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米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、普天間を拠点とするヘリコプターの訓練の一部を同県内の離島に移転したうえで、普天間の継続使用を容認する案が30日、鳩山政権内で浮上した。住宅密集地にある普天間の危険軽減策を米側に求め、県外・国外移設を主張する沖縄県民の理解も得るという考え。訓練移転先には、伊江島(同県伊江村)や下地島(同県宮古島市)が検討されている。
こうした案が浮上した背景には、2006年の日米合意に基づく同県名護市辺野古への移設は実現が難しく、民主党の小沢一郎幹事長も難色を示していることや、期限とする来年5月までに新たな移設先を決められる見通しが低いことがある。日米合意の早期履行を求める米側も、普天間の継続使用なら受け入れる可能性がある。
伊江、下地両島について、北沢俊美防衛相は30日、「地理的な問題やキャパシティー(受け入れ能力)の問題がある」と述べ、普天間移設先としては難点があると指摘。一方で「どういう役割をそういう島が担えるかだ」として、訓練移転先にはなり得るとの考えを示した。県外・国外移設を主張する社民党の福島瑞穂党首も同日、「提案が出ているわけだから、それも含めて検討する」と語った。
連立3党幹部が集まった29日夜の会合で、小沢氏は「きれいな海を埋め立ててはだめだ」と辺野古移設に否定的な考えを改めて表明。関係者によると、その際、小沢氏は下地島に言及。「何とでもなる」とも述べ、移転に前向きの姿勢をみせたという。
伊江島は沖縄本島北部の西側にあり、海兵隊の訓練施設として使われている伊江島補助飛行場がある。沖縄本島から南西約300キロの下地島には3千メートルの滑走路を持つ下地島空港があり、航空会社の離着陸訓練場として利用されている。いずれも過去に普天間移設先として検討されたが、地元の反対などで断念した経緯がある。訓練移転が受け入れられるかどうかは、今後の地元との協議次第になる。
(以下省略)
http://www.asahi.com/politics/update/1230/TKY200912300304.html