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[民主党予算要望]
「二重権力」を懸念する【沖縄タイムス】
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-12-20-M_1-005-1_001.html
民主党政権が誕生して初の本予算となる2010年度予算編成に向け、小沢一郎幹事長は鳩山由紀夫首相に党の要望書を提出した。
ガソリン税などの暫定税率維持と子ども手当に所得制限を導入することなどを盛り込んでいる。
衆院選マニフェスト(政権公約)の目玉政策の変更である。
予算規模は概算要求で過去最大の95兆円に膨らみ、税収は09年度見通しの約37兆円から大幅増は期待できない。
国債発行は「約44兆円以内」に抑える方針である。
厳しい財政環境の中ではマニフェストの変更もやむを得ない。
ただ、衆院選投票の指標となった国民との契約である。
仮に変更する場合は、その理由を丁寧に説明する姿勢が最低限、求められる。
そうでないと、マニフェスト選挙そのものが瓦解してしまう。
マニフェストには、暫定税率を廃止し2兆5千億円の減税を実施すると明記。
子ども手当は「子ども一人ひとりの育ちを社会全体で応援する」との理念を掲げていた。
減税がなくなると確かに予算編成上、大きなプラス材料にはなるが、これらの公約に期待を懸けて投票した人も多かったに違いない。
子ども手当の所得制限はやむを得ないと考えるが、財源は所得税の扶養控除を廃止する方向で検討しており、所得制限額によって負担だけが増える家庭が出てくる。
このような家庭への細かい目配りが必要だ。
党の要望には「コンクリートから人へ」の政策に反する整備新幹線や高速道路の整備も入っている。
来年夏の参院選を念頭に置いたものだ。
要望書提出時のやりとりを見ていると、鳩山首相と小沢氏の存在感が逆転し、権力の二重構造になっているのではと映る。
小沢氏は「選挙あっての政権」とあからさまにいい、鳩山首相に「党というより、全国民からの要望なので、可能な限り予算に反映させてほしい」と申し入れた。
だが、その後、暫定税率維持や子ども手当への所得制限導入などは要請がなかったことが判明した。
暫定税率維持は小沢氏の「鶴の一声」で入れられたという。
民主党は族議員を排除するとして、業界団体や地方自治体からの陳情や要請を幹事長室で受けるシステムを導入しているが、これが小沢氏への権力集中を招いていないか。
陳情や要請2800件からどのような基準で18項目に絞り込んだのか、小沢氏には豪腕、こわもてのイメージが付きまとうだけに意思決定過程の透明性が求められる。
財源不足と公約実現という両立が困難な課題を抱える鳩山政権にとって、暫定税率維持など党の要望は財源確保のため「渡りに船」との見方もできるが、鳩山首相は「暫定税率廃止は国民への誓いだ」とこだわりをみせる。
「最後は私が結論を出す」という。
鳩山政権の5原則の一つとして「政府と与党を使い分ける二元体制から、内閣の下の政策決定に一元化」の方針をうたっているが、司令塔不在だけが目立つ。
鳩山首相は自身のリーダーシップが問われる正念場に立っている。