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http://www.news.janjan.jp/media/0912/0912244734/1.php
沖縄の米軍普天間基地移設問題をめぐって、22日に主要メディアがクリントン米国務長官が国務省に藤崎一郎駐米大使を呼びつけたとする内容を一斉に報じた。しかし、これは呼びつけたのではなく、「立ち寄った」だけであった可能性が高くなった。
主要メディアはこの出来事が日米関係をぎくしゃくさせている一端と分析したが、意図的な「呼びつけ報道」は国内世論をミスリードしかねない誤報である。
毎日jpの22日の記事によると「クリントン米国務長官は21日、国務省に藤崎一郎駐米大使を急きょ呼び、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題に関する考えを伝えた。
クリントン氏は日米合意計画が望ましいとの米側の立場に変わりがないことを改めて強調し、両国関係に深刻な影響を及ぼさないよう早期の受け入れを促した。
大使を突然、国務省に呼び出すのは極めて異例。鳩山政権の移設先決定の先延ばし方針について、米側が懸念を持っていることを裏付けたものといえる」とした。
他のメディアも類似の報道内容だ。「クリントン米国務長官が21日、藤崎一郎駐米大使を国務省に呼び出すという異例の対応に出た。しかもこの日、国務省など連邦政府は、記録的な豪雪の影響で臨時閉庁となっていた。
今回の「事件」は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で日米合意の見直しを模索する鳩山政権に対する米側の憤りを、いっそう印象づけている」(MSN産経ニュース)、「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題は、クリントン米国務長官が藤崎一郎駐米大使を呼び付ける異例の展開になった。
鳩山由紀夫首相は先のデンマーク訪問時にクリントン氏に決着の先送りと新たな移設先を検討する方針を伝え、『基本的に理解いただいた』はずだった。日米間には、首脳級の意思疎通にさえ不安のあることが浮き彫りになった」(東京新聞)。
しかし、TBSが23日、「普天間移設問題をめぐり、藤崎駐米大使が21日にアメリカのクリントン国務長官に呼ばれ、会談したと話しましたが、これについてアメリカ側は、『大使は呼ばれたのではなく、国務省に立ち寄った』と説明しました」と呼び出しを否定する報道を行った。
「呼び出し」と「立ち寄り」では大きな違いがある。まして米国務長官が大使を呼び出すのが「異例」なら、米側が普天間基地移設について、強い懸念を抱いていることを予測させるが、大使側が「立ち寄った」のなら、日本側が立場を説明するのであり、大きな違いがあるのだ。
日米関係をめぐって主要メディアはこのところ、関係の悪化を盛んに強調しているが、米側はさほど懸念を抱いていない可能性もある。そもそも普天間問題についても、米国が沖縄の海兵隊のほとんどをグアムに移転しようとしていると指摘する見解もある。
国際ニュース報道の定評がある「田中宇の国際ニュース解説」によると、「沖縄の海兵隊は米国のグアム島に移転する計画を進めている。
日本のマスコミや国会では『沖縄からグアムに移転するのは、海兵隊の司令部が中心であり、ヘリコプター部隊や地上戦闘部隊などの実戦部隊は沖縄に残る』という説明がなされてきた。
しかし伊波市長ら宜野湾市役所の人々が調べたところ、司令部だけでなく、実戦部隊の大半や補給部隊など兵站部門まで、沖縄海兵隊のほとんどすべてを2014年までにグアム島に移転する計画を米軍がすでに実施していることがわかった」という。
これが正確な分析なら、普天間基地の移設先についても争う必要はないのだ。
米国の思惑通りにグアムに全面移転すればいいだけの話だ。これならば多くの沖縄県民の願いと、社民党が要求する国外・沖縄県外移設もかなうことになる。
難しいのは米国がこうした計画を公式に認めてしまえば、日本が米国に大サービスしようとしている「思いやり予算」を存分にせしめることが出来なくなるからではないか。
主要メディアは国民にもっと正確な情報を伝えるべきだ。少なくとも少し他のニュースサイトや専門家のブログを参照するだけでも、多角的な見方をすることができるはずだ。外務省のプロパガンダに乗せられることがあってはならない。