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【2009年12月29日、東京発】普天間基地移設問題に関わる日本国内の議論で何より異様に思うのは、日本が自国の国防をどうしたいのか、アジア地域の安定をどう考えているのか、まるで分からないことではないだろうか。これは見直し賛成派、反対派のどちらも共通している。もちろん、鳩山政権もこれに含まれる
日本は第二次大戦の時の過去もあり、中国や朝鮮、また共産主義国旧ソ連を敵国として想定していた。だからこそ、平和憲法の下、自衛隊があるとはいえ、米軍の駐留を必要と説明されてきた。しかし、そんな時代はとうの昔に終わっている。今や、日本の最大貿易相手国は数年前から中国であり、これからの日本は中国なしには考えられないだろう。では、北朝鮮?
日本の鳥取県程度の国力しかない北朝鮮を真面目な顔をして取り上げたら、笑われるかもしれない。おまけに、エネルギーを中国に頼っている北朝鮮が、中国を無視して、あるいは意に反して何かをすると考えるのは、常識外れというものだろう。表向きはいろいろなことが報道されるかもしれないが、北朝鮮の生命維持装置は中国がしっかりと握っていると考えるのが常識的な線である。
では、日本は国防として何をしたいんだろうか。何をしたいかによって、米軍の必要性、必要となる規模、装備は違ってくる。あるいは、現在の自衛隊だけで、まったく米軍を必要としないかもしれない。これも何をしたいかによって変わってくるが、何か目的、目標があるとして、最低限の国防の上で、どの程度の兵力、軍備が必要か、自衛隊幹部と議論した様子もない。
日本は実に不思議な国だと思う。自国を守る上で最低限何が必要かの議論もなしに、ただ米軍基地移転が話題として沸騰している。イラク、そしてアフガニスタンの米軍の駐留理由の一つが「自国を守れる軍を育てる」というのは、日本にとって何とも皮肉な話かもしれない。米国から見ると、戦後50年になっても、米軍が育てた自衛隊というのは「自国を守れる軍」ではないということなのだろう。【ウッソー通信】
「普天間基地移転問題」あれこれ(1) (更新)
http://ootw-corner.asablo.jp/blog/2009/12/29/4783272