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http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col12003.htm
恐らく無罪 検察は敗北
「無罪」の可能性が強まってきた。東京地裁で初公判が開かれた民主党・小沢幹事長の公設第1秘書、大久保隆規被告(48)の政治資金規正法違反事件のことだ。
検察側は冒頭陳述で、資金提供者側の西松建設・国沢幹雄元社長(禁錮1年4ヶ月・執行猶予3年の有罪判決)の裁判と同様、「天の声」という言葉を多用して悪質性を強調したが、その国沢の判決で、裁判所は「天の声」を一蹴しているのだ。
この裁判の最大の争点は、大久保が献金相手の西松の「ダミー団体」と認識していたかどうかだ。それなのに、検察は「天の声」に”固執”し、30年以上も前のゼネコンの談合話まで持ち出すから意味不明だ。
「検察は大久保が談合を差配し、工事受注の対価として献金を受けていたという構図を描いている。
「天の声」という立証不可能の怪しさ
しかし、ゼネコンが談合でチャンピオン(落札者)を決める際に最も影響力があるのは発注者側のトップ。たとえ国会議員といえども秘書の一言で決まるほど簡単ではない。
検察は絶対的自信があるなら、正々堂々と証拠を示せばいいのに、今出てきているのはゼネコン関係者の供述調書ぐらい。談合罪の公訴時効(3年)が成立し、言いたい放題の彼等の供述に頼るなんて自ら立証不能を認めているようなものです」(社会部記者)
地裁は検察の主張した筋書きをハッキリ否定
検察が容疑と直接関係のない談合に時間を割くのは、その方が賄賂性があって小沢サイドの悪質さも強調されるからだ。
しかし、裁判所だってバカじゃない。国沢裁判の判決を言い渡した東京地裁の山口雅高裁判長は、「献金(の行為)は特定の工事受注の見返りではない」と、判決文で検察の主張した「工事受注の対価」という筋書きをハッキリ否定したのだ。
東京地検特捜部検事だった郷原信郎・名城大教授はこう言う。
「全面的に罪を認めた国沢元社長の裁判でさえ、検察は『天の声』を立証できなかったのに、今回、またしても同じ表現を使って談合と寄付(献金)が対価関係にあるかのように主張しているのは理解できません。仮にメディアに事件を取り上げてもらうことだけを意図しているならば、刑事裁判の目的の逸脱です」
国沢も大久保もそろって初公判は金曜日。
犯罪捜査の本体が歪曲されていたら国民生活はどうなるのか。
「翌日は土曜日で休み。世の人がゆっくり新聞を読んでくれる。その時『小沢』『天の声』が見出しに躍っていたら・・・・・・」なんて検察が考えていたとしたら、あまりにも姑息(こそく)だ。
過去のあやふやな行いだけを強調して、ささいな容疑を有罪に持ち込む捜査手法が許されたら、国民の社会生活は成り立たなくなってしまう。