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菅直人副総理 財務省就任で政権体制は盤石に(植草一秀の『知られざる真実』)
http://www.asyura2.com/10/senkyo77/msg/166.html
投稿者 純一 日時 2010 年 1 月 08 日 17:53:45: MazZZFZM0AbbM
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-93fa.html


藤井裕久財務大臣が健康上の理由で財務相を辞任したいとの意向を示した問題で、鳩山総理大臣は藤井財務相の辞任を認め、後任に菅直人副総理を充てる人事を決めた。極めて迅速な意思決定が示された。菅直人副総理が任じていた国家戦略相は仙谷由人行政刷新相が兼務することになった。


私は昨日、


「藤井財務相辞意表明に鳩山首相が示すべき方針」


と題する記事を掲載し、藤井裕久財務相の後任には菅直人副総理を起用するべきであるとの見解を示した。バランスのとれた人事が決定されたことを歓迎したい。


 偏向傾向が一向に是正されない日本経済新聞は、


「藤井氏辞任、政権運営に打撃 後任財務相に菅副総理」


の見出しで鳩山政権財務相交代を伝えている。


 藤井財務相は健康問題が理由で財務相を辞任するのである。スキャンダルにまみれて辞任するわけではない。
通常国会が開会する前、時間的な余裕のあるタイミングで辞任し、後任が決定されるのである。通常国会が開会してから、突然財務相が辞任するなら「政権運営に打撃」の見出しもうなずけるが、このタイミングでの辞任は、政権運営への影響を最小にとどめようとの配慮の表れである。


 菅直人副総理は国家戦略相の地位に就いていたが、国会戦略局の体制が法的に裏付けられていないなど、力量を十分に発揮しにくい状況にあった。また、行政刷新相と国家戦略相の役割分担が必ずしも明確でなく、予算内容の見直し、行政機構の刷新などについて、二つの役職の分担が分かりにくかった。


 今回の人事で、仙谷由人行政刷新相が国家戦略相を兼務することになり、これまでの問題が解消されることになる。菅直人副総理は経済財政政策担当相も兼務しており、経済情勢分析、経済政策立案の総責任者になることが明確になったわけで、内閣閣僚の役割分担はこれまでよりも明確になったと言える。


私は鳩山政権の課題について、


@官僚主権政治からの脱却


A政治権力と大資本の癒着解消


B対米隷属からの脱却


C市場原理主義を排しセーフティネットを整備


D郵政改革の実現


の五つを提示してきた。


@官僚主権政治からの脱却、において、最大のターゲットになるのは財務省、検察、警察、裁判所である。藤井裕久財務相は大蔵官僚出身であるだけに、どうしても「情」の部分で財務省の意向を忖度(そんたく)してしまう嫌いが否定できなかった。


鳩山政権閣僚のなかで、もっとも明確に「霞が関主導からの脱却」、「脱官僚」の方針を示してきたのが菅直人副総理であり、この意味で、菅直人副総理の財務相就任は最適人事であると評価できる。


財務省は菅直人副総理の財務相就任を最も嫌ったと考えられる。財務省が影響力を行使して、マスメディア報道では、野田佳彦財務副大臣、仙谷由人行政刷新相の財務相就任が誘導された形跡が色濃い。鳩山首相はこうした誘導をはね返して菅直人副総理の財務相就任を決定した。


マスメディアと霞が関守旧派勢力が結託して鳩山政権攻撃を継続している。小沢一郎民主党幹事長の政治資金をめぐる検察の行動は常軌を逸しているとしか言いようがない。

自民党議員の政治資金に巨大な闇が厳然と存在しているにもかかわらず、自民党議員の巨悪にはまったく関心を示さない。


「守旧派勢力=悪徳ペンタゴン」の一角を占める大資本は「カネ」の力でマスメディアを支配して鳩山政権総攻撃を応援している。悪徳ペンタゴン中核の米国が一連の鳩山政権攻撃の黒幕であることは言うまでもない。


2010年夏の参議院選挙が「主権者国民と悪徳ペンタゴンの最終決戦」になる。各種の鳩山政権攻撃は、この最終決戦の序盤戦がすでに開始されていることの明確な表れである。


今回の鳩山政権人事は不幸中の幸いであると評価するべきである。鳩山政権発足時の問題点が今回の人事で解消された面が大きいのである。

藤井裕久財務相の存在が極めて大きかったことは事実だが、菅直人副総理は財務相に就任して、本来の力量を発揮する舞台を獲得できる。


警戒しなければならないのは、菅直人新財務相が近視眼的な財政収支均衡化政策に傾くことである。菅直人財務相は2009年度第2次補正予算編成に際して、財政収支への配慮を色濃く示した。財政収支の改善は中期的に極めて重要な課題であるが、短期的には景気回復策と矛盾を来す。


まずは景気回復に軸足を定めて、景気回復に全力を注ぐことが何よりも重要である。鳩山内閣としてこの基本方針を明確に定めることが極めて重要である。
「景気と財政の両睨み」は「二兎を追う政策」の典型であり、最悪の結果を招く。


『金利・為替・株価特報』は本年1月上旬号が第100号になる。ご購読読者の皆様に心より感謝を申し上げる。第100号の発行日を1月12日とさせていただくことをお伝え申し上げておきたい。


この『金利・為替・株価特報』第100号に鳩山政権の政策課題を特集して記述する。より多くの皆様のご購読をお願い申し上げる。鳩山政権与党の120名を上回る国会議員の手元に本レポートが届けられている。今後の政策運営に十分活用していただきたいと考える。


「景気」、「基地」、「カネ」が鳩山政権の直面する三大課題であるとされている。「カネ」に関連するマスメディアと検察の激しい攻撃が展開されているが、既述したようにこれは「最終決戦」の一部である。

この「最終決戦」に主権者国民は必ず勝利しなければならない。あらゆる政権攻撃が「最終決戦」の一部であるとの本質を見落とさず、冷静に報道を見つめる習慣を身につけることが重要だ。

 

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