディアの報道だけを見ていると、大多数の日本国民は、このような米国の力の決定的とも言える弱体化を明確には認識できないかもしれない。しかし、これが世界の大きな流れであることは、間違いない。日本のネット世界も、普天間問題ばかりでなく、こうした国際的な問題についても新しい視点を持ち、議論を深めていくことが期待される。【ウッソー通信】
「今、日本のネット世界では...」
http://ootw-corner.asablo.jp/blog/2009/12/24/4774956