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2009/12/28 10:00
http://netallica.yahoo.co.jp/news/105616
●大新聞はなぜ報道しない
藤崎駐米大使の“呼び出しデッチ上げ事件”が奇々怪々の展開になってきた。普天間移設を巡り、クリントン国務長官に呼びつけられた、異例のことだ、と藤崎が騒いだ一件である。本当ならば、米側の怒りも相当なのだろうが、この話が報道されると、米側は「大使の方から会いに来たのだ」と“呼び出し報道”を全否定。当然、今度は藤崎の“自作自演”が問題になると思いきや……岡田外相は何も言わないし、大新聞も沈黙なのだ。裏に何があるのか。
クリントン国務長官と藤崎駐米大使が会ったのは今月21日。藤崎は「長官側から連絡があった」「めったにないこと」「重く受け止める」と騒いだ。
「クリントン国務長官は17日にコペンハーゲンで行われたCOP15の晩餐会で鳩山首相と隣り合わせになった。このとき、鳩山首相が普天間移設問題の解決には時間がかかることを説明したところ、長官が『よくわかった』と答えたと報じられた。長官は非公式会談の話がメディアに漏れたことに怒っていて、釘を刺す目的で大使と話したかったのは明らかです」(国際ジャーナリスト・歳川隆雄氏)
ま、こういうことは外交上よくある。しかし、脱官僚依存の鳩山政権を面白く思っていない外務省は、ここぞとばかりに「呼び出し事件」を騒いだ。そうすることで、暗に鳩山軽率外交をなじり、普天間も現行案に戻させる。そんな狙いがあったのはミエミエだ。
しかし、米側のスポークスマンは22日、「藤崎大使は長官から呼ばれたのではない。彼の方から会いに来たのだ」と明言。藤崎の大騒ぎは、思いっきり冷や水を浴びせられたのである。
「もし、藤崎大使がウソまでついて米側の怒りを過剰演出したのだとしたら、大問題。更迭されてもおかしくない」(外交事情通)という話だが、奇っ怪なことに、岡田外相は沈黙している。大新聞も全然、書かない。どう考えてもおかしいのだ。
元AP通信の記者でビデオジャーナリストの神保哲生氏は「米スポークスマンは、藤崎大使がクリントンのところにstop by(立ち寄った)という言い方をした。つまり、米側は呼んだわけでなく、たまたま来たのだという言い方なんですね。これも常識ではあり得ない話で、米側にしてみれば、居丈高に呼んだのではないと言いたかったのでしょう」と言う。
この辺が真相かもしれないが、それにしたって、藤崎の言い方は米が驚いて否定するほど“大げさ”だったことになる。それが現政権の外交政策を後押しするためであるならいざ知らず、足を引っ張る言動だったことが大問題なのである。
大新聞が真相を報じないのは、こちらも普天間問題では完全に反鳩山、親米だからだ。亀井金融大臣は会見でこう言ったことがある。
「日刊紙は国益を損なうことばかり書いている。1周遅れなんだよ。アメリカの機嫌を損ねたら大変だと。何か事が起こると。そんなことがあるはずがない。一体、君たちはどこにおるのかと言いたい」
この言葉を藤崎にも贈りたい。
(日刊ゲンダイ2009年12月25日掲載)
2009/12/28 10:00 更新