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検察庁の裏金問題を知り驚いた。これほど酷いとは思っていなかった。
それを知っているマスコミは何故真実を報道しないのだろうか。裏金だけではない。それを内部告発した同僚を検察権力で逮捕し、別件の罪で起訴することで罪人として社会から葬り去るとは恐ろしい。
古川利明氏の『日本の裏金』(12−13頁)によると、裏金を「調活費」と呼び、それを使って「検事正が毎晩のように高級クラブで飲み歩き、ゴルフ三昧」の実態を赤裸々に述べている。そもそも検察の裏金の源泉は何か、国民の血税ではないのか。それでも犯罪にならないのか。小生には分からない。同じようなことが、青木理氏も『国策捜査』において、「一晩の飲食に40万円の裏ガネ」という見出しで、検察の裏金問題に言及している。
三井環氏(元大阪高検の公安部長)のHP(「裏金問題の口封じの異常性」)を読むと、「検察当局が被告人に対する情報収集を継続しているうちに、裏金問題および加納検事問題のこれ以上の公表を恐れる検察当局にとって、放置することのできない事態が発生した。それは、上述したように、被告人が実名を明らかにして裏金・加納問題の真相を公表することを決意し、平成14年4月初めから、検察審査会において自ら証人となる申請がなされ、マスコミと頻繁に接触する等、その実行に着手し、それを検察当局がキャッチしたことであった」、と記している。
検察庁の組織的裏金づくりに対する内部(現職の高検公安部長)から告発を試みようとしていたことを察知した検察庁による逮捕だったとありますが、「内部告発」を封ずることは「国家機密漏えい」を未然に防ぐという国家の機能として適法なのかどうか、小生には判断できない。三井氏が何故実名による内部告発を行う決意をしたのか、すでに掲げた青木理著『国策捜査』から、三井氏の言い分を引用してみよう。
三井氏は、「検察の裏ガネ問題というのは、検査内部では周知の事実だったんです。それを告発しようと決意したのは、最初は(三井氏自身の人事などをめぐる)私憤でした。しかし、間もなく義憤へと変わっていった。私に対する捜査は誰が考えてもデタラメそのものであり、組織の犯罪を隠蔽するために逮捕権を乱用した最悪の捜査でした」、と言っている。
では、検察がどう言う罪状で三井逮捕に踏み切ったのだろうか。この逮捕は、前回も触れたように、「三井環公安部長がテレビ朝日のザ・スクープの取材に応じ、実名で検察上層部の組織ぐるみの「活動調査費横領疑惑」について内部告発しようとしていた。困った検察庁は取材当日の2002年4月22日、鳥越氏と待ち合わせていた時間の3時間前に逮捕した。マスコミは、「口封じ」のための逮捕であると分かっていたが、検察の言う逮捕容疑の事由は、「電磁的公正証書原本不実記載、同共用、詐欺、そして公務員職権濫用の罪」(古川利明著『日本の裏金(下)』59ページ)、ということだ。
「自分の買ったマンションに住民票を移したことが「犯罪」となり、逮捕にまで至ったというのであるから恐ろしいことなのだ。三井氏が買ったマンションは神戸市中央区の物件で、神戸地裁の競売物件、所有者は暴力団関係者だった。「マンションの所有者は退去済みで空き室」と、神戸地裁の「現況調査報告書」に書かれてあったと三井氏は主張した。そうしたもめごとのいわくありげの競売物件の売買に関わっていたことが、逮捕の口実になったようだ。
小生は、なぜ現職の検事がそうした物件を入手するような行動をしたのか、その心理がわからない。三井氏には、子息が通学するのに便利だから買ったそうだが、それにしても考えさせられる行為だ。古川氏が『前掲書』144ページで書いていることだが、ローンの支払いが収入を上回っていたが、16件もの不動産を所有して賃貸をしていたのには市民感情としては驚きである。高検の公安部長検事という職責を全うする立場にある公務員、公僕の立場を考えると三井氏の行動パターンには解せない点がある。
それはプライベートな問題としてさておき、そのことと02年4月22日に逮捕に至った容疑とは結びつかない。また、もう一つ、マンションの所有者の「身元照会で職権濫用罪」も課せられているという。
ところが、これらの罪状は、検察が三井氏を逮捕に踏み切った動機とは結びつき難い。検察にしてみれば、「裏ガネ作り」を暴かれることをどんなことをしでも隠蔽したい。そのためには、あらゆる材料をクロに捻じ曲げていくしかなかったのではなかろうか。検察の手口の恐ろしさが分かる。
三井逮捕は、やはり、裏がねの内部告発を恐れた検察の抵抗的な国策的逮捕だったといわれても仕方がないように、小生のような素人には思える。それよりも、何よりも検察等日本の中枢での国民から集めた税金で、裏がね作りで一部の高官が飲み食いしているとは驚愕するばかりだ。これだけはっきりしているにもかかわらずマスコミは何故、その事実を国民に知らせないのか。
小沢氏の公設秘書逮捕は、小沢氏がいきり立ち、不公正逮捕を訴えても、すでに検察からすれば勝負あった、とほくそ笑んでいるのではなかろうか。「これで現政権安泰!!」と、ほとぼりが冷めれば、「小沢公設秘書逮捕」も、「裏がね」問題も、国民は忘れてしまうであろうと考えているのかもしれない。
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『週刊朝日』の編集長山口一臣氏がある「ブログ」に寄せた記事の中で、「ぼくが検察のコワさを身をもって知ったのは、2002年4月に現職の大阪高検公安部長だった三井環さんが突然、逮捕された事件である。記憶している人も多いと思う。容疑は、『電磁的公正証書原本不実記録』だ。何かと言うと、実際に居住している住所でないところに住民登録をしていた、という『罪』である」、と記している。
その三井氏だが、小生も当時の新聞で呼んだ記憶がおぼろげにある。逮捕当時、三井環氏は現職の大阪高検公安部長の要職にあった。その現職の大阪高検公安部長検事が、大阪地検特捜部に逮捕されたのだから、社会は仰天した。どんな悪事を働いたかと。「検事の中には相当の悪がいる」そう思ったのも事実だし、社会の多くの人々は誰もが三井環氏を悪徳検事と思えるような逮捕をし、新聞にもそうリークした。マスコミの多くが検察の情報操作網の中で記事を作文したのも事実である。三井氏は、日本の検察が組織的に行ってきた裏ガネ作りを実名で内部告白することを決意し、マスコミに手配していたと言う。
古川利明氏は、『前傾書』58−59頁で次のように述べている。「じつは、三井はその日、『調活問題』、すなわち、法務・検察の裏金の実態について、実名で内部告発するため、まず、それまで取材で何度か会っている『週刊朝日』副編集長・山口一臣(05年11月より同誌編集長)と打ち合わせた後、その紹介でテレビ朝日の報道番組『ザ・スクープ』のキャスター・鳥越俊太郎からのインタビューを収録する予定になっていた」のだそうである。
当日、古川氏によると、当日8時半すぎ、兵庫の西宮の自宅を出たところで、検察庁の黒塗りの車にから降りてきたかっての部下の大阪地検事務官に同行を求められ、大阪地検に行くことになったようだ。そのとき三井氏は「逮捕されると思った」そうだ。