13. 2009年12月23日 21:03:08 >>12 の全文引用すみっち通信:今日も晴天♪LA発のアメリカニュース 2009年12月22日 (火曜日)「日本メディアは襟を正せ!」 http://sumichi7878.cocolog-nifty.com/blog/ 日本メディアは襟を正せ! 「普天間問題で怒りが頂点に達した米政府が藤崎駐米大使を異例の呼び出し!」という見出しが日本中のメディアを飾った翌日の22日、クローリー米国務次官補(広報)は米国務省で開いた定例記者会見で「呼びだし説」を否定、藤崎大使がみずから米国務省で東アジア・太平洋担当しているキャンベル国務次官補を訪れ、その際にヒラリーが同席。藤崎大使の「日本政府がもう少し時間を必要としている」という説明に対し、アメリカ側は理解を示した上で日本政府と一緒に解決を目指す心づもりでいますよ、そのためにも協議の継続を続けていくつもりですとお答えしました・・・という一連の成り行きを説明した。 米国務省は毎日午後2時に記者会見を開き、その日のヒラリーの動向や各国とのやり取りなんかを30分内でポイントだけバーっと説明するんだけど、その内容というのは一語一句すべて国務省のホームページにアップされていて、どの国からでも内容がわかるようになっている。ほとんどの日本のメディアは、プレスリリースやネットで会見内容を確認して記事としてまとめて配信してるわけなんだけど、クローリーが普天間問題について触れるようになってからというもの、この記事って本当にこの記者会見のことを言ってるの?ってな感じで、まったく違ったトーンの記事が日本中にばら撒かれる状態が続いているのである。 はじめに結論ありきのこの日本メディアの暴走体制。原文と比べながら、日本のメディアって恐いよなーと覚めた視線でナナメに構えることもできるんだけど、こんな報道にだまされて「アメリカがこんな動きをしてるんだ」と信じて普天間問題の未来を考えようとする日本の人々のことを考えるとやはり怒り頂点で黙っておれず、今日は記者会見の日本に関する部分の簡単な訳と原文、そして日本の各メディアの報道をそれぞれアップしてみることにしました。 ********* 記者団:「昨日クリントン国務長官が藤崎駐米大使を呼び出したそうですが、会議の概要についての資料はありますか」 クローリー「藤崎大使はキャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)とクリントン長官に会いにやってきました(立ち寄ったという意味合いが強い “stopped by”という単語を使っている)。大使は(普天間移設問題に関して)日本の方針決定には時間がかかるということを伝えに来たもので、われわれは現行プランが最善のものだと信じていますが、日本政府との協議を継続していくつもりです」 記者団:「立ち寄った?呼び出されたのではないんですか?」 クローリー:「呼び出されたのではないと思います。藤崎大使がわれわれに会いに来たんです」 記者団:「日本のメディアは、クリントン長官がコペンハーゲンでの鳩山由紀夫首相との会談内容について触れ、藤崎大使は(記者会見で)普天間問題についての見解を示されたと伝えていますが、その内容について確認していただけますか?」 クローリー:「私はコペンハーゲンでクリントン長官に同行しましたが、クリントン長官が鳩山首相と顔をあわせたのは、次の会議への移動中に廊下を歩いていたときと、デンマーク女王主催の晩餐会です。何か話したかどうかは定かではありません。しかし、(普天間移設問題は)日米間にとって大事な問題であり、日本政府との協議を継続していきます。沖縄の負担を軽減するためにも、地域における国防上でも現行計画が最善なものだと信じています。昨日の大使は、日本政府がもう少し時間が必要だということを伝えに来たものだと解釈しています」 ********** これに対し、日本のメディアの伝え方というのは下記のようなものがほとんど。 普天間移設期限への影響懸念=米 【ワシントン時事】クローリー米国務次官補(広報担当)は22日の記者会見で、米軍普天間飛行場移設問題の解決の見通しが立っていないことについて「(2014年の)現行計画の実施期限に与える影響を懸念している」と述べ、早期決着の必要性を強調した。 また、21日にクリントン国務長官に呼ばれた藤崎一郎駐米大使が、日本の方針決定には時間がかかると説明したことを明らかにした。 ・・・・・・こうして比べてみると、クローリーの記者会見でポイントだった「呼び出してはいません」って部分が完全に抜けている。それどころか、クローリーが一言も発していない「現行計画の実施期限に与える影響を懸念している」というコメントが代わりに入っているのである。これってさー、一体どういうことよ!?藤崎大使が開いた記者会見で「異例の呼び出し」という報道を大々的に先走ってしてしまったもんだから、それを打ち消すのは自分とこの信憑性を否定するようでみっともなくて、だからクローリーの大事なポイントにあえて触れなかったのかそれは書いた記者本人に聞いてみなければわからない。だけど、事実を事実として伝えるってのは報道において1番大切な基本姿勢のはず。だから、記者会見について伝える記事ならば、クローリーが言った言葉を正しく伝える努力をまず真っ先にしなければならないはず。通信社というのは、外国語を忠実に日本語に訳して伝えるという訓練を徹底してやってるところだから、最近の普天間に関する報道については故意的に操作してるとしか考えられないものばかりだ。仮に、本当に仮に、アメリカが藤崎大使を呼び出して水面化で説教したということであれば、記者会見に自社の見解を混ぜていかにもアメリカ側が言ってるように書くのではなく、あくまでも推論記事として記者名または社名を使って書くというのが妥当だろう。アメリカを怒らせてしまったら大変だから早く言う事聞けよ、とばかりに、自国の首相の足を引っ張る報道を続ける日本のメディアのこうした動きをみていると、日本のメディアとしての未熟さを感じるだけではなく、こうした土壌では本当の議論なんて育たないのではないかと悲しくなってくるほどだ。 クローリーがこの日の記者会見で普天間問題について触れたのは、時間にすればたったの2分弱。日本メディアの報道ぶりは、各社が英語で配信するものやロイターやAP通信なんかが「共同通信によると・・・」ってな感じでアメリカに逆輸入する形で伝えてくれるから、日本メディアが何をどう伝えてるかアメリカのメディアもチェックできるようになっている。なので、この件も「なにー!?ヒラリーが駐米大使を呼び出した〜???」ってな感じで違った意味での反響を呼び、北朝鮮に対してだってそんな高飛車な態度とらないのに日本に向かって本当にそんなことしたんかい?ってな感じで米記者団は盛り上がり、記者会見の冒頭で確認を求められたクローリーも思わず苦笑・・・といった感じなのである。 普天間に関する日本大手メディアの報道ぶりってほんとにあきれるもののオンパレードなんだけど、日本ってこんなふうにこれまでいろんな物事を報道してきたわけ?と思うと、どれだけの事実が捻じ曲げられてきたのだろうかと思わず背筋が寒くなるし、それと同時に、日本って本当の意味での民主主義がまだまだ存在していないんだなということを痛感するのである。 ということで、原文と参照されたい方は下記をごらんくださいませ。 赤字の部分が日本関連の箇所です。 Daily Press Briefings : Daily Press Briefing - December 22 [Part 2] Tue, 22 Dec 2009 17:21:12 -0600 Philip J. Crowley Assistant Secretary Daily Press Briefing Washington, DC December 22, 2009 |